消去できる存在ー五人の中の秘密ー
世界を消去できる存在。
その正体を探すカイトたち。
最後に名前が浮かび上がったのはーー。
カイト自身だった。
いったい、カイトには、何が隠されているのか。
「創造者の中に、世界を消去できる存在がいます」
その文字を見た瞬間、誰も言葉を出せなかった。
カイトは、隣にいるハナを見る。
ハナも、レンを見る。
レンは、ユナを見る。
最後にーー
カイを見る。
「......僕じゃない」
カイが言った。
「まだ、何も言ってないよ」
カイトが答える。
「でも、みんなそう思ったでしょ?」
カイは、少し笑った。
「僕は、この世界をずっと見てきた」
「消したいなんて、一度も思ったことはない」
ユナが聞く。
「じゃあ、誰なの?」
その瞬間。
画面に、五人の名前が表示された。
「カイト」
「ハナ」
「レン」
「ユナ」
「カイ」
そのうちの一つだけが、赤く点滅している。
「誰......?」
ハナが画面に近づく。
でも、名前までは、見えない。
何かを隠している。
カイが、突然立ち止まった。
「...…おかしい」
「何が?」
「この警告」
カイは、画面を見つめる。
「世界を消去できる存在っていう言い方は、少し違う」
カイトが聞いた。
「どういうこと?」
「本当に危険なのは、世界を消す力じゃない」
カイは、ゆっくり続けた。
「世界を、最初からなかったことにする力だ」
空気が変わった。
レンが息をのむ。
「それって……」
「この世界だけじゃない」
カイは、言った。
「今まで存在した、すべての未来を消せる」
誰も動けなかった。
そのとき...。
赤く点滅していた名前が、少しずつ見えてくる。
カーーー
そこで画面が消えた。
「え?」
カイトが顔を上げる。
真っ暗になった空間に、一つだけ声が響いた。
「...もう、気づいてしまったんだね」
その声はーー
カイト自身の声だった。
「僕......?」
カイトが振り返る。
そこには、誰もいない。
暗闇の中からもう一人のカイトが現れた。
前の場面で出会った、「選ばなかった未来」のカイト。
彼は、悲しそうに笑った。
「違う」
「消せるのは、僕じゃない」
本物のカイトを指差した。
「君だよ」
カイトの胸が、大きく鳴った。
「......僕が?」
もう一人のカイトは、静かに言った。
「君だけが、この世界を終わらせることができる」
画面に、最後の文字が浮かび上がる。
「最終選択権ーーカイト」
世界が、静かに揺れ始めた。
まさか、、、。
世界を終わらせる力を持っていたのがカイトだったとは......。
「消せる」ということは、本当に「消す」ということなのか。
カイトは、いったい何を選ぶのかーー。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。




