防具
ティアが冒険者に登録した次の日、俺達は依頼を受けに冒険者ギルドに向おうと思ったのだがその前にティアの防具などを買わなければならない事に気付いて先に防具屋に向かった。因みに場所は上位の冒険者が買う様な防具が売っている防具屋だ。
「···お兄様、ここ、ですか?」
「みたいだな···」
向かった防具屋は王都の工業地区に裏路地の人気のない所にある古そうな店だ。俺が武器を買った時も思ったけどどうして質の良い武器や防具を売っている店はこんなに人気がない所にあるのだろか?店の前に突っ立っていても意味がないので取り敢えず店の中に入る。外見と違って中はしっかりしているらしく防具が並んどいるが店に並んでいる防具は質が低い訳ではないが高い訳でもないと言った物ばかりだ。俺も冒険者として武器や防具は沢山見てきたので質の違いは鑑定しなくても分かるようになった。取り敢えず店の机にに座っているやる気が無さそうな人に聞いてみる事にした。
「すいません、妹に合う防具を探しているのですが良いものはありますか?」
「店の並んでいるだろう?」
店員はそうぶっきらぼうに言う。
「いえ、あの様な良くも悪くもない防具ではなくちゃんとした防具がいいです」
「ほう、見ただけで分かるとはなかなか良い目をしているじゃねえか」
「ありがとうございます。それで妹の防具を頼めますか?」
「分かった、俺は質の良い防具は認めた奴にしか売らねえが防具の質をひと目で見破ったお前さんに免じて売ってやる、で、嬢ちゃんの戦闘スタイルはどんなもんなんだ?」
「はい、私の戦い方は······」
どうやら戦闘スタイルに応じて防具を帰る様だ。最初はやる気がなさそうとか思ったけど意外としっかりしている様だ。因みにティアは多種多様な魔法で敵に応じて戦い方を変えるので弱点は殆どない。
「なるほど、それは器用貧乏じゃねえのか?」
「ティアの魔法はどれも一級ですよ。得意な魔法ではレアスキルも手に入れてますし」
「ほう、その年でレアスキルをか。なかなかやる様だな後衛タイプの奴に鎧やら何やらを付けても意味がないからなこんなのはどうだ」
そう言って店の奥から持って来たのは各種の関節や急所を守る革製の防具とローブだ。
「見ての通り関節と急所を守る防具とローブだがこの防具は軽い上に高ランク魔物の革で出来た防具だから丈夫だ。ローブについて少し値段が高いが性能は一級品で魔力の回復を早くする効果と魔力を込めると物理や魔法の防御力を高める効果がついてはいる一品だ」
確かに鑑定で調べてもその通りだ。
「分かりました。それを買います。ティアもこれで良いか?」
「はい」
「まいど、俺でお前さんは防具を付けてもイルヨウだけど防具はあるのか」
「俺はオーラや魔力で防御力を高めるから防具類は付けてない。移動の妨げになるしな」
「馬鹿野郎!防具は防御だけじゃなくて戦闘の補助にもなるんだよ!移動の妨げになるのはその防具が悪いだけだ!」
俺が防具を不要だと言うと怒鳴られてしまった。確かに戦闘の補助が出来るのなら俺もつけた方が良いかもしれない。
「すまない、俺の勘違いだった様だ。じゃあ、俺の防具も頼む。俺の戦闘スタイルは身体能力や剣を強化して敵を倒す普通の剣士の戦い方に近い感じだ」
俺の戦い方は確かに剣士の戦い方だが魔法やゴースト系の魔物、硬い敵まで全部斬ってしまうので普通の剣士に近い(非常識な)戦い方と言っておいた。
「なるほど剣士か。じゃあこれだな」
出して来たのは金属で出来たボディアーマーと靴だった。でも金属の防具じゃ重いし動きにくいしで移動の妨げにならないだろうか?
「お前の疑問は分かっている。金属では移動の妨げになると良いのだろうがその心配は大丈夫だ。重さは重力魔法が付与されていて軽いし自動的サイズをある程度合わせる効果もあるから体にサイズがあって動きの妨げにもならない」
なるほど、確かにそれなら動きの妨げにならないだろう。
「こっちの靴は沼地などの足場が悪い所を歩く時に補正が入る効果がある」
それは確かに助かる。
「確かにこれなら問題ないですね。ではこれも下さい」
「ああ、それは良いが金はあるのか?結構値が張るぞ?」
「はい、大丈夫です」
俺は防具のお金を払う。そういえば自己紹介してなかったな。
「今日はいい買い物をありがとうございました。遅れましたかが俺はアルクでこっちが妹のティアです」
「よろしくお願いします」
「おう、俺はジャズだ。よろしく頼む」
その後俺達はジャズも別れ決めていた通り依頼を受けに冒険者ギルドに向かった。
ギルドの入った俺達は昨日の事もあって注目を集めるが気にせず前に進む。どうやら今日はレイラさんはいない様なので依頼を見に行く。因みにパーティーを組んでいる場合は普通は一番高い人のランクの依頼を受ける事が出来るが三つ以上ランクが離れた人がパーティーのいるとパーティー内の平均ランクの依頼までしか受ける事が出来ない。因みに俺がSランクでティアが冒険者になったばかりのFランクなので平均はCランクになるのでCランクの依頼を見る。
「やっぱり、簡単なのばかりだな」
「そうですね」
前も思ったがCランクの依頼は簡単すぎる。単体を討伐しても物足りないと思うので数が多い依頼が良いだろうと考えたがゴブリンかコボルトの群れ位の討伐しかない。
「ティア、ゴブリンとゴブリンの群れの討伐でいいか?」
「はい、大丈夫です」
仕方ないのでこの二つの依頼を受ける。因みに依頼を複数受ける事は可能だ。依頼を決めたのでティアと受付の手続きをしてもらい依頼を受ける。準備は出来ているので俺達は魔の森の中部に向かった。




