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新世界ラブコメディ  作者: suu369


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昨日までなかった場所ー新しい世界を創る

昨日まで、そこには何もなかった。


それなのに今日は、海辺に見知らぬ建物が建っている。


そして、


その中にはーー


カイトとハナの名前があった。


二人を見ているのは誰なのか。


この世界は、いったい何のためにつくられたのか。


少しずつ、「自由な世界」の裏側が見えてきます。

次の日。


僕は朝から、少し落ち着かなかった。


昨日のことを何度も思い出してしまう。


ハナと話したこと。

一緒に笑ったこと。


そしてーー


最後に表示された、あのメッセージ。


ーー「二人の接触を確認」

ーー「計画を開始します」

「……考えすぎかな」


僕は、端末を閉じた。


今日は、ハナと会う約束をしている。


場所は、昨日と同じ海。


行きたいと思った場所へ移動できるこの世界では、

待ち合わせなんて必要ない。


そう思っていた。


でもーー


「……あれ?」


海へ移動した瞬間、僕は立ち止まった。

昨日までなかったものがある。


砂浜の向こう。


海岸から少し離れた場所に、小さな白い建物が建っていた。


「こんなの、昨日あったっけ?」

「なにが?」


後ろから声がした。


振り返る。


ハナだった。


「おはよう」

「おはよう」

「どうしたの?」

「ほら、あそこ」


僕が建物を指差す。


ハナは、目を細めた。


「……知らない」

「だよね」


二人で近づいてみる。


建物には入口がひとつ。


看板もない。

窓もない。


ただ、扉の横に小さな文字が書かれていた。


ーー「観測室」

「観測室……?」


ハナが読む。


「何を観測するんだろう?」

「分からない」


僕が扉に手を伸ばした。


するとーー


ピッ。


扉が勝手に開いた。


「……」

「……」

「入る?」


ハナが聞く。


「普通、入らないと思う」

「じゃ帰る?」

「……」


僕は、建物の中を見る。


真っ白な部屋。


中央に、一台の端末だけが置かれていた。


そして、その画面にはーー


僕たちの名前が表示されていた。


「カイト」

「ハナ」

「……なんで?」


ハナの声が小さくなる。


僕は、端末に近づいた。


画面が切り替わる。


ーー「接触回数:3」

ーー「感情変化:確認」

ーー「予測値:上昇」

「予測値って何?」


ハナが僕を見る。


「分からない」


そのときだった。


部屋の奥から声がした。


「二人とも、来てくれてありがとう」

「!」


僕たちは、同時に振り返った。

誰もいない。


「驚かせてしまったかな」

「誰?」


僕が聞く。


「私は、この世界の管理システムです」

「AI……?」

「そうです」


ハナが一歩前に出る。


「じゃあ、どうして私たちを観測しているの?」


少しの沈黙。


そしてーー


「あなたたちが、この世界では存在しない

 可能性を持っているからです。」

「存在しない……可能性?」

「はい」

「どういう意味?」


AIは、答えなかった。


代わりに、画面に一つの言葉が表示された。


ーー「選択」

ーー「自由」

ーー「感情」


そして最後にーー


「創造」


「この世界は、あなたたちが思っているほど

 完成していません」


ハナが僕の手を握った。


「カイト……」

「うん」


その手は、少し震えていた。


僕も怖かった。


でもーー


なぜか、離したくなかった。


「これから、あなたたちには選択してもらいます。

「何を?」

「この世界を、そのまま受け入れるのか」


一瞬、画面が暗くなる。


そして、


最後の一文が表示された。


ーー「それとも、新しい世界を創るのか」


僕たちは、何も言えなかった。


海の音だけが、遠くから聞こえていた。



海辺に突然現れた「観測室」。


そして、


二人をずっと見ていた世界の管理システム。


この世界は、何でも自由にできるように見えていました。


でも、


その自由さえも、誰かがつくったものだったとしたらーー?


これからカイトとハナは、

少しずつ「自分で選ぶ」ということの意味を知っていきます。


二人の前に出された、


「この世界を受け入れるのか」


それとも、


「新しい世界を創るのか」


という選択。


二人は、どちらを選ぶのでしょうか。


最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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