ワシの石像の直すのじゃっ!! 1
大賢者ナリ・アンテラの住まう紫水晶の城の厨房の朝は早い。
「53番から80番のタコ、茹で上がりましたっ!」
調理着を着た俺は『マグネットタクト』と呼ばれる短い杖を振るって、ズラリと並んだ火の魔法式コンロに掛けられた鍋から次々と茹でタコを取り出してゆく!
上げただけでも8種類もタコの種類が違う、風味が変わるので同じ鍋には入れられない。
「タコ、茹で上がりあしたーっ!」
「あしたーっ!」
「あしたーっ!」
茹で担当の俺以外の調理着を着た『侍従妖精』達が復唱する。
侍従妖精は5頭身の痩せて耳の尖った寿命の無い、使用人として活動する為だけに存在する妖精族だ。
良し悪しではなく、そういった概念存在で、それ以上に深い意味は無かった。
だが侍従妖精に何もさせずにぼんやりさせて放置すると、侍従妖精は存在意義を失って弱ってやがて消滅してしまう。そんな存在だった。
とにかく上がったタコは、中途工程担当の侍従妖精がマグネットタクトを操り、手際よく、氷水に晒した後、柑橘水や、ミント水、普通の冷水にと、調理主旨に合わせた水に浸けられ、その後、『魔法式タコ脱水機』に掛けられ、程好い水分になった物が『刻み』の工程に回される。
「53番から80番タコ、刻みまーすっ!」
調理着を着た近藤さんが、二刀流のミスリル鋼の包丁で神速で刻んでゆく! 慣れた物だ。種類別、調理法別に次の工程へと回される。
「タコ、刻みあーすっ!」
「みあーすっ!」
「みゃーっす!」
復唱っ! 最終工程では『たこ焼き』として焼成され、冷めないように『時間停滞庫』に保管されてゆく。流れるような作業だ。
魔法と文明の力で完全オートメーション化も可能らしいが、ナリ・アンテラは敢えてハンドメイドに拘っていた。
『ぬくもり』『誠意』『仕上がりの偶発性』『若干召喚し過ぎた侍従妖精の仕事の確保』を重視していた。
こうして製造された全てのたこ焼きはこの紫水晶の城で働く無数の使用人達の昼御飯となるのだ!
毎日繰返されるこの営み、サイクル、秩序。俺と近藤さんはあの最初の森でナリ・アンテラにピックアップされてからほぼ毎朝、ここで働き、既に1月が経過していた。
朝の労働を終え、汗だくになった俺と近藤さんは他の侍従妖精達と共に、使用人用の大浴場(男女別!)に向かう廊下でお風呂セットを小脇に抱えて並んで歩いていた。
「いや~っ! 今朝も、タコ。茹でたねーっ、近藤さん!」
「ほんとだねっ、タコ、刻んだねーっ、持田君!」
「俺、段々タコの茹で上がりの『表情』の違いがわかるようになってきたよっ」
「私も、刻みの『断ち色』が感じられるようになってきた!」
「いい表現だっ、近藤さん!」
「ありがとうっ、持田君!」
「いえいえ、ホント、たこ焼きって・・深いよな!」
「ねぇ~」
「うるせぇわぁーーーいっっ!!!!」
突如、廊下の前方にテレポートしてきたナリ・アンテラが俺達に旋回しながら外回し蹴りを連打する技『旋風脚』を俺達に放ってブッ飛ばしてきたっ!
「ぶっはぁっ?!」
「痛ぁいっ?!」
蜘蛛の子を散らすように逃げてゆく周囲の侍従妖精達っ! 俺と近藤さんのお風呂セットも床に散らばっちまったよっ。
「何すんだよっ、ナリ・アンテラ!」
「パワハラだよっ?!」
「うっさいわいっ、うっさいわいっ!『この世界に慣れるまで、朝は城の厨房で働いてみてもよいのじゃないかの?』とは言ったが、な~~に~~をっ!! 完全適応していつまでもしつこく社畜ムーヴしておるかっ?! 若い『来訪者』が揃って小さ過ぎるっ! 基礎訓練と学習もとっくに終わっておるし、それぞれレアなアビリティーも獲得しておるんじゃ、なんか、こう・・その辺の『魔王』とか倒してこんかいっ!!」
「え~~??」
「だって、この世界の魔王は200年くらい前にナリちゃんが仲間達ともう倒しちゃったんだよね?」
「ナリちゃん言うなっ! ぐぅっ・・」
苦々しい顔をするナリ・アンテラ。
「そうじゃな・・このアマラディア各所に配置した『ワシの石像』の補修をする仕事をお前達に命じるとするかの」
「何それ~?」
「ワシの石像って、どんだけ自己顕示欲強いんだよ?」
「『フォームチェンジ・仔豚』」
俺は煙と共に仔豚に変えられたっ!!
