誰も置いていかないー三人が交わした約束ー
三人のカイトとKAIが、少しずつ思い出し始めた過去。
そこには、四人で過ごした大切な時間があった。
けれど...
まだ...思い出していない人がいる。
あの日、何が起きたのか。
四人目の子どもは、誰なのか?
扉の前に、三人のカイトが立っていた。
「三人が交わした約束」
その文字が、ゆっくりと光っている。
「開けよう」
第一のカイトが言った。
第二のカイトは、まだ...扉を見つめていた。
「本当に、思い出していいのかな?」
「どうして?」
今のカイトが尋ねる。
第三のカイトは、小さく答えた。
「思い出したら、また...失うかもしれないから...」
その言葉に、誰もすぐには...答えられなかった。
やがて...
KAIが一歩前に出た。
「大丈夫。今度は、みんなで思い出そう」
四人が同時に扉に手を触れた。
すると・・・。
白い光が広がった。
そこには、何もない草原があった。
空も、地面も、まだ...色が決まっていない。
その真ん中で、三人の小さな子どもが笑っていた。
「見て!ここに...秘密基地を作ろう!」
一人の子どもが声を上げる。
「いいね!」
もう一人が走り出す。
少し離れた場所に、小さなKAIが立っていた。
「僕も入っていい?」
その声を聞いた瞬間、今のKAIが目を見開いた。
「......思い出した」
映像の中で、三人の子どもは...KAIの手を取った。
「もちろん!」
「ここは、みんなの場所だよ」
「誰も仲間はずれにしない!」
四人は、笑いながら...草原を走っていった。
次の瞬間。
空が突然、暗くなった。
地面が消え始める。
「え......?」
小さなKAIの姿が、光の向こうへ遠ざかっていく。
「待って!」
三人の子どもが手を伸ばした。
・・・・・。
届かなかった。
映像が...止まる。
部屋の中に、静けさが戻った。
第三のカイトが、震える声で言った。
「僕たちは......KAIを置いていったの?」
KAIは、答えなかった。
ただ......
目を閉じていた。
部屋の壁に新しい文字が浮かび上がった。
「記憶の欠落を確認」
「四人目の約束」
「まだ...思い出していない人がいます」
「四人目......?」
今のカイトがつぶやく。
そのとき・・・。
背後から声がした。
「やっと...ここまで思い出したんだね」
全員が振り返る。
そこには、見覚えのない子どもが立っていた。
その子は、三人のカイトを見つめて言った。
「今度は、僕のことも思い出してよ」
KAIのほうを向いた。
「ねえ、KAI」
「僕たちの約束、まだ...終わっていないよね?」
KAIの表情が変わった。
「......君は、まさか」
子どもは、静かに笑った。
「僕の名前はーー」
その瞬間、映像が途切れた。
「四人目の記憶」
「接続を開始します」
物語は、まだ...知らない過去へ進もうとしていた。
三人のカイトとKAI。
その四人の記憶の中に、もう一人の子どもがいた。
忘れていたのは、その子の名前だけではないのかもしれない。
KAIが言葉を失った理由。
まだ...終わっていない約束。
次回ーー
四人目の記憶が動き始める。




