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 車内アナウンスが流れ始めた。間もなく目的地に到着する。レオンが諭すような口調で語る。

「見えてきたぞ。怪しい物なら何でもいい。とにかく見落とすな……よ、って」

「あ、あいつらだ! わざわざ私たちが来るまで待ってるなんて!」

「シオン、行けるか?」

「任して。絶対捕まえてやる」

 リオンの手をレオンに引き継ぎ、ドアに張り付くシオン。開くと同時に車内から弾かれたように飛び出した。

 逃げる配管工。一足早く角を曲がって、その先の地上へと抜ける階段を駆け上がっていく。シオンは人混みを縫って追いかける。

 首枷のタイマーは遂に残り1分を切った。リオンの手を引き追いかけるレオンだが、人混みの中の子どもというのが案外大人の目には入らない。

 咄嗟の判断で、レオンはひょいとリオンを肩に担いだ。

「口を閉じてろよ!」

 そう言ってシオンの後を追った。

 そのシオンは角を曲がって階段に足をかけようとした時。


「あううっ」


 段上から降りてきた通行人にぶつかり、尻もちをついた。ハッと見上げるシオン。光の中に消えていく配管工の2人。


「あ、あ……」


 間に合わない、間に合わない。









「シオン!」



 呼ばれた方をゼンマイ仕掛けの人形のようなぎこちなさで、彼女は振り向いた。


【00:21】

 

 シオンは、リオンを抱きしめた。キツく、キツく。


「ごめんなさい、ごめんなさい! リオン……」




 ————わあああああああああああぁ……





 駅内にこだまする、シオンの絶叫。それがリオンにとってどういう意味を持つのか、少女は理解していた。だから、シオンに向かってこう言った。


「お姉ちゃん、私から離れて」

「嫌よ、嫌、嫌!」

 滂沱の涙に濡れながら、リオンは囁いた。

「ありがとう、お姉ちゃん」




 ——ドンッ



 リオンは、シオンを突き放し、後ろ歩きに2人から遠ざかっていく——そして。


「リオン! いやあああああああああ!」

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