「プヒーっ??」
「持田君っ?!」
「ふんっ、小僧がっ! 自己顕示欲ではないわい。ワシが力を込めた石像を各所に設置することで、魔王を倒した後、乱れまくっていたこのアマラディア世界の魔力の秩序を調整しておったのじゃ!!」
なんか神様みたいな仕事してんな、ナリ・アンテラ。と冷静に考える仔豚にされた俺。
「まぁ昔に比べれば世界が安定してきたから最近は放置気味じゃったし、ちょうどいいわい。装備やらなんやらお膳立て整えてやるから、2人で世界を回って全ての石像を直してくるのじゃ」
「え~・・あの、石像っていくつくらいあるんですか?」
「ん? 全、『255箇所』に設置したのじゃ」
「多いーーーっ?!!」
「プヒーーっっ?!!」
こうして、俺と近藤さんは石像修理に旅立つハメになった。
と、その前にっ! 色々ブッ飛ばしていたから、ちょっと俺と近藤さんの状況についてざっと説明しよう!
まずいい加減クドいが、大賢者ナリ・アンテラはたこ焼き好きだ。きっかけは不明だが特に『地球のたこ焼き』が大好きで、わざわざ1年掛けて『次元クリスタル』にエネルギーを溜めて時空の扉を開いて地球に1年分のたこ焼きを纏め買いしにきている。
停滞時間庫の技術があるから買ってしまえばいつでも出来立てが食べられる、という具合だ。
だが地球は魔力がめちゃくちゃ薄いらしく帰りの為のエネルギーの確保が困難で、それを克服する為にナリ・アンテラは『トラック激突式魔力充填術』を開発っ!
激突時のエネルギーは吸収されるから、認識を操られたトラック運転手は一瞬意識が飛んで、気付くと徐行した状態で無人の横断歩道を抜けていてヒヤっとさせられる。というクリーンかつ、はた迷惑な魔法だっ。
それを実行しようとした矢先、勘違いした俺と近藤さんが助けに入って纏めてアマラディアに来てしまった・・という流れだ。
俺達は地球に帰る為に、次元クリスタルにエネルギーが溜まるまでの残り約11ヶ月の間、ナリ・アンテラの紫水晶城で保護されてる形になっていた。
帰る際は整合性を取る為に俺達を1年分若返らせて横断歩道で消えた数分後に戻れるよう調整もしてくれるという。
至れり尽くせりだったが、あのチビっ子賢者はエキセントリックなところがあるから結局、ムチャ振りされちまった。
と、いうのが現状だっ!! 話は続く!
・・ローンドア大陸のマミザ地方の『転送門』に俺達はテレポートしてきた。
転送門はテレポートをサポートする設備で、普通は円形の床の東屋の形状をしている。ここのは典型的なヤツだった。
「わぁーっ! 持田君っ。海!!」
「おお~」
転送門はマミザ湾に面した岬に設置されていた。絶景だ!
