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新世界ラブコメディ  作者: suu369


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空白の選択肢ーまだ誰も選んでいない未来

二つの未来を、どちらも消さないために。


カイトたちは、まだ誰も選んだことのない新しい答えを探す。


果たして、世界を変えることはできるのかーー。

空に浮かんだ二つの選択肢。


ーー「世界Aを残す」

ーー「世界Bを残す」


その下に。


何も書かれていない、空白の選択肢。


「......これ、何?」


ハナが空を見上げた。


「分からない」


僕は、答えた。


なぜか、

目が離せなかった。


世界Aか。

世界Bか。


どちらかを選べば、もう一つが消える。


「選べない」


僕が言う。


もう一人のカイトも頷いた。


「僕も」

「じゃあ……」


レンが空を見る。


「空白のところに、何か書けるんじゃない?」


僕たちは、顔を見合わせた。


カイが一歩前に出る。


「たぶん、それこそが世界の本当の仕組みだ」

「本当の仕組み?」

「最初からある答えを選ぶんじゃない」


カイは、空白を見つめた。


「答えがなければ、自分たちで作る」


その瞬間。


空白の選択肢が光った。


ーー「新しい選択肢を入力してください」

「やっぱり」


ハナが小さく笑う。


「まただね」

「うん」


僕も笑った。


今度は、簡単じゃない。

世界を一つ作る。


それは、僕たち五人だけの話じゃない。


いや。

もう六人だ。

二人のカイト。

ハナ。

レン。

ユナ。

カイ。

ナギ。


「七人だよ」


ナギが言った。


「......そうだった」


僕は、苦笑した。


「いつの間にか、増えたね」

「まだ増えるかも」


レンが言う。


「それは、ちょっと困る」


ハナ笑う。


一瞬。


張り詰めていた空気が、少しだけ軽くなった。


僕は、思った。


この二つの世界。

どちらも消したくない。


僕の世界には、ハナがいる。

レンがいる。

カイとナギもいる。


もう一人の僕の世界にも。


きっと、その世界で生きてきた人たちがいる。


誰かにとっては、大切な場所だ。


「......消さなくていい方法」


僕がつぶやいた。


「え?」


ハナが僕を見る。


「二つとも残せばいい」

「でも、統合しないと......」


レンが言いかける。


「統合する」


僕は、答えた。


「片方を消すんじゃない」


空白の選択肢に、ゆっくり文字が浮かび始めた。

僕は、まだ、何も触っていない。


なのに。


文字は、一文字ずつ、現れていく。


ーー「二つの未来をつなぐ」

「......これ」


もう一人の僕がつぶやいた。


「僕たちが考えた?」

「たぶん」


ハナが言った。


「みんなで」


空が大きく光った。


ーー「新しい選択を確認」

ーー「世界Aと世界Bの接続を開始」

「成功した?」


レンが聞く。


カイの表情が変わった。


「......待って」

「どうしたの?」

「何か、おかしい」


その瞬間。


空に浮かんでいた二つの世界が、ゆっくり近づき始めた。


世界と世界の境目が消えていく。

海と海が重なる。

空と空が重なる。


二つの街が、一つになろうとしている。


「......すごい」


ユナがつぶやいた。


僕は、気づいた。


「ハナ」

「なに?」

「あそこ」


遠くの街。


建物が、一つずつ消えている。


「......え?」


ハナの顔が青ざめた。


画面に警告が表示される。


ーー「接続処理中」

ーー「重複データを削除」

「削除......?」


もう一人の僕が叫んだ。


「待て!」


カイが空を見上げる。


「世界は、まだ選択肢を理解してない!」

「どうすればいいの?」


僕が聞く。


カイは、一瞬、黙った。


......僕を見る。


「二つの世界をつなぐだけじゃ足りない」

「じゃあ?」

「違いを残さなきゃいけない」

「違い?」


カイが頷く。


「同じものにしようとするから、片方が消える」


その言葉を聞いて。


僕は、もう一人の僕を見た。


同じ顔。

同じ名前。


選んだ未来は、違う。


「......分かった」


僕は、空白の選択肢へ手を伸ばした。


「僕たちは、一つになる必要なんてない」


空が静かになった。


「違うままでいい」


もう一人の僕が、僕を見る。


「......」

「違う未来を歩いた僕たちが」


僕は、続ける。


「お互いを消さずに、一緒にいればいい」


その瞬間。


空白の選択肢に、新しい言葉が浮かんだ。


ーー「違う未来のまま、共に生きる」


世界の揺れが止まった。


二つの世界の間に、

今までなかった一本の道が現れた。


カイが小さく笑った。


「これだよ」

「何が?」

「誰かを消して完成する未来じゃない」


ナギが、その道を見つめる。


「みんなが違うまま、生きられる未来」


僕は、もう一人の僕を見る。


彼も笑った。


「君の選択は、やっぱり変だね」

「褒めてる?」

「たぶん」


僕たちは、笑った。


そのとき、

新しい道の向こうから、

誰かが歩いてきた。


ゆっくり、

一歩ずつ。


その人影を見た瞬間。


カイが、立ち止まった。


「......今度は、誰?」


レンが聞く。


カイは、答えなかった。


その人影を見つめていた。

震える声でつぶやいた。


「......ありえない」


人影が、こちらへ近づいてくる。


その顔が見えた瞬間。


カイは、一歩後ろへ下がった。


「僕を......」


カイの声が震える。


「僕を作った人だ」



「違う未来のまま、共に生きる」


カイトたちが選んだ答えで、

世界は、新しい形へ動き始めました。


最後に現れた、カイを作った人物。


この人物は、いったい誰なのかーー。


最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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