バトルロワイヤル19
「────はぁ?」
その状況を受け止め切れていないようで男は目を白黒させる。
「目に映る物が現実だから」
そう言いながら、口へ刀を押し込んだ。
ブスッブスッと、喉の奥が焼けていく音が聞こえてくる。
動かなくなると、刀を引き抜く。
他のプレイヤーの方を向くと、ピタリと動きを止めていた。
何十人もいるのに、その誰もが足を止めていた。
「どうした? 戦わないのか」
だが、その目戦の先はマキナには向いていなかった。
その視線の先は、マキナのすぐ後ろ。
ある感覚が背筋を凍らせる。
殺気。
全てを奪い去ろうとする冷たい威圧感が背後にあった。
身体を低くし、前方へ身を投げ出す。
次の瞬間、視界から人の形がすべて消えた。
「マジか」
ゴトッゴトッと、音を立てて胴体が地に落ちていく。
視界に並ぶのは、反応がない半身だけだった。
「俺を見たら、お前も同じにする」
ノイズのかかった電子音声で耳元で囁かれる。
マキナは思考を巡らす。
スキル、身体能力、今のこの状況を作り出したと考えられるとしたら前者。
だが、開発段階でこんなスキルは存在しなかったはず。
これはありえないかもしれない。
もし、私と同じように未実装のスキルや装備を扱えるプレイヤーだというのなら、この状況にも十分に説明がいく。
だが、それはやっていい事ではない。
無論意図して、得たものでない私も同罪だ。