海風が結構あるが、湿度はそうでもない。マミザ地方の気候は地球で言うところの南欧に近いようだ。
「ナリちゃんは私達がずっと城に引きこもってるからストレスを心配してくれたのかもしれないね?」
「いや、そんなデリカシーあるかな? あの人。ま、いいや。・・よしっ、来た時はなんか座標とかズレちゃって事故気味だったが、本格的な異世界冒険デビュー! しちゃうか? 近藤さん!」
「しちゃおうっ! でも、この格好っ。ちょっと気恥ずかしいかも・・」
俺と近藤さんは2人ともシルクハットにマント、グローブ、ミスリル鋼の軽量鎧、ブーツ、ウェストポーチを身に付けていた。
武器はミスリル鋼の小剣と腰の後ろの2つの鞘には2人ともマグネットタクトと、近藤さんは回復魔法特化の一角獣の杖、俺はバランス型の千年杉の杖を差している。
帽子にマントと軽装を合わせる伝統的な『魔法戦士』と呼ばれる生業の人々の装束だった。
「我々は終わらないハロウィン! ないし文化祭に参加していると思えば問題ないっ! ドンと行こうっ」
「・・うんっ、そうだね!」
気を取り直し、俺と近藤さんはナリ・アンテラ直伝の空間ポケットから小さく縮小された『飛行絨毯』を取り出し、浮かせたまま拡大させると飛び乗った。
「え~と、今いるのが岬の転送門だから・・あっち!」
ナリ・アンテラから渡された『ワシの像直し旅の栞』というタイトルの魔法の掛かったガイド本を開いて、マーカーとコンパス機能のあるページを見ながら、近藤さんは岬から魔力で目を強化すればギリ見える高台の林地を指差した。
「直線取れるな! 行こうっ」
「わっ?」
飛行絨毯を急発進させたから近藤さんをびっくりさせてしまったが、一気に高台まで移動してゆく!
飛行絨毯の守りで、気圧や気温や、日差し、風、空気の濃度なんかはある程度マイルドにはなるが、風を切って海辺の上空を飛行するのは最高だった。
シルクハットも魔法の品だからすっ飛んだりしないっ。便利~
怪鳥の類いとも擦れ違うが俺と近藤さんの方が速いぜっ!
「これはヤバいっ! 俺、地球に帰ったらパラグライダーでも始めようかな?!」
「私はVRゲームとかで十分っ!」
「ああっ、逆にそっちの方が迫力あるかもな! はははっ!!」
俺と近藤さんは軽快に飛行し、問題無く最初の石像の元に到着した。
高度を下げながら、俺と近藤さんはそれぞれ千年杉の杖と一角獣の杖を抜いて、魔法を唱えた。
「『エレメントサーチ』っ!!」
「『マナサーチ』っ!!」
近藤さんは広域の魔力属性の状況を探知、俺は石像とその周囲の細かな状況に絞って探知を掛けた。
「整ってはいないけど、そこまで激しい属性の乱れは無いみたい。元々この辺りの土地に邪気が薄い感じ」
「俺のアビリティーにも特に引っ掛からないしな。石像と周辺物の損耗もそうでもないよ」
俺と近藤は地面近くまで飛行絨毯を下げ、絨毯は浮遊させたまま降りた。
石像は蔓植物まみれで多少磨耗していた。低い位置にある、周辺の石材の設備は蔓の絡みや磨耗が激しい。石の床は破損も多く、土や砂に埋まって草の生えてる所もあった。
「この状態でもクオリティ高いね」
「でも調整装置を『自分の形にする』ってやっぱ自信満々だよな?」
「また仔豚に変えられるよ?」
「うへぇっ」
俺と近藤さんはそんなことをいいながら、さっきの鑑定で見切った破損した分、『対価』に必要そうな補助素材をマグネットタクトで空間ポケットからドシドシ出して並べていった。
「蔓や草の根がしぶとそうだな。魔法も足そう。『サイコキネシス』!」
「サイコキネシス!」
2人で協力して、マグネットタクトに念力魔法を足してパワーと精度を上げ、石像や周辺設備にこびりついた植物や土や砂を纏めて取り払い、
「『トーチ』!」
「トーチ!」
植物は点火魔法で纏めて燃やした。で、こっからが本番だ。
「『オブジェクトリカバー』っ!!」
「『マッドリカバー』っ!!」
対価も用い、俺は構造物復元魔法で石像を、近藤さんは地形復元魔法でボコボコになってる石像設備のある地面その物を整った状態に補い、整えた!!
ナリ・アンテラの石像設備は新品のように完全に復元された! と、
「っ!」
「っ!」
石像が激しく発光し、光はこの地域全体を覆って、少し乱れていた魔力のバランスを完全に整えた!!
