謁見
謁見当日、俺はガルドに言われた通りに昼に冒険者ギルドに来た。服装は冒険者の時の格好だ。
一様礼服も持っているのだが冒険者がこういう場に呼ばれる時は大抵いつも通りの冒険者の格好で参加するらしいので俺もそれに習った。
冒険者ギルド着いた俺は取り敢えずガルドの元に向かった。
「来たか、アルク」
「はい、あの、王様に会うのに本当に礼服じゃなくて良いんですか?」
俺はいまいち納得してなかった事をガルドに聞いてみる。
「ああ、それか。一つ聞くが、そもそも冒険者に貴族みたいな事をさせて出来ると思うか?」
「···無理ですね」
「だから冒険者はいつも通りの服装と決まって居るんだ」
「ですが俺は一応貴族なので礼服でも良いんじゃなおですか?」
「確かにそうだがお前は貴族として冒険者になったのではないんだろう。それにお前が貴族として礼服を着て行ってみろ。今までのいつも通りの服装で行くイメージが冒険者は王様の前で礼服を着て行く事が出来るにも関らずわざといつも通りの格好で行ってるって事になるだろうが!」
確かにそうなるな。それなら俺のせいで今までの冒険者のイメージを壊す訳には行かないだろう。
「分かりました。いつも通りの冒険者の格好で行きます」
コンコン
「ギルド長、アルク君の迎えの馬車が来ました」
レイラさんがノックをして中に入って来てそう言う。
どうやら俺の迎えが来たらしい。
「そうか、アルク。準備は良いか?」
「はい、大丈夫です。それに王様とは王家主催パーティーで話した事がありますから大丈夫です。寧ろ、周りの側近の人に合う方が緊張しているくらいです」
「それなら大丈夫だな。じゃあ行くか」
ガルドがそう言い俺は迎えの馬車に向かった。
迎えの馬車が見えて来ると俺は余りに豪華な馬車に絶句する。恐らく俺の家の馬車よりも豪華な馬車だと思う。という事は王家所有の馬車か上級貴族でも上の方に入る馬車だと思う。まさか高々
冒険者との謁見の為にここまでの馬車を使うとは思ってなかった。
「貴方様がSSランク冒険者のアルク様で合っていますか?」
俺が馬車を見たまま考え事をしていると馬車から執事の様な人が出て来てそう尋ねてきた。
「はい、私がアルクです」
「やはりそうでしたか。私はアルク様をお迎えに上がる命令を受けて来た執事のセバスと申します。どうぞ宜しくお願いします」
「セバスさんですか。こちらこそ宜しくお願いします」
やはり執事で合っていた様だ。てか名前がセバスってテンプレ過ぎだろ。
それにこの人は隠してはいるが相当な強者だ。
冒険者のランクで言えばAランクでも上位に入るくらいには強いと思う。
それから俺はセバスさんに馬車に乗せられ王城に入って行った。
それと城門では門番の人が御者をしているセバスを見ると頭を下げて素通りして行った。
一体セバスさんは何者なのだろか?
「アルク様、着きましたので馬車を降りて下さい」
「分かりました」
「それでは私に付いて来て下さい」
俺がセバスさんの正体を考えてるとそう言われたので馬車を降りてセバスさんに連れられ個室に到着した。
その後俺はセバスさんに謁見での流れを聞かされた。
「では謁見の時間までこの個室でご寛ぎ下さい」
謁見での流れは至って簡単でまず俺が入場してから王様が入場する。そして王様が入場したと同時に片膝を地面に付き頭を下げる。それから王様から許可を得て頭を上げ褒美を貰って終わりだ。
ここまでが謁見での流れだ。
それと俺が喋るのは王様に褒美が何が良いか聞かれた時だけだ。それ以外は許可なく喋る事は駄目らしい。まぁ、その方が楽なので良いが。
「アルク様、謁見の時間です」
「分かりました」
それから暫く個室で寛いでいるとセバスさんが入って来てそう知らせてくれた。
「では、こちらです」
俺が返事をすると、俺はセバスさんから案内を受け謁見をする王の間に向う。
暫く歩き王の間の扉に着いた。因みに王の間の扉は滅茶苦茶でかい。これ、開けるの面倒じゃないだろうか?
