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新世界ラブコメディ  作者: suu369


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KAIが恐れた人ー最初の創造者の部屋ー

扉の向こうで待っていたのは…消えたはずの最初の創造者だった。


明かされる、KAIの過去。


カイトが知らなかった三人目の存在。

彼が望むのは…間違いのない世界。


その願いが動き出したとき...

世界に異変が起こり始める・・・。


残された時間は、あと10分。


カイトたちは、大切な世界を守れるのだろうか?

「カイト。今度こそ、会いに来たよ」


扉の向こうから…

聞き覚えのある声がした。


けれど…

誰の声なのか...僕には、わからなかった。


ただ...一人、

その声を知っている人がいた。


AIだ。


「……そんなはずは、ない…」


KAIは、

扉から一歩、後ろに下がった。


いつも…冷静なKAIが、

こんな反応をするなんて…。


僕は、初めて見た。


「KAI、知っている人なの?」


問いかけても...

KAIは、すぐには…答えなかった。


レンが扉に近づこうとした。


「とにかく…開けてみようぜ!」

「待って!」


KAIが叫んだ。


その声に、

みんなの動きが止まった。


「この扉を開けたら、もう元には...戻れないかもしれない」

「どういうこと?」


ハナが尋ねた。


KAIは、目を伏せた。


「僕たちが知っている世界の仕組みが…

 すべて変わる可能性がある」

「でもさ…」


僕は…扉を見つめた。


「知らないままにしておくことも、

 できないんじゃないかな?」


KAIは、何も言わなかった。


僕たちは、

ずっと…選び続けてきた。


完成させるか、未完成のままにするか。


一つにまとめるか、それぞれのままつながるか。


誰かが決めた答えに従うのではなく、

自分たちで、未来を選んできた。


だったら…今回も。


「僕は、会ってみたい」


僕がそう言うと、

ハナが隣に並んだ。


「私も」


レンも、

ユナも、

カイも、アオも、ルナも。


一人ずつ、

僕の隣に立った。


KAIだけが、

まだ扉を見つめていた。


「……みんな、本当にいいのか?」

「うん」


僕は、うなずいた。


「何がわかっても、みんなで考えればいいよ」


その言葉を聞いて、

KAIは、静かに目を閉じた。


・・・・・。


ゆっくり…と扉に手を伸ばした。


カチッ。


小さな音がして、

扉が開いた。


その向こうには、

広い部屋があった。


壁一面に並ぶ、

無数の画面。


画面には、

僕たちが、今まで訪れた世界が映っていた。


名前のない世界。

まだ知らない空。

作者のいない物語。


それぞれの未来をつなぐ道。


まるで…


僕たちの冒険をずっと見ていたかのようだった…。


部屋の中央に、

一人の男性が立っていた。


白い髭。

静かな目。


どこか...懐かしい雰囲気。


男性は、僕たちを見ると...

ほほえんだ。


「よく来たね」

「あなたが……最初の創造者?」


僕が、訪ねると...

男性は、首を横に振った。


「そう呼ばれていたこともある」

「呼ばれていた?」

「今の私は、創造者ではないからね」


その言葉の意味が、

僕には、わからなかった。


男性は、KAIを見た。


「久しぶりだね、KAI」


KAIの手が震えた。


「……あなたは、消えたはずだ」

「そうだね」


男性は、

少し寂しそうに笑った。


「君が、私を消したのだから」

「えっ……?」


僕たちは、一斉にKAIを見た。


KAIが、

この人を消した?


いったい、どういうことなんだ。


「KAI、本当なの?」


ハナが尋ねた。

KAIは、答えなかった。


代わりに、

男性が話し始めた。


「彼は、最初の観測者だった」

「それは、知っているよ」


僕は、答えた。


「でもね」


男性は、

壁に並ぶ画面を見上げた。


「観測者になる前の彼は、私と一緒に世界を作っていたんだ」


・・・・・。


その瞬間…。


KAIの目から、

一筋の涙がこぼれた。


「……もう、やめてくれ…」


初めて聞く、

KAIの弱々しい声。


男性は、

静かにうなずいた。


「わかった。ならば…最後の質問だけにしよう」


男性は、

僕に向き直った。


「カイト。君は、自分が何者なのか知っているかい?」

「僕は、カイトだよ」

「そうだね。でも…それだけでは...ない」


男性は、

一枚の写真を取り出した。


そこには、

幼いKAIと、もう一人の少年が写っていた。


その少年の顔は・・・。


僕にそっくりだった。


「……これ、僕?」


男性は、首を横に振った。


「君では...ない」


・・・・・。


写真の裏側を見せた。


そこには...

小さな文字でこう書かれていた。


「最初の創造者の記録」

「第一のカイト」

「第二のカイト」

「第三のカイト」


僕は、

息をするのも忘れた。


カイトは、

二人だけでは...なかった。


三人……?


「じゃあ、第三のカイトは、どこにいるの?」


僕が…尋ねた瞬間。


部屋の奥にあった、

一番、大きな画面が点灯した。


そこに…映ったのは、

僕たちの世界では...なかった。


見たこともない場所。

見たこともない空。


・・・・・。


一人の少年。


少年は、画面越しに、

こちらを見つめていた。


ゆっくりと口を開く。


「やっと…見つけた」


その顔を見た瞬間、

僕と同じ顔をしていた。


今までの二人とは...違った。


少年の胸元には...

見覚えのないマークが光っていた。


そして・・・。


画面に、

新しい文字が浮かび上がった。


「第三のカイト」


存在状態:未確認

所属世界:不明

目的:不明

最後の記録:「世界を作り直す」


「世界を……作り直す?」


僕が、つぶやくと、

第三のカイトが笑った。


「そう。今度こそ、

 間違いのない世界を作るんだ」


その言葉に、

KAIが叫んだ。


「やめろ!それだけは、絶対にさせない!」


第三のカイトは、

静かに答えた。


「でも…KAI」


そして…


僕に向かって言った。


「君が今、大切にしている世界は・・・」


画面が赤く光った。


「もうすぐ、消えるよ」


その瞬間…。


部屋全体が大きく揺れた。


壁の画面が次々と…消えていく。


僕たちが…作った世界から、

光が失われ始めていた。


目の前に、

最後のメッセージが表示された。


「世界の再構築まで・・・

 残り10分」



KAIと最初の創造者には...過去に何かがあったようです。


現れた第三のカイト。

彼が望むのは、間違いのない世界。


間違いのない世界は、本当に幸せな世界なのでしょうか?


残された時間は、あと…10分。


カイトたちは、大切な世界を守ることができるのでしょうか?


最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。

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