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無慈悲な本性5
時間だけが、無情にも過ぎていく。
疲弊している感じこそあるが、死に至ることは永遠にない。
「もういい。──────二人のうちどちらかを私が殺す」
「「ひっ……」」
「無いと思うが、死にたいやつは言え」
当然、手を上げることは無かった。
「じゃあ、死ねばいいと思う方を指差せ。だが、私及びお前ら二人以外のものを指した場合、そこで死んだふりしてる眼球の無いクソとそこで転がってる顔面の陥没したやつと同じことをやる」
二人は後悔する。
先ほどの殺し合いでせめて、相手を殺していれば、自分は無残な死に方を選ばなくて済んだと。
「ねよ……」
「何」
「お前が死ねよ! こっちはただ遊んでいただけで向きになりやがって! 調子に乗んなクソ女!」
腹の内にあった全ての不満と怒りを無責任に吐き、少し安堵したような顔を見せる。
「良かったな。最後に本音が言えて。これでお前ら二人死ぬことができるぞ」
「も、もうやだ! いやだあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
マキの圧力に恐れ、今まで黙っていた少女は、走って窓の外から身を投げ出した。
「あーあ。頭からいったか。ここ、5階だから運が良ければ少し苦しむか」




