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無慈悲な本性
体が勝手に動いた。
片足で机を蹴り上げた。
机はまるで、ボールのように宙を舞う。
そして、落下する机の面を蹴り飛ばす。
机は、一軍女子たちの背中に当たる。
背中に当たると、カエルの断末魔のような汚い声が吐かれた。
「柚子大丈夫? 何すんのよ!」
「何? ただの肉が話してる」
「何言ってんの! 頭おかしいんじゃないのアンタ!」
「はぁ、だる……」
マキは痛みに悶絶する柚子に近づく。
「来るなっ! 来るなっ!」
一軍女子のリーダーはそう言う。
だが、明らかに怯えていた。
次の瞬間、4人の女子が同時に襲い掛かってきた。
リーダーはあくまで油断を誘うためのもので本命はこの4人。
抗わず、両腕を押さえつけられ、羽交い絞めにされる。
その姿に再び余裕が戻ったリーダーが、柚子から離れ、近づく。
「奴隷の癖に調子乗んなっ!」
乾いた音が教室を駆け抜ける。
平手が頬に当たったらしい。
じんわりと、頬が熱い。
マキは、頭を大きく動かし、背後に引っ付いている女子に頭突きする。
すると、力が緩み、右の女子に頭突きし、さらに左の女子に頭突きした。
あとの一人は、マキの眼光で腰が抜けて動かなくなる。