周囲の雑木林に塞がれていた舗装された石像に至る魔除けの細道も木々が道を避けるようにして復元されていった。
「おお~、俺達が掛けた以上に魔法がバンバン掛かる感じ」
俺と近藤さんは魔力を消費したので『魔法石の欠片』を使って魔力を回復させつつ、結果に満足していた。
「やっぱナリちゃんは凄いんだね。持田君、次の石像に行く前に上から一回、よく見てみようよ」
「いいぜ?」
俺と近藤さんは再び飛行絨毯に乗り込み、高度を上げた。
「『敵意探知』、どう? この辺りのモンスター達、少しは鎮まった?」
俺はアマラディアにきて魔力が使えることになったのと同時に、2つの異能に目覚めていた。その1つが敵意探知だ。
俺は、敵意に対する感度と、探知範囲が異常に広くなっていた。ナリ・アンテラの話では俺の先祖に勘のいいイタコがいたらしく、その因子がアビリティーに影響していた。
そういえば俺の母も学生の頃、タロットカードが当たり過ぎて気味が悪くなってやめた。といった話を以前していた。
「・・・うん、さっきよりずっと安定してる。物陰や穴蔵なんかに潜んでたアンデッドモンスターで恨みの薄いヤツらなんかは、今ので昇天しちまったみたいだ・・ん?」
妙な感じがした。これは・・そこだけ重点的に探知してみる。・・なるほど、
「持田君?」
「向こうの崖の下の洞穴の奥、盗賊のアンデッドの巣窟だったようだが、今ので首領と、連中の犠牲者の一部以外は昇天したり地獄に引っ張り込まれたりしたようだ」
「地獄に引っ張り込まれるパターンもあるんだ!」
「まぁ、・・そうだけど」
どうしたもんかな? 魔法のあるこのアマラディア世界、死に損ないのアンデッドモンスターなんてあちこちいてキリがないワケだが、
「気付いてできるなら、犠牲者の人の魂、助けようよ? 地球では悪い人達は一般人じゃほとんど何もできないけど、この世界くらいでは」
「・・だな。行こうか、近藤さん!」
「うん!」
俺と近藤さんは飛行絨毯を洞穴に向けた。
入り口で飛行絨毯から降り、縮めて空間ポケットにしまい、俺と近藤さんは杖を抜いて暗い洞穴に入った。元はただの盗賊のアジトに過ぎないので、特に深い構造じゃない。
「『ナイトアイ』」
「『カモフラージュ』」
俺は暗視魔法を2人に掛けて視界を確保し、近藤さんは透明化魔法を2人に掛けて姿を消した。
同じ魔法に掛かっているのでお互いなんとなく見える。
「『テレパシー』」
俺はさらに2人に思念で会話する魔法も掛けた。
(行こう、近藤さん)
(うん、テレパシー中はエッチなこと考えたらダメだよ? 持田君)
(言われるまでそういう思考忘れてたよっ?)
思念でツッコミを入れつつ、俺と近藤さんは奥へと進んだ。
すぐに扉があったが、
「『アンロック』」
近藤さんが小声で解錠魔法で開け、
「『クワイエット』」
俺も小声で沈黙魔法で音を消して、マグネットタクトで扉を無音で開けた。
扉の先に進むとすぐ広間で、そこが連中の住み処らしかった。
奥には人骨が積まれ、広間の中央では腕の4本ある骸骨男がうずくまって苦しんでいた。
(人を辞めた後は食欲旺盛だったみたいだね)
(早く片そう。もう、悪人とか、そんな範疇でもないぜ、アイツ)
俺と近藤さんはタイミングを計り、負荷を減らす為に透明化を解除したっ。
「『サンダーボルト』っ!」
俺は電撃で腕を1本砕き、
「『ホーリーレイ』っ!」
近藤さんが聖なる光を放って、骸骨男の全身にヒビを入れた。
「がああっ?! お前達だなっ! 俺達のテリトリーを浄めやがって!!」
骸骨男は身体中から骨のナイフ? みたいな物を俺達に連発してきたっ。ヤベ! 2人で回避するっ。
「あんたっ、今の状態でなんかいいことあったかよっ?! サンダーボルトっ!」
今度は両足を吹っ飛ばしてやったっ。
「痛ぇっ?! いいことだぁ? そんなもん決まってるだろ?! 生き残ること気にせずによっ、『奪うこと』に集中できるようになった!! 最高だったぜっ! 自由だっ」
2本の足の代わりに蜘蛛みたいな骨の脚を4本生やして骨ナイフを放ちながら動き回りだす骸骨男っ! くそっ、アンデッドって身体デタラメかっ。
もう1個のアビリティー使うか? でもこういう、『拡散する攻撃』 を多様する相手と相性悪いんだよなっ。
(今、壁!)
