バトルロワイヤル10
無かった。
気が静かになる。
だが、瞬時に思考が巡った。
そして、あることを思い出した。
私は全ての社員の履歴書や会話ログを姉さんのパソコンから見ていた。
会社の株の4割は私が所有している。
アクセスに対して何か申し立てするなら好きにしてもいい。
そんな考えを持って、暇つぶしがてら社員の仕事を裏から見ていたのだ。
姉さんのパソコンは、誰も見ることはできない。
なんせ、代表取締役社長という役職であるから、それを監視できるの誰もいない。
ただし────私を除いて。
その中に心霊が好きな社員が二人ほどいた。
その二人は、モデリングとプログラムのそれぞれ異なる職種でありながら、どのように知り合っていたのかは気になった。
だが、その二人がこのゲームの完成がもう目前で、ベータテストも終えた段階で急に残業が増えている。
パソコンのオンライン時間が明らかに長い。
姉さんに残業の警告をするように伝えてはいた。
そして、同じ時間に退勤をしている。
その時から気になってはいた。
何故このタイミングなのか。
ベータテストも終わった段階で、バグや文字化け等の報告は入ってなかった。
今になってわかった。
この二人、勝手にクエストとNPCを作っていた。
「頭の整理はできた。感が正しければ」
マキナは部屋を出て、音がした方の壁を殴りつける。
だが、その腕は壁には当たらなかった。




