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95.貨幣価値


王都に入ると、まっすぐ伸びた道はそれなりに賑わっていた。

だが、道を行きかう人の表情は暗い。


「まずは、通貨の換金からするか」


俺は門のすぐそばにある換金所へと向かう。

古い建物は今にも崩れてきそうだが、ぼろぼろの扉を開いて中に入ると、きちんと手入れはされていて安心する。


「いらっしゃい」

「大陸通貨を換金できるか?」

「どれだい?」


カウンター越しに座っていた老婆が、顔を上げて目をきらめかせる。


「ヨハン貨幣だ、銀貨1枚」


大陸通貨はこの大陸共通の貨幣だが、大陸の端に行くほど現地で流通している通貨の方が買い物がしやすいことがある。このビーランド王国も大陸通貨の少額より現地の通貨の信用の方が大きいのだ。

大陸通貨を発行しているのが銀行国と呼ばれるニジェール公国なのだが、大陸通貨はその時事の王によって価値は異なる。現在一番多くみられるのがヨハン通