カイを作った人ーー観測者が生まれた理由ーー
カイを作った人。
その人物は、いったい何者なのか。
カイは、なぜ生まれたのかーー。
少しずつ明らかになる「世界の始まり」の秘密。
カイトたちは、その答えに近づいていく。
「僕を……作った人だ」
カイの声が、わずかに震えていた。
目の前に立っている人物は、何も言わずに僕たちを見ている。
カイトは、その人を見つめた。
「カイを作ったって……どういうこと?」
その人物は、ゆっくりと口を開いた。
「正解には、カイという存在を作ったわけではない」
「え?」
「この世界と、世界の間を観測するための存在を作った」
ハナが驚いた顔をする。
「じゃあ……カイは、最初から、観測者だったの?」
カイは、うつむいた。
「うん」
「僕には、最初から名前なんてなかった」
「世界を見ていた」
「人が生まれて、笑って、迷って、選んで……」
カイは、少しだけ笑った。
「ずっと見ているだけだった」
レンが聞く。
「じゃあ、なんで僕たちの前に現れたんだ?」
カイは、答えなかった。
代わりに、カイを作った人物が言った。
「彼が自分で選んだからだ」
「自分で……?」
ユナがつぶやく。
その言葉を聞いた瞬間、カイの表情が変わった。
「僕が……選んだ?」
「そう」
「あなたは、僕に選択肢を与えた」
「それは、間違いだった」
カイが顔を上げる。
「違う」
「間違いじゃなかった」
その人物は、静かにカイを見つめた。
「だからこそ、今ここにいる」
カイトは、思った。
もしかしたらーー
この世界のすべては、最初から誰かによって作られていたのではない。
誰かが作ったものを、僕たちが選び続けることで、
世界そのものが変わってきたのかもしれない。
そのとき。
空中に、見たことのない画面が現れた。
「創造者情報を更新します」
カイトたちは、息をのんだ」
「第一創造者ーー」
そこに名前が表示される。
カイを作った人物が、初めて苦しそうな顔をした。
「……まだ、早い」
画面が消える。
カイトは、叫んだ。
「待って!」
その人物は、もう背を向けていた。
「次に会うときにはーー」
その人は、振り返る。
「君たち自身が、この世界の創造者になっているはずだ」
そう言って、姿が消えた。
静寂が戻る。
ハナが小さく言った。
「……創造者って私たちのこと?」
カイは、答えなかった。
ただ、
消えた場所を見つめている。
カイの手の中に、見たことのない小さな鍵が残っていた。
その鍵には、一つだけ文字が刻まれていた。
「始まり」
カイがつぶやく。
「……この鍵を使えば、世界が始まった場所へ行ける」
僕たちは、顔を見合わせた。
世界が始まった場所。
そこにはきっとーー
この世界を作った、本当の理由がある。
カイを作った人物が、ついに姿を現しました。
最後に残された「始まり」と書かれた鍵。
この鍵を使った先には、いったい何が待っているのかーー。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。




