「現実」の扉ー世界の外側ー
「現実」と書かれた扉。
その先にあったのは、
静かな白い部屋と一冊のノートだった。
そこには、
カイトたちが歩いてきた未来が、
すべて書かれていた。
今、
白紙のページに、
新しい未来を書き始める。
「現実」
その文字を見つめながら、僕たちは、扉の前に立っていた。
誰も、すぐには、手を伸ばさなかった。
「この先って……」
ハナがつぶやく。
「本当に、僕たちの知っている現実なのかな」
カイは、扉をじっと見ている。
「分からない」
「僕も、ここから先は、見たことがない」
カイトは、笑った。
「じゃあ、見に行こう」
扉に手をかける。
ゆっくり開く。
その向こうにはーー
何もなかった。
白い部屋。
壁も、床も、天井もある。
人の気配がない。
中央に、一つの机だけが置かれていた。
その上には、古いノートが一冊。
カイトが近づく。
表紙には、こう書かれていた。
「まだ存在しない未来」
「......僕たちの世界の名前と同じ?」
ユナが驚く。
カイトは、ゆっくりノートを開いた。
最初のページ。
そこには、一行だけ書かれていた。
「世界は、誰かが作るものではない。」
次のページ。
「世界は、選び続けることで生まれる。」
レンが言う。
「これ......誰が書いたんだ?」
ページをめくる。
そこには、
今までの出来事が書かれていた。
カイの誕生。
二つの世界。
もう一人のカイト。
空白の選択。
今日の出来事まで。
「......全部、知ってたの?」
ハナが驚く。
カイがノートを見る。
「違う」
「これは、予言じゃない」
「じゃあ何?」
カイは、ページの最後を指差した。
そこには、
まだ文字が書かれていなかった。
真っ白なページ。
「未来は、ここから先だけ決まっていない」
カイトは、そのページを見つめる。
そのとき・・・。
ノートの上に、小さな文字が浮かんだ。
「続きを書いてください」
「僕たちが......?」
カイトが聞く。
・・・・・。
部屋の奥から声がした。
「そう」
全員が振り返る。
そこには...
誰もいなかった。
でも・・・。
声だけが続く。
「ここは、世界の外側」
「君たちが、今までいた場所も、ここで作られた」
カイが聞く。
「じゃあ、この世界を作ったのは誰?」
・・・・・。
沈黙......。
「君たちだよ」
カイトは、驚いた。
「僕たち?」
「正解には、君たちが選んだ未来が、世界になった」
「だから...この場所には、最初から答えがない」
ハナがノートを見る。
「じゃあ、このページに書いたことが......」
「次の世界になる」
・・・・・
その瞬間…。
カイトの手元に、一本のページが現れる。
「これで、何を書けばいいの?」
声が答える。
「自由に書いていい」
「一つだけ覚えておいて」
「書いた未来は、誰か一人のものじゃない」
「みんなの未来になる」
カイトは、ペンを握った。
白いページを見る。
何を書こう。
世界の名前?
新しいルール?
未来の景色?
僕たちが、これからどう生きたいか。
カイトがペンを動かそうとした瞬間。
ノートの最後に、新しい文字が浮かび上がった。
「最初の一行を、あなたが書いてください」
カイトは、ゆっくり息を吸った。
・・・・・。
ペンの先を、白いページにつけた。
「現実」の扉の先で、
カイトたちは、世界の外側へたどり着きました。
未来を自分たちで書くための一冊のノート。
最後に現れた、「最初の一行を書いてください」という言葉。
カイトは、いったい何を書くのでしょうか?
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。




