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二十八話 引きずる


「では、これで終わりです。態々、お時間を取っていただいてすみません」

「いえ、こちらこそ会長である白波瀬さん自らの手を煩わせてしまって」


 謝罪をする白波瀬さんに対して俺はそう返した。

 一応彼も立場があることを考えれば、態々今回のことで動いてもらったことには感謝しなければならないだろう。

 というのも、俺はダンジョン試験の二次の色々を終えた後、事情聴取をされていた。

 そんな中、現れた白波瀬さんが自らそれを引き継ぐと言って、俺はこの部屋に連れてこられたのだった。

 そして、一通り終わった今、話を締めるようにした発言が今のものだった。


 多分、担当を変わって貰っていなかったら、もっと時間が掛かっていた可能性もあるだろう。


「ああ、それと試験結果ですが」

「もう一度受け直しってことですか?」


 それはめんどくせぇと内心思う。

 よく考えてみたら、一次の前にあると言う諸々面倒ごともすっ飛ばしてもらっていあるから文句も言えないけど。

 でも、次に発せられたのは予想していた者とは違った。


「いえ、合格です。元々、仮発行していた方たちについては形式的に試験を受けていたただくようにしていただけですから。それに、今回は、ダンジョンボスの討伐、更に、問題行動起こした阿曽沼秀樹の対処も考えれば、不合格にはなりません。先にそれだけはお教えしようと思いまして」

「そうなんですか。安心しました」


 俺は一安心と息をついた。






 それから数日、俺はベットに寝転がりながら、携帯をいじっていた。

 手元にある正式に発行されたカードとアプリで連携して設定をしていた。


「えーと、これを携帯の背面にかざせばいいのか」


 俺は、ダンジョン対策協会のアプリを開いて連携で来たことを確認した。

 連携したことで、様々な情報を受け取れるようで、近場のダンジョンからその適正レベルまで確認できるようになった。

 まあ、俺は【ステータス】がないせいで確認できないが。

 もしかしたら、鑑定系のスキルで調べることが出来るかもしれないが。


 ふと、俺はアプリ内情報から、「12月16日に起こったダンジョン内での事件について」という項目と、「【要注意】阿曽沼秀樹」と言うものを見つける。

 詳細は、あまり詳しくは書いてないが、これは俺が遭遇したあの事件のことに他ならなかった。

 阿曽沼に至っては、名前までさらされている。

 まあ、チュートリアル武器を持っていて、殺人未遂とくれば危険人物には他ならないが。

 一応、口蓋はするなと書かれているため、協会に入っているものしか見ることはできないとは言え、少し不憫にも感じた。

 それは、俺が知り合いで過敏になっているだけかもしれないが。

 実名の公開が行われている人物は結構多いから、そこに埋もれるだけだとは思うが。


「…………」


 少し、気分が落ち込んだを感じながら、俺はそのページを閉じた。

 次は……ん?


「ダンジョン対策協会主催の大会?」


 目的は、世間にギフトの実態の周知のため。

 そんなことが書いてある。

 そして、恐らく、日本にいる戦力の把握や、アピールもあるのだろう。

 そんなことを予想しつつ、どうせ、俺はやらないからと、次の項目を見た。

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