「っ!」
まだ持続させていたテレパシーで、近藤さんの思念っ。近藤さんは回避しながら壁に駆け上がっていた。壁を駆けながら器用に空間ポケットで『ミスリル鋼の両手持ちハンマー』を取り出し、聖水を振り掛けていた。
やる気だなっ、合わせるぞ!
「『マナロープ』っ!」
俺は縄魔法で魔力の縄を操って、いかにも絡み易そうな骸骨男の4本脚に絡み付けて下半身の身動きを封じてやった!
「ぬおっ?!」
そこへ、
「やぁーーーっっ!!!」
壁の高所から近藤さんが弾丸のように飛び掛かるっ。骸骨男は骨ナイフで弾幕を張って近藤さんを傷付けたが、近藤さんは構わず突っ込み、剣を持つ3本腕のガードの上から聖水付与のハンマーを叩き付けた!!
「っ?!!」
全く防げず、木っ端微塵に叩き潰される骸骨男っ!!
「コイツ・・おおっ、待て! まだ死にたくないっっ」
骸骨男の僅かに残った頭部の一部と全身の骨は、地面から染み出した黒い手達によって引きずり込まれ地獄へと消えていった。
「近藤さん、大丈夫?」
「うん、得意分野」
骨のナイフによる近藤さんの傷はあっという間に回復していった。近藤さんがこの世界で獲得したアビリティーは『剛力』『超回復』だ。
先祖に負傷に強い戦国武士がいたらしい。
俺達は魔法石の欠片を改めて使い、近藤さんは超回復すると栄養は消費するので空間ポケットから取り出した、たこ焼きを食べだした。
ナイトアイを解除し、照明魔法の『ライトボール』で明かりを点けると、俺達は犠牲者よ骨の山に向かった。
(ありがとうございました。これで私達も安心して逝けます・・)
骨の山から残っていた霊達が浮き上がり、その中から特に意思なハッキリした者が語り掛けてきた。
「いいよ、ヤツらが使いもしないのに戦利品にしていた品々は、一番近い冒険者ギルドに預けて、遺族や被害を受けた事業者なんかを探してもらうよ」
冒険者ギルドというはこの世界でトラブルシュートを専門にしている人々の組合。ゲームだったらプレイヤーの人達の組織、かな?
「そへもそうはね」
たこ焼きを食べてる近藤さん。
(重ねてありがとう。ただ、せめて、その赤い箱の品は差し上げます。私は生前、魔法下着職人だったのです)
「魔法下着職人っ?!」
思わず復唱して、近藤さんに白い目で見られてしまった。
(是非、御利用を・・)
そう言い残し、霊達は昇天していった。
「・・・」
「・・確認はしようよ?」
気まずい沈黙の中、たこ焼きを食べ終わった近藤さんが挑戦的に言ってきたので、
「ああ、まぁ、近藤さんがそう言うなら」
俺と近藤さんは『赤い箱』の前まできた。
「開ける、か」
鍵は掛かっていなかったので、俺はマグネットタクトで箱を開けた。中身は近藤さんがマグネットタクトで持ち上げて吟味する。
「ふーん・・」
「なんか、凄いな」
布の面積と、シースルー具合がっっ。俺は微妙な顔で『魔法下着』を確認している近藤さんの全身を見てしまい、さらにこの下着を着ている所を想像してしまった!
「っ?!」
「しまった!」
テレパシー切ってなかった。俺も焦ったがっ、近藤さんも真っ赤になってしまったっ!!
「ごめんっ! 解除っ」
俺はテレパシーを解除したっ。
「・・持田君、実際の私より大きく想像するのやめてね」
「あ、いや・・面目ない・・」
ぐぉおっ、倍っ、小っ恥ずかしいことになった! テレパシーっ、使い方気を付けようっ!!
やらかしたが、最初の石像修理ミッションは片付いたのだった・・くぅ~っっ




