作者のいない物語ー続きを決めるのは誰?ー
「作者のいない物語」。
その意味を探して、カイトたちは、新しい扉を開く。
そこにあったのは、まだ何も書かれていない真っ白なページ。
・・・・・。
そのページに...少しずつ未来が書かれ始める。
新しく現れた扉。
その表面には、文字がひとつだけあった。
「物語」
カイトが、そっと扉に触れる。
・・・・・。
扉は、音もなく開いた。
その向こうには、何もなかった。
空もない。
地面もない。
ただ・・・。
白い空間だけが広がっている。
「ここは......?」
ハナが、周りを見る。
空中に一冊の本が現れた。
表紙には、
「まだ存在しない未来」
と書かれている。
カイトが、本を開く。
最初のページには、これまでの物語が書かれていた。
カイとの出会い。
二つの世界。
未来のカイト。
「全部、書いてある......。」
レンが驚く。
ページをめくる。
第30話。
第31話。
そこまで、きちんと書かれている。
第32話のページは、真っ白だった。
「ここからは、まだ書かれてないんだ。」
ユナが言う。
ページの真ん中に文字が浮かんだ。
「続きを決めてください」
カイトが、ペンを手に取る。
「僕が書けばいいの?」
・・・・・。
その瞬間…。
アオが首を横に振った。
「違うと思う。」
「え?」
アオは、白いページを見つめていた。
「僕たちが全部決めたら、また同じになる。」
「同じ?」
「誰かが、未来を決める世界。」
カイが、ゆっくりうなずく。
「......確かに。」
・・・・・。
ページに、新しい文字が浮かんだ。
「一人で書かないでください」
「みんなで書いてください」
カイトは、ペンを置いた。
「じゃあ、どうする?」
・・・・・。
突然...。
白い空間に、たくさんの小さな光が現れた。
一つ。
二つ。
十個。
百個。
数えきれないほどの光。
ハナが、驚いて声を上げる。
「これ......人なの?」
アオが答える。
「たぶん。」
その中の一つが、こちらへ近づいてきた。
小さな声が聞こえる。
「ここに、参加してもいい?」
カイトは、笑った。
「もちろん。」
・・・・・。
その光がページに触れた。
白かったページに、一文字だけ現れる。
「遊」
別の光が近づく。
「旅」
また別の光。
「創」
「休」
「笑」
「歌」
「夢」
たくさんの言葉が、ページを埋めていく。
カイトは、その光景を見つめていた。
「未来って……一人で作るものじゃないんだ。」
ソラが、静かに答える。
「だから、作者がいないんだよ。」
「......。」
「一人の作者じゃなくて、みんなが少しずつ作っていくから。」
・・・・・。
本の最後のページが、突然めくれた。
そこには、今までなかった文字があった。
「この物語を読んでいる人へ」
カイトが、その文字を読む。
次の一行が、ゆっくり浮かび上がった。
「あなたが今、このページを読んだことで・・・。」
そこで、文字が止まった...。
「......続きは?」
ハナが聞く。
白いページに一文字ずつ現れる。
「世界に、新しい参加者が生まれました」
世界の外側に、見たことのない光が現れた。
アオが、その光を見つめる。
「......また、誰かが来る。」
光の中から・・・。
一人の少女の声が聞こえた。
「ここって……私も未来を作っていいの?」
カイトが...笑った。
「もちろん。」
少女が、一歩だけ前に出る。
本のページに、新しい名前が浮かび始めた。
「次の参加者ーー」
その名前が、表示される直前。
ページが、突然閉じた。
表紙に、新しい文字が浮かんだ。
「物語は、まだ始まったばかりです」
この世界には、一人の作者はいませんでした。
みんなが少しずつ未来を書いていく・・・。
そんな世界だったんですね。
最後に現れた、新しい参加者。
いったい、どんな未来を持ってこの世界へやって来たのでしょうか・・・?
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。




