消えない未来ー僕がいなくても、僕は、残る?ー
自分が消える未来を、カイトは、選ばなかった。
だったら...誰も消えない未来を作ればいい。
新しい選択から、二つの世界が重なり始める。
最後に現れた、「現実世界」という言葉。
その意味とは・・・。
「あなたは、自分がいなくなる未来を選べますか?」
その文字を、カイトは、じっと見つめていた。
「......選べないよ」
ハナが、カイトの隣に立つ。
「そうだよね」
レンも、ユナも、カイも何も言わない。
誰も、カイトに答えを求めなかった。
・・・・・。
しばらくして、カイトが口を開く。
でも、、、。
「僕が消えたら、この世界は、どうなるの?」
画面が切り替わる。
「世界は、存続します」
「ただし、最終選択者の記録は、消去されます」
「記録......?」
カイがつぶやく。
「存在したことそのものが、消えるってことかもしれない」
カイトは、もう一人のカイトを見る。
「君は、どうして僕を止めようとするの?」
もう一人のカイトは、少し黙った。
「僕の世界では、誰かが一人になるたびに、
その人の未来が消えていった」
「未来が......消える?」
「うん」
「だから、君まで消えてほしくない」
カイトは、その言葉を聞いて考えた。
世界を残すために、誰かが消える。
それは、本当に、新しい未来なんだろうか?
「......違う」
カイトが言った。
「僕は、その選択は、しない」
ハナが顔を上げる。
「じゃあ、どうするの?」
カイトは、三つの選択肢を見る。
「世界を消去する」
「世界を維持する」
「世界を創り直す」
カイトは、画面に触れた。
「この三つじゃない」
画面が揺れる。
「選択肢にない回答です」
「うん」
カイトは、笑った。
「だって、今までずっとそうしてきたから」
カイの目が、大きく開く。
「また......第三の選択を作るつもり?」
「第三じゃないよ」
カイトは、答えた。
「今回は、四つ目」
その瞬間・・・。
何もなかった場所に、新しい空白が現れた。
ハナが手を伸ばす。
「何を書くの?」
カイトは、考えた...。
ゆっくり文字を入力する。
「誰も消えない未来」
空間が、まぶしい光に包まれた。
「新しい選択を確認」
「条件を再構築します」
「最終選択者ーーカイト」
「消去対象ーーなし」
カイトは、思わず笑った。
「できた......」
画面には、まだ一行残っていた。
「ただしーー」
光が消える・・・。
その文字の続きを見た瞬間、カイの顔から笑顔が消えた。
「世界を一つにする必要があります」
「......世界を一つに?」
レンが聞く。
カイは、静かに答えた。
「二つの未来を、一つの世界に重ねるんだ」
ユナが驚く。
「それって・・・
今までの世界が全部つながってるってこと?」
「たぶん」
カイは、もう一人のカイトを見る。
「でも、それをするとーー」
もう一人のカイトが、言葉を続けた。
「僕たちは、同じ世界で生きることになる」
カイトは、その言葉を聞いて笑った。
「それなら、やってみようよ」
ハナも笑う。
「うん」
レンがうなずく。
「面白そうだ」
ユナも続く。
「新しい世界なら、自分たちで作ればいい」
カイは、初めて迷わずに言った。
「僕も、この世界にいたい」
その瞬間・・・。
二つの世界を隔てていた壁が、ゆっくりと崩れ始めた。
空には、見たことのない建物が重なっていく。
遠くから、たくさんの人の声が聞こえてきた。
「......世界が、混ざってる」
カイトが空を見上げる。
空の中央に、巨大な文字が浮かんだ。
「新世界の名称を入力してください」
五人は、顔を見合わせた。
カイトが笑う。
「名前も、僕たちが決めるんだね」
でもーー
その画面の下には...もう一つの文字があった。
「世界の名前を決めると、あなたたちの物語は、
「現実世界」に接続されます」
「現実世界......?」
カイトたちは、その言葉の意味をまだ知らなかった。
カイトたちは、「誰も消えない未来」を選びました。
二つの世界が重なり、新しい世界が生まれようとしています。
最後に出てきた「現実世界への接続」。
いったい、何が待っているのでしょうか?
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。




