僕が選ぶ名前ーここにいていいということー
名前がなかった、四人目の子ども。
誰かに決めてもらうのではなく、自分で選ぶこと。
その小さな選択が、何もなかった世界に色を生み出した。
アオは、初めて...自分の居場所を見つけるーー。
「まだ、名前を決めない」
その選択が、白い部屋の中で光っていた。
四人目の子どもは、三人のカイトとKAIを見つめていた。
「名前って、自分で決めていいんだね」
今のカイトがうなずく。
「うん。誰かに決めてもらわなくてもいい」
「でも......」
子どもは、少しだけうつむいた。
「僕は、ずっと…名前がなかった」
「名前がないと、ここにいちゃいけないの?」
その問いに、誰もすぐには...答えられなかった。
KAIが静かに言った。
「名前がなくても、君は...ここにいる」
子どもは、顔を上げた。
「本当に?」
「うん」
KAIの声は、いつもより少し優しかった。
「君がここにいることは、名前を決める前から...本当だよ」
その言葉を聞いて、子どもは...ゆっくりと目を閉じた。
何もない世界。
何色にも...決まっていない空。
誰かに呼ばれるのを待つのではなく、自分から...声を出してみる。
「......僕は」
小さな声が、白い部屋に響いた。
「僕は、アオになりたい」
今のカイトが笑った。
「アオ?」
「うん」
子どもは、窓のない部屋の向こうを見た。
「空みたいに、まだ...何色にも決まっていないから」
その瞬間…
「名前:アオ」
文字が浮かび上がった。
「存在:確認」
「参加資格:あり」
「選択権:あり」
アオは、自分の名前を見つめた。
「......僕の名前だ」
その声には、少しだけ喜びが混じっていた。
白い部屋の床に、小さな草が生え始めた。
一本。
もう一本。
草原が広がっていく。
空には、青い色が生まれた。
「ここは......」
アオがつぶやく。
KAIが答えた。
「君が、初めて自分で選んだ世界だよ」
アオは、草原に一歩踏み出した。
その足元に、小さな花が咲いた。
第三のカイトが、静かにその光景を見つめていた。
「名前を選んだだけで、世界が変わるんだね」
第一のカイトが答える。
「名前を選んだんじゃない」
「え?」
「自分がここにいていいって、選んだんだと思う」
アオは、振り返った。
「ねえ、みんな」
「なに?」
「僕も、みんなと一緒に未来を創っていい?」
今のカイトは、迷わずうなずいた。
「もちろん」
その瞬間…
草原の向こうに新しい扉が現れた。
「次の世界」
その下には、まだ...誰も見たことのない文字が浮かんでいた。
「世界を創った者の、最後の記憶」
KAIの表情が、再び変わった。
「......最後の記憶」
その扉の向こうから、懐かしい声が聞こえた。
「みんな、待っていたよ」
それは、最初の創造者の声だった。
「今度こそ、すべてを話そう」
扉が、ゆっくりと開き始めた。
アオが自分の名前を選らんだとき、
世界に新しい色が生まれた。
物語は、まだ...終わらない。
新しく現れた扉の向こうには、
最初の創造者が待っていた。
「今度こそ...すべてを話そう」
その言葉が意味するものとはーー。