「冒険者アルクの入場です」
俺が馬鹿な事を考えていると俺の入場が知らされる。すると俺の前にある大きな扉が開いたので俺は中に入る。俺は中に入って王の間を見る。王の間では両端に豪華な服来た貴族や鎧を来た騎士、魔法使い(相当な強い人達)が並んでいる。そして奥には段差があり豪華な椅子が置かれている。あれは王様が座る椅子だと思う。
因みに俺が入って来るなり両端に並んでいる貴族が驚愕の顔をしている。恐らく俺がまだ幼いと聞いていたがこんなに幼い子供とは思ってなかったのだろう。逆に騎士や魔法使いは俺の強さがある程度分かるのか納得の顔をしている人が大半だ。
「国王様のご入場です」
それから謁見は進んで行き遂に王様の入場の合図が出される。それと同時の王の間にいた全ての人が膝を付き頭を下げ王様が入場する。
「表を上げよ」
王様が椅子に座りそう言うと王の間にいる全員が頭を上げる。また、王家主催パーティーで話した時とは雰囲気が違いその声には王の威厳が漂っていた。
「冒険者アルクよ。此度のグランドドラゴン討伐大義で合った。よってそなたに褒美を与える。何か褒美として欲しい物はなるか?何でも言うが言い」
その瞬間、王の間に同様が走る。それはそうだろう。王様が何でもと言えばそうなるだろう。
「ではお金を下さい」
俺は始めから決めていた物を言う。お金にすれば周りの貴族から反感も買わないと思ったからだ。
「ほう、本当にそれで良いのか段位を上げる事も出来るのだぞ?」
「国王様!?それは」
「お主は黙っておれ!」
ん?どういう事だ。王様は俺が貴族の長男なので段位を貰っても意味が無い事を知っているはずなのに何故こんな事を言うのだろう。
そう思って王様の顔を見ると口の端が釣り上げている。あー、どうやら俺は王様に嵌められた様だ。
「いえ、私はお金で十分です」
「ほう、理由聞こうか?」
この人絶対ドSだろ!
しかし、俺はわざわざ正体をバラす気はないので誤魔化す事にする。
「···分かりました。今の私は一人の冒険者です。そんな者が貴族としてやって行けるとは思わないからです」
まぁ、王家主催パーティーで俺の顔を知っている人もいると思うのできつい誤魔化しだがこれでも少しは誤魔化せるだろう。
「ふむ。お前の考えはよく分かった。では望み通り褒美は金にしよう」
「ありがとうございます」
それから王様が退場し謁見が終わった。
「アルク様、国王様が個人的にお話がしたい様ですのでこちらに来てください」
俺が王の間から退場するとセバスさんがそう言って来た。
「分かりました」
「こちらで国王様がお待ちです」
そう言って俺はセバスさんに個室に案内される。
中に入るとセバスさんの言う通り王様がいた。
「おお、アルク、来たか。グランドドラゴンの討伐とはやるではないか」
「ありがとうございます。ですが先程の事は流石に酷いです」
「はっはっは、あれは悪かった流石に弄り過ぎてしまった」
「こちらからしたら肝が冷えますよ。余り面倒事は起こしたくないんです」
「いや、それはグランドドラゴンを討伐した時点で面倒事に頭から突っ込む様な物と思うがな」
「うっ、それは···その、仕方なかったので」
「いや、それに関してはこちらも助かっておる。それにしてもその年でSSランクとはやるではないか。もしかしたらSSSランクに慣れるかもしれんな」
「流石にSSSランクは無理ですよ」
SSSランクは歴代には数人いたらしいが今は一人もいないのだ。そんなランクに俺が慣れるとは思わない。
「そうか?」
「そうです」
それから王様と沢山の事を話し、俺は報酬を受け取り帰ったのだった。




