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13話 じゅる

「欲しいって……それはあまりに突飛ですよ」

「そうかしら? あのモンスターたちもあなたのことを欲しがっていたようだけど? それと……あの女の子。桜屋の娘さんもきっと、ね」

「そうだ、そういえばあいつはどこに? それに和田さんの怪我は――」



 一緒に戦った人たちのことがフラッシュバックして俺は身体を上げようとした。

 だが、それをさせまいと真衣さんは力を抜いて、大きいお尻を中心により体重をかける。



「お、もっ……」

「重いって……。女性に対してそれはタブーよ。それにこの状況で他の女の元に向かおうとすることもね。大丈夫、あなたと違って二人はとっくに仕事をしているから。だから……あなたはあなたで頑張らないと、でしょ?」



 真衣さんは俺の唇の上に人差し指を当てると優しく微笑んだ、かと思えばその指をすうっと下ろしていき、俺の胸をまさぐり始めた。



「この痕について……。あなたが眠っている間に行った鑑定で分かったことがいくつかあるんだけど……。そうね、まず後痕の発現条件なんだけど……」



 ――きゅ。



「ああぁっ!!」

「へぇ……。そんな可愛らしい声も出るのね」



 まさぐっていた手は俺の右の突起周りに移動したかと思えば、いきなり強くつまんできた。


 血が出ているんじゃないかと思うくらいの指圧は強烈で、俺の身体は自然と仰け反ってしまった。



 痛いのは好きだが……こんな反応を見せてしまったことが恥ずかしくないわけではなく、顔が熱くなる。



「痛みを与える、というかダメージを与えると痕は増える。そしてその量はレベルアップ後に超過した分が反映される。つまりこの痕が出るというだけで、あなたはレベルアップしているという証になるっていうわけね。こんな真っ赤になって……相当ダメージがあったのね、だーいぶ痕が増えたわよ」

「レベルアップ……。俺、これだけで?」



 レベルアップのためには多くのモンスターと闘わなければいけないのが普通。

 それがにわかには信じがたいが、これだけのことで俺は強くなれてしまう、と。


 いや、俺からすればこれだけ……というかご褒美を貰えて、となるが普通の人からすれば激痛を伴うわけで、場合によってはモンスターを倒すことよりも苦痛かもしれない。



「で、2つ目は……あなたにとって理想の女に近いほど経験値を削ぎ、貰えるということ。だからその素養がある桜屋の娘はそれを貰ってレベルアップ。あのコボルトたちと弟犬に対してもそれなりに渡り合えたらしいわ。実際のところあの小娘がちゃんと戦えたようには思えないんだけどね」

「弟の方はまだしも、コボルトは圧倒できて……俺よりも攻撃力は上でした」

「そう……。私と同じで攻撃特化……。それじゃあ苦労するわね」



 遠い目で呟く真衣さん。


 過去に何かあったのか、それとも未だにあるのか……。

 詮索するのはやめておこう。



「でも俺の力があれば無制限にレベルアップできるからある程度の不利はどうとでもなりそうですよね?」

「そんなに都合が良ければ最高だったんだけどね。……このスキルはどうも対象に理想を求め過ぎているみたいでね、サディストレベルが高くないと削り取れないみたいなの。ちなみに私はまだまだ取れるみたい。それも、こうしてあげるといい感じに……」



 ――じゅるっ!



 真衣さんは俺の身体に残っていた痕に口を当てると下品な音を立てながら吸った。



「うん、ごちそうさま。1度に受け取れる経験値の上限は今のところこんなもの……。ううん、そのあたりも対象のサディスト加減によるのかもしれないわ」



 すると、そのほとんどが簡単に吸い上げられて消えてしまった。


 急に空しくなって、興奮はすっと冷めていく。



「……」

「それで3つ目。これが取りあえずスキル鑑定による結果の最後になるわけだけど、今みたいに私がダメージを負わせることができるのは条件があるみたい」

「条件?」

「あなたにとって対象がどれだけ理想の存在なのか、あとは単純に力が必要。あなたの防御力を基準とした一定の攻撃力がないと痕は出てこない。最初はまだ良かったけど、今のあなたのレベルだとなかなか対応できる人間は少ないと思うわ」

「それって……。いじめてくれる人が少ないってこと、ですよね」

「そうね。まぁ今のところ私だけになるんじゃないかしら? ……。というわけだから、しばらくは私のもの。嫌、とは言わせないわよ」



 真衣さんは俺の顔に自分の顔を近づけた。


 それは鼻と鼻がぶつかってしまうほどの距離で、その吐息や匂いが俺の五感をくすぐってくれる。


 こんな風に焦らされるのも悪くはな――



「あっ。これだけでまた痕が濃くなったわ。……。そうね、今日は私も休みを貰ったから……どこまで痕を増やして、溜められるか試して見ようかしら?うふふふ、これで完全な『清算』になりそうね」



 そうして真衣さんは俺の身体を何度も何度も鞭で叩き、縄で縛り……俺はただただおねだりと、絶叫を繰り返すのだった。





 ――バチン! バチンッ!!



『あああああああああああ!!』


「あいつ……いくら音を通しにくいからって、こんな声だされたら丸聞こえだっての。……。そんなの聞かされたら、思い出して……熱くなっちゃう」



『桜は部屋にいろ』、そう真衣さんに言われて隣の部屋で待機させられた意味が分かった。


 私、あいつのせいで……どんどんダメになってく。



「こんなことで興奮しちゃ、ダメぇっ……」



 自然と股間に手が伸びて、聞き耳を立ててしまって……。


 私は仕事のことを忘れて、今だけは欲求に身を任せてしまうことにした。

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