この世界の地理とエルミナとの訓練
「アルク様、起きてください」
ケルト達四人の依頼を手伝ってから一週間が経とうとしていた日、俺はエルミナに起こされた。
最近、俺の一日はエルミナに起こされてから始まっている。別に俺の寝付きが悪い訳ではない。
寧ろ毎朝、朝稽古もしているので早い方なのだがエルミナはそれよりも早く起きて俺を起こしてくれるのだ。それのお陰で朝稽古の時間が遅れる事がなくなったのでエルミナには感謝してもしきれない。
また、エルミナが使用人になってから暫くが経ち、今では使用人としての仕事を完璧にこなすメイドになっている。
それに加えてエルミナは訓練をしていてある程度戦闘能力も持っているので自衛も出来ると言う完璧メイドぶりだ。
···何かこのままではエルミナ無しでは生きて行けない駄目人間になりそうな気がする。いや、確実になるな。これからは少しは自分でやる努力をしよう。
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「アルク様、今日はどの様に過ごすのですか?」
俺が朝食を食べ終わった後に寛いでいるとエルミナが俺の今日の予定を聞いてきた。
「いや、特に今日は何もないが、どうかしたのか?」
「いえ、もし時間があるなら午後から戦闘の訓練を見て頂けないかと思いまして。最近はアルク様もティア様も冒険者の依頼で居ませんから相手が居ないので訓練しても強くなった実感がわかないんです」
なるほど、確かに相手がいないと実感がわかないよな。俺も仙術の分身の技を覚えるまでは相手がティアぐらいしか居なかったから接近戦が余り出来なくて困った物だった。
「分かった。今日の昼からだな」
「はい、ありがとうございます!」
エルミナがそう言って使用人の仕事に戻って行った。因みにティアは今日、指名依頼があったらしく王都に行っているのでいない。まぁ、指名依頼と言っても護衛の依頼らしいが···。
取り敢えずエルミナとの訓練は午後からなので午前中は屋敷にある本を読む事にした。
この世界では本は高価な物だがどうやらアルベルトの父親が読書が好きだったらしく屋敷に本が沢山おるのだ。
まず戦闘に使えそうな本はあらかた読んでしまったのでこの世界の地理については本を読む事にした。
この世界には大きな大陸は一つありそれ以外では大陸と言う程の大きな物はないらしい。
つまり人種や獣人、エルフや竜族、魔族の国々は陸で繋がっているということだ。
まぁ、竜族に関しては数が少なく国と言えるか分からないらしいが···。
それとそれぞれの種族の国について詳しく紹介しよう。
まず、種族の国の中で一番国の数が多い国は人種の国だ。
人種の国で主要な国は俺が居るエルメスト王国や
今まで名前を出してなかったバンデル帝国、宗教国家のシレン共和国がありその他にも小さな小国が沢山ある。
また、他の獣人やエルフの国は一つしかない。
その理由は獣人は余り群れたがらないらしく集落が多いからでエルフの場合は単にエルフ自体が希少で数が少ないかららしい。
それと魔族の国については分かっていないらしい。何故なら魔族の国がある魔族の領域の環境は厳しく強力な魔物が居るらしく中に入ったら殆ど帰って来る事がないから詳しく分かってないらしい。
まぁ、この世界の国はこんな感じだ。
その後も色々と本を読んで居ると思ったより熱中していたらしくもう昼食の時間のなったいたので本を読むのは辞めて昼食を食べに行った。
昼食を食べた後俺は予定通りエルミナの訓練に付き合う事にした。
「じゃあ、エルミナ。軽く体を動かしたら実戦訓練でもするか」
「はい!」
そう言って俺達は準備体操をしたり軽く走ったりした後、早速エルミナと模擬戦をする事になった。
模擬戦が始まるとまずエルミナがこっちに向かって圧縮した水の塊を勢い良く打ってきた。
ただの水だがあの勢いなら結構な威力があると思うので俺はそれを躱してエルミナを攻めに行こうとすると魔力を纏ったエルミナが俺に護身用のナイフで斬り付けて来た。どうやら魔法を打った後、俺が避けると予想して突っ込んでいたらしい。
俺はそれも躱そうとするが急に強い風が吹き動きが妨害された。妨害された俺は避ける事が出来ないのでエルミナのナイフを剣で受け流す。
「なるほど、風魔法で俺の動きを妨害したのか。考えたな」
「はい、でも攻撃を当てる事は出来ませんでした」
確かに風魔法なら基本目に見えないのでこれは使えるだろう。
「では、続き、行きます」
するとエルミナはそう言ってまたこちらに突っ込んで来たがどうにも先程よりも動きが早い。
恐らく、先程の妨害と同じで今度は自分の動きを補助しているのだろう。
それを俺は水魔法をウォーターボールを複数同時に打つ。それをエルミナはスピードに任せて避けるがそこで隙が出来たのを俺は見逃さずエルミナに剣を上段から振り下ろす。
するとエルミナはそれをナイフで受けようとするが俺の身体能力で振られた剣の衝撃が大きかったらしくナイフを弾かれて落とすしたので俺はエルミナの首に剣を突き付ける。
これで終わりだ。
「参りました」
「いや、エルミナも相当強かったよ」
別にお世辞ではない。
エルミナの個々の魔法やナイフの扱いはまだ良くてBランク冒険者くらいだが、それを上手く使い分けたり応用したりして自分の足りない部分を補う事で相当強くなっている。これならBランクの上位の強さがあると思う。
因みにエルミナの今のステータスはこれだ。
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名前 エルミナ
種族 エルフ
年齢 9歳
性別 女
魔力量 8900 → 9300
属性適正
水、風、光、重力
ーーースキルーーー
[レアスキル]
·魔素感知 レベル2→3
·魔素操作 レベル1→2
·精霊魔法 レベル4
·精霊視 レベル8
[通常スキル]
アルカナ言語 レベル4
·魔力感知 レベル7
·魔力操作 レベル6
·水魔法 レベル4→5
·風魔法 レベル4→5
·光魔法 レベル3→4
·重力魔法 レベル1→2
·悪意感知 レベル3
·気配察知 レベル2→3
·暗視 レベル4
·料理 レベル3→5
·短剣術 レベル3 New
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一見魔力が余り成長してない様に見えるが単に俺とティアがおかしいだけでこれでも相当早い方だ。それとエルミナは新しく短剣術、つまりナイフなどのスキルも手に入れていてその他のスキルレベルも上がっている。
だけど今回エルミナは精霊魔法を使って来なかったがどうしてだろうか?
「なあ、エルミナ」
「はい、なんですか?」
「今の模擬戦で精霊魔法を使ってなかったけどどうして使わないんだ?」
「それは普通に魔法を使った方が強いからです」
「えっ?精霊魔法ってそんなに弱いの?」
「いえ、精霊魔法は精霊の力を借りてするのですが私はまだ精霊と契約してないので周りにいる精霊を使って発動しているのですがやはり正式に契約しないと余り威力が出ないんです」
「なるほど」
どうやら使わないのではなく威力が低く使えなかったらしい。
「じゃあ、もう少し休んだらもう一回しようか」
「はい!」
その後も俺達はエルミナが疲れてバテる訓練を続けのだった。




