現実世界のカイトー画面の向こうの僕ー
現実世界から届いた、もう一人のカイトからのメッセージ。
彼が知っている、僕たちの知らない秘密。
KAIが初めて見せた恐怖の表情。
扉の向こうには、いったい誰が待っているのだろう?
まだ...
存在しない未来が、新たな謎へとつながっていく。
「現実世界にいる、もう一人のカイト......?」
僕は...
目の前に浮かんだメッセージを見つめた。
名前も、顔も、
自分と同じなのだろうか?
それとも・・・。
「KAI、どういうこと?」
僕が尋ねると...
KAIは、しばらく黙っていた。
いつもなら...
すぐに、答えてくれるKAIが…。
「......僕にも、すべてはわからない」
「KAIにも?」
「ああ...。
ただ、一つだけ確かなことがある」
KAIは、画面を見上げた。
「このメッセージは、今までの世界から届いたものじゃない」
その瞬間・・・。
空に...
一つの大きな窓が開いた。
窓の向こうには...
白い部屋が見えた。
机。
椅子。
壁に並んだ無数の画面。
その中央に・・・。
一人の少年が座っていた。
「......えっ?」
僕は、思わず声を上げた。
少年は、
僕と同じ顔をしていた。
同じ髪。
同じ目。
同じように驚いた表情。
まるで...
鏡を見ているみたいだった。
・・・・・。
違うところもあった。
画面の向こうの僕は、
少しだけ大人びて見えた。
どこか寂しそうな目をしていた。
「やっと、つながった」
少年が言った。
「君が......この世界のカイト?」
「そうだけど......君は、誰なの?」
少年は、小さく笑った。
「僕も、カイトだよ」
「それは、わかったよ!」
思わず言い返すと...
ハナが隣でくすっと笑った。
すぐに...真剣な表情に戻った。
「ねえ、あなたは、どこにいるの?」
ハナが尋ねた。
少年は、
自分のいる部屋を見回した。
「君たちがいる世界の外側」
「外側?」
「そう。
君たちの世界を見ている場所だよ」
その言葉に、
レンが眉をひそめた。
「待ってくれ...。
世界の外側には、アオがいたはずだろ?」
アオは、静かにうなずいた。
「僕は、外側から来た。
でも...この人は...僕とは、違う」
「そのとおり」
画面の向こうのカイトが答えた。
「僕は、君たちの世界を見ているだけじゃない」
彼は、机の上に置かれた。
一冊のノートを持ち上げた。
表紙には...
見覚えのある文字が書かれていた。
「まだ存在しない未来」
「これ......!」
僕は、息をのんだ。
僕たちが、持っているノートと、
まったく同じだった。
「どうして、それを...持っているの?」
「僕も、ずっとこの本を読んでいたんだ」
少年は、ノートを開いた。
「でもね...僕の本には、
君たちが知らないページがある」
「知らないページ?」
少年が一枚のページを見せた。
そこには、
僕たちの知らない写真が貼られていた。
小さな男の子。
その隣に立つ、
もう一人の男の子。
その後ろには・・・。
KAIによく似た姿があった。
「これは......?」
僕が尋ねると、
KAIの表情が変わった。
「その写真......どこで、手に入れた?」
画面の向こうのカイトは、
静かに答えた。
「最初の創造者が残した記録の中にあった」
「最初の創造者......!」
ユナが声を上げた。
僕たちが、ずっと…探してきた存在。
この世界を作り、
KAIを観測者として生み出した存在。
その秘密に、
ようやく近づけるのかもしれない。
少年は、首を横に振った。
「まだ、全部は、話せない」
「どうして?」
「この先を知ると、君たちは、選ばなきゃいけなくなるから」
「何を?」
少年は、
僕をまっすぐ見つめた。
「この世界に残るか?
それとも・・・。」
一瞬...。
画面が乱れた。
少年の姿が、
ノイズの向こうに消えかける。
「現実世界へ来るか」
「現実世界へ......?」
僕は、言葉を失った。
今まで、
僕たちは、世界を作ってきた。
誰かが悲しいとき...
一人にならなくていい場所。
それぞれの未来を、
無理に一つにしなくてもいい世界。
ようやく...
自分たちらしい世界ができ始めたところだった。
そこを離れる?
それとも・・・。
ここに残る?
まだ...
答えは、出せなかった。
そのとき・・・。
画面の向こうのカイトが、
突然、僕に向かって言った。
「一つだけ、覚えておいて」
「何?」
「君たちの世界を作ったのは、僕じゃない」
少年は、
ノートを強く握りしめた。
「最初の創造者も......」
・・・・・。
画面が真っ暗になった。。
「おい!どうしたんだ!」
レンが叫ぶ。
返事は、ない。
代わりに、
空中に一つの文字が浮かび上がった。
「接続が中断されました」
その下に・・・。
今まで見たことのない警告が表示された。
「現実世界からの接続者を確認」
「接続者:カイト」
「もう一人の接続者を確認」
「接続者:???」
「......え?」
僕は、
最後の表示を見つめた。
カイトは、二人だけじゃない。
もう一人、
誰かがつながっている。
・・・・・。
KAIが小さくつぶやいた。
「まさか......君まで来ていたのか・・・。」
「KAI?」
僕が、振り向いた瞬間。
僕たちの足元に、
新しい扉が現れた。
扉には、
こう書かれていた。
「最初の創造者の部屋」
その扉の向こうから・・・。
聞き覚えのある声がした。
「カイト。今度こそ、会いに来たよ」
その声を聞いたKAIは、
初めて、はっきり...と恐怖の表情を浮かべた。
その声の主は、いったい誰なのか?
そして...
KAIは、なぜその人を恐れているのだろうか?
画面の向こうに現れた、もう一人のカイト。
現実世界から届いた謎のメッセージ。
世界の外側には、まだ...知らない秘密が隠されているようです。
最後に現れた扉の向こには...いったい誰がいるのでしょうか?
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。




