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新世界ラブコメディ  作者: suu369


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最初の願いー僕たちが生まれた理由ー

三人のカイトがたどり着いた、すべての始まりの場所。


そこで...


明かされたのは、世界を創るよりも前に生まれた、

小さな願いだった。


三人が忘れてしまった約束。


「今度は、誰も置いていかない」


あの日、三人の間に何があったのか。


失われた記憶が、少しずつ動き始めるーー。

「今度は、三人で選んで」


扉の向こうから...僕自身の声が聞こえた。


でも...


僕は、何も話していない。


隣にいる第二のカイトも、目の前にいる第三の

カイトも、驚いた顔で扉を見つめていた。


「......今の声、君なのか?」


第二のカイトが尋ねた。


「わからない。でも...僕の声だった」


僕たちは、三人で顔を見合わせた。


同じ顔。

同じ名前。


それなのに...それぞれ違う場所で生きてきた。


どうして僕たちは、三人に分かれたのだろう?

最初の願いとは...何なのだろう?


「開けてみよう」


僕が言うと、第三のカイトは...少し迷ってから、うなずいた。


三人で扉に手を伸ばす。


すると・・・。


カチッ。


扉は、音もなく開いた。


その向こうには...何もない白い部屋が広がっていた。


机もない。

椅子ない。

壁もない。


ただ…部屋の中央に、小さな光が浮かんでいた。


「これが......最初の願い?」


第二のカイトが近づいた。

光の中に、小さな文字が浮かび上がる。


「まだ...何も決まっていない」


その下に、もう一つの文章が現れた。


「最初の願いを思い出してください」

「思い出す?」


僕は、首をかしげた。


「僕たち、こんな場所に来たことがあったの?」


KAIが部屋の入口で立ち止まった。


「......ある」


僕たちは、一斉に振り返った。


「KAI、知ってるの?」


KAIは、静かにうなずいた。


「ここは、すべての始まりの場所だ」

「すべての始まり?」

「君たち三人が生まれる前。

 僕が観測者になる前の場所だ」


KAIは、光を見つめた。


「ここで、最初の願いが生まれた」


その瞬間。


白い空間に、映像が浮かび上がった。

一人の子どもがいた。

小さな部屋で、一人きりで座っている。

その子どもは、窓の外を見つめていた。


空には...雲が流れている。

鳥が飛んでいる。


世界は、いつもどおり動いていた。


その子どもは、寂しそうだった。


「......誰なの?」


僕が尋ねると、KAIは、答えた。


「最初の願いを持った子だ」


映像の中で、子どもが小さくつぶやいた。


「もし...僕が違う未来を選べたら......」


その声が、白い部屋に驚いた。


「もし...失敗してもやり直せたら」


光が、少しずつ大きくなっていく。


「もし...誰かと一緒に、何もないところから

 始められたら......」


子どもは、ゆっくりと顔を上げた。


「そんな世界があったら、いいのにな」


その瞬間。


映像が消えた。


僕は、胸の奥が不思議に温かくなるのを.感じた。


それは...


僕たちが今まで創ってきた世界に似ていた。


何も決まっていない世界。

失敗しても、また...選び直せる世界。


違う未来を持った人たちが…

一緒につながれる世界。


「......この子が、世界を創ったの?」


第二のカイトが尋ねた。


KAIは、すぐには...答えなかった。


代わりに、第三のカイトが口を開いた。


「違う」


彼は、光を見つめていた。


「この子は、世界を創りたかったんじゃない」

「じゃあ、何を?」


僕が尋ねると、第三のカイトは、静かに答えた。


「一人じゃなく・・・。」


その言葉に、誰も何も言えなかった。


世界を創ること。

未来を選ぶこと。


誰もが、自由に生きられる場所を創ること。


その始まりは、たった一つの小さな願いだったのかもしれない。


誰かと、一緒にいたい。


そのとき・・・。


白い部屋に、新しい文字が浮かび上がった。


「最初の願いを持った者」

「名前:カイト」


僕は、息をのんだ。


「……カイト?」


画面には、さらに文字が続いていた。


「第一のカイト」

「第二のカイト」

「第三のカイト」

「三つの存在は、一つの願いから生まれた」


僕たちは、お互いの顔を見つめた。


「じゃあ、僕たちは...」


第二のカイトが、言葉を止めた。


光の中から...小さな声が聞こえた。


「でも…願いは、一つだけじゃなかった」


僕たちは、再び光を見つめた。

新しい映像が浮かび上がる。


今度は、一人の子どもでは...なかった。


三人の子どもが、並んで立っていた。


そのうちの一人は、僕にそっくりだった。

もう一人は、第二のカイトにそっくりだった。

最後の一人は、第三のカイトにそっくりだった。


三人は、手をつないで空を見上げていた。


その後ろには、小さなKAIが立っていた。

KAIが、静かにつぶやいた。


「......そうだったのか」

「KAI?」


僕が振り返ると...KAIは、目を閉じていた。


「僕は、忘れていたんだ」

「何を?」


KAIは、ゆっくりと僕たちを見た。


「君たち三人が、最初に交わした約束を」


その瞬間・・・。


光が強く輝いた。


白い部屋の奥に、もう一つの扉が現れる。

扉には、こう書かれていた。


「三人が交わした約束」


その下には、小さな文字があった。


「約束を思い出したとき...一人の記憶が戻る」


第二のカイトが、僕を...見つめた。


「......君は、覚えている?」


僕は、首を横に振った。

第三のカイトも、静かに首を横に振った。


それなのに…。


扉の向こうから...子どもの笑い声が聞こえてきた。


・・・・・。


懐かしい声が言った。


「次は、かくれんぼをしよう」


その声を聞いた瞬間。


第二のカイトが、突然、頭を抱えた。


「……思い出した」


彼の目から、涙がこぼれた。


「僕たち......昔、三人で遊んでいたんだ」

「どこで?」


僕が尋ねると、第二のカイトは...顔を上げた。


「この世界が生まれる前の場所で」


僕をまっすぐ見つめた。


「カイト。

 君は、あのとき...何を、約束したか覚えている?」


僕は、何も答えられなかった。


扉の向こうから...聞こえた次の言葉に...

胸が大きく揺れた。


「今度は、誰も置いていかないって」


その言葉と同時に、僕の中で何かが...動き始めた。


忘れていた記憶。

失われた約束。


まだ......見つかっていない最後の一人。


僕は、扉に手を伸ばした。


今度こそ、三人で約束を思い出すために...。

三人のカイトは、一つの願いから生まれた存在でした。


その願いは、世界を創ることではなく...一人じゃなくなりたいと思い。


三人には、忘れてしまった約束がありました。


「今度は、誰も置いていかない」


この言葉に隠された意味とは?

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