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魔法少女かえで@agent 〜35歳サラリーマンが魔法少女やることになりました〜  作者: そらり@月宮悠人
第四章

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ドテールの差し入れ

「残業も久しぶりだなー」


 中原理事長に2日間の休みを貰ったとはいえ、普通にやってたんじゃ修正は間に合わない。そのため課長に残業を許可してもらった。有栖川の案件だし、失敗は許されないからな。

 一方で新島と佐々木は帰らせた。許可が下りたのは俺一人だし、二人はリモートでも出来る。本当なら俺もリモートでやりたいが、何かあった時の対応に一人は現場に居たほうがいいからだ。


「なんだ、珍しく仕事してるではないか」

「なんだ、ぷに助か。今は忙しいんだよ」

「スレイプニルだ。新島のローレス化は間もなくだぞ」

「分かってるよ。嫌味を言いに来たのか?」

「お前に一つ朗報を持ってきた」

「なんだ?」

「いや、朗報とは言えんかもな。今回のローレス討伐作戦にお前も加わっていいとのことだ」

「……どういう風の吹き回しだ? 知人や友人は原則参加不可のはずだろ?」

「うむ。だがお前は特殊なケースだ。樋山楓人としては同僚であり友人だが、姫嶋かえでとしては関係性が薄い。とはいえ、参加するには条件がある」

「条件?」

「後方支援のみということだ。そもそも10キロメートルエリア担当は最前線に行けないからな」

「だろうな、高位(ハイランク)の戦場に浄化魔法(ピュアラファイ)しか使えないやつが居てもな」

「そういうことだ。それともう一つ。作戦総指揮は綾辻桜、副司令に廷々紫と決まった」

「綾辻さんと紫!?」

「なんだ、綾辻とは知り合いか?」

「いや、花織さんに聞いたんだ」


 花織さんの尊敬する先輩が総指揮か……。それに副司令とはいえ紫も。これは心強いな。

 それに紫が司令に入るなら50年前の再現もしやすい。紫ならきっとやってくれる。


「そういえば花織は綾辻に命を救われたのだったな」

「あと、アリスさんが見つかったって」

「嘘を言うな。奴は除名処分になってそれきりだ」

「ちっ、口を滑らすかと思ったのに」

「なんだ、除名処分となった理由か? それについては私も聞かされてはおらんからな、滑らせるもなにもない」

「なんだ。ぷに助はぷに助か」

「スレイプニルだ! とにかくローレス討伐作戦は動き出している。悔いのないようにな」

「分かってるよ」


 ぷに助が去り、仕事を再開する。


 *   *   *


「……うーん!」


 なんとか大規模な改修にはならずに済んだが、念の為にチェックしたら人形に任せてた仕事で所々ミスが見つかった。

 とはいえ、いずれも重大なミスじゃないから修正はすぐに出来る。


「昨日はヒヤッとしたが、やっぱり人形はありがたいな」


 そういや、あんまり考えたことなかったけど、マキハラって何者なんだ? あんな数世代先を行く技術をどうして一人だけで開発出来たんだ? それになんで天界が絡んでるんだ?


「まあいいや、コーヒー飲もう」


 魔法(M)少女(G)協会(A)のショップで買ったコーヒーを鞄から出そうとすると、「おはようございます!」と元気の良い声が聞こえた。


「新島? 随分と早いな。まだ7時だぞ」

「ご迷惑おかけしてすみませんでした!」


 綺麗にお辞儀する新島に、「謝るのはもういいって言ったろ」と言うと、「お詫びを持ってきました!」とドテールのコーヒーを差し出した。


「ドテールじゃないか!」

「先輩コーヒーお好きですよね」

「今ちょうどコーヒー飲もうと思ってたんだ。ありがとう」

「そ、そういえば! 先輩って最近自販機で買ってませんよね、どこで買ってるんですか?」


 くっ! まさかそんな細かい所をツッコまれるとは……。だが!


「あー、あれはECサイトで格安のをまとめて買っただけだよ」

「そうなんですか! さすが先輩!」


 こんな事もあろうかと言い訳は用意してあったんだよ。


「美味いなぁ……」


 徹夜明けに染み渡る。それにしても、そろそろ仕事で徹夜は限界かもな。もう若くはないし。


「さて、もう少しやるか」

「あ、そうだ。先輩に見てもらいたいアイデアがあるんです」

「アイデア?」

「はい。これなんですけど」


 タブレットを俺に見せる。そこには今やってる修正についての案が書かれていた。


「これは……」

「どうでしょうか? 私の考えが合ってれば納期に間に合うと思うんですけど」

「ああ、これならいけるよ。すごいな」

「本当ですか!?」

「うん。新島の案で進めよう」

「ありがとうございます!」


 やっぱり新島はすごい。本当なら俺なんかよりも新島が有栖川でリーダーとなるべきだったんだ。新島が……。


「おはようございまーす! ってあれ? なんで新島いるの? まさか先輩と!?」

「バカ! そんなわけないでしょ!? ほら早く佐々木も来て、これなら納期に間に合う!」

「マジで!?」


 *   *   *


 新島の案を採用して三人で修正を行うと、夕方頃には終わった。


「いやー、まさか定時に終われるとは」

「お疲れさまでした!」

「新島のファインプレーでしたね」

「先輩、明後日は彩希さんに報告でしたよね?」

「え? ああ、そういやそうだった。二人のおかげで間に合ったと言っておくよ」

「ゆくゆくは俺がリーダーに……」

「それはないわね」

「なんでだよ!?」

「はは。とにかくお疲れさま。今日はゆっくり休んでくれ」

「「はい!」」


 会社を出て裏手に回ると誰もいないのを確認して魔法少女に変身する。


「ふぅ、なんだか久しぶりな気がするな」


 たった2日間の本業が内容濃すぎたな。新島と軽く仕事するつもりが徹夜になってしまった。


「さて、中原理事長にお礼しに行かないと」


 ステルスを確認して空を飛ぶ。今日はどんより曇っていて、今にも泣き出しそうだった。


「涙雲、か」


 終わったらHuGFのみんなにも謝らないとな。

 新曲の涙雲を歌いながら中原邸へと向かった。



 To be continued→

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

応援よろしくお願いします。



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