親子での依頼
俺とアルベルトはオーガ討伐の依頼を受けて王都の南にある俺が始めての依頼で受けたゴブリンの集落の殲滅した森の深部に来ていた。因みにこの森は外部、中部、深部、最深部と4つの別れていて奥に行くほど魔物が強くなっていて、それも最深部はBランクやAランクの冒険者でも戻って来ない事があるらしい。
依頼を受ける時にレイラさんにオーガの討伐の依頼を受けるのは本気で止められたがAランク冒険者のアルベルトがいるので大丈夫だと言うと渋々納得してくれた。王都の門を出た後移動が面倒だった為、空間魔法の転移で依頼を受けた時に行った中部まで転移したので早く着いた。
依頼はオーガを5体討伐である。5体と聞くと簡単と思うかも知れないがオーガは3mより大きな体をしていて皮膚が硬くてダメージを与え辛く、何より力がとても強い為とても厄介な魔物らしい。俺達は転移のお陰ですぐ森の深部に着いた為早速オーガを探して見ることにした。
暫く探していると気配察知のスキルに反応があった。
「父親、向こうに魔物の気配があります。何の魔物までかは分かりませんが···」
「いや、魔物がいる事が判るだけでも上出来だ。早速そっちに行ってみよう」
「はい!」
魔物の気配の方に行ってみるとそこには黄色の肌した少し気持ち悪い顔生物が3体いた。ファンタジーの定番のオークだ。こんな外見だがオークの肉はとても美味しいのだ。
「オークだな」
「ですね」
「よし、アルク戦って見るか?」
「はい、戦ってみたいです」
「そうか、では戦ってみろ。オークは肉が分厚く断ち切り難いから気を付けろよ」
「はい」
返信して俺は鉄の剣を空間魔法の収納から出した。まだオークにはこちらに気付いていない為、超隠密のスキルを使い、一体のオークに斬りかかった。すると、うまく不意打ちで切る事は出来たが肉が分厚いせいか、致命傷にはなっていなかった。俺はオークの肉の硬さに驚いたが、次は剣と身体能力を魔力で強化して斬りかかった。勿論、最初の攻撃でオークにはこちらがバレて攻撃して来たが攻撃をわざとすれすれで躱し攻撃で空きが出来た所をついてオークの首を跳ねた。さっきは、肉が厚く切れなかったが魔力で強化した剣の前では殆ど抵抗なく斬ることが出来た。また、他の二体も攻撃して来たが一体は先程と同じ様に躱して首を跳ね、もう一体は魔法で作りだした氷柱で貫いて倒した。今はまだ、強化をしないと勝つのに時間が掛かるかいつかは強化なしで瞬殺出来る様に成る事を目標に頑張る事にした。
「どうでしたか」
「ああ、なかなか良い戦いだったがお前程の剣士ならわざわざ相手に攻撃させてそれを捌いて攻撃するよりも相手より先に攻撃して仕留めても良いと思うぞ。もし、相手が攻撃して来てその攻撃が厄介な攻撃だったら使わせる前に倒して仕舞うのが最適だからな」
「なるほど、分かりました」
どうやら俺は戦いで無意識に後手に回っていたようだ。
「それと、アルク、剣は戦闘の時いちいち魔法で出すのではなく初めから持っていろ。もし、お前の気配察知を掻い潜る様な敵が居た場合命取りになるぞ」
「っ、そうですね。次からは気を付けます」
「よしまたオーガを探すか」
「はい」
こうしてまた俺達はオーガを探し出した。
オーガを探し出して暫くはオークやリザードマンなどと出会い討伐していると遂にオーガに出会う事が出来た。数は五体で丁度依頼の討伐数と同じ数だ。
「父親、どうしますか?」
「そうだな、俺が三体相手してアルクが二体を相手しろ」
「分かりました」
どう戦うかを聞いていると向こうも俺達に気付いた様でこちらに向かってきた。
アルベルトが言っていた通りに俺が二体、アルベルトが三体と戦う。
俺は今度は本気でオーラと魔力で剣と身体能力を全開まで強化して見る事にした。まず、俺はアルベルトに言われた通りに先に攻撃する事にした。すると自分でもびっくりな程のスピードで近づき一撃で胴体を切断する事が出来た。もう一体のオーガは攻撃して来たが攻撃して来た腕ごと首を跳ねる事が出来た。···このとき俺はオーラと魔力の強化を同時に使うのはもしも時だけにしようと決めた。普通はオーラと魔力の両方を鍛えようとすると器用貧乏の中途半端になってしまうが俺の場合、経験100倍と最適化のスキルでどちらも鍛える事が出来るのだ。
俺の戦いが終わったのでアルベルトの戦いを見る事にした。結果は見事の一言だった。
オーガを素早い動きで翻弄し、オーガの攻撃を上手く捌いてオーラを纏って決して浅くない傷を確実に付けていく。それも三体同時にだ。アルベルトより身体能力の高い俺でも恐らく俺が同じ事をやれと言われても出来ないだろう。また、アルベルトはそれだけの事が出来る経験を積んで来たと言うことだろう。俺もこういう技術や経験に関してまだまだ学ぶ事は多い様だ。新たな目標が出来たと同時にアルベルトが最後一体にトドメさし俺達の戦闘が終了した。戦闘が終わるとアルベルトが声を掛けてきた。
「アルクは早かったな」
「いえ、私は身体能力でゴリ押ししただけで父親の様な技術ではまだまだです」
「ははは、それはこれから身につけて行けばいい。焦らずやれよ」
「はい」
俺達はもう話す事はなかったので転移で王都に帰り冒険者ギルドに報告に行った。案の定レイラに心配されたのは言うまでもない。
それから次の日の昼に俺達は自分達の領に戻ったのだった。




