55/60
バトルロワイヤル17
扉が無くなりゆっくりと、誰かが入ってきた。
「あれ?」
埃が舞う中で自然と目が合う。
「女の子じゃんラッキー」
頬に十字のペイントを入れた高身長の青年。
目があったら、バトル。
というわけにもいかなかった。
私の視界は既に赤く染まっていた。
目の前には、青年の上顎から上の頭部。
そしてとぼとぼとと、ひとりでに歩いていく胴体だった。
一瞬の出来事だ。
私は入ってきたと同時に青年の肩に飛び乗り、上顎と下顎をそれぞれ逆の方に力をいれて千切った。
激痛などでは例えられない痛みだろう。
青年の苦悶の表情が私の力を教えてくれる。
「せっかく、人がリラックスしているのに入って来ないでよっ!」
私は床に転がる頭部を踏みしめる。
グシャッと音を立てて、頭部は元の原型を失う。
「さて、落ち着くような気分じゃなくなったし」
ニッと口角を上げ、青年の血で目じりにペイントを施す。
鏡に映る自分はまるで────────本物のモンスターだった。
「狩りを始めよう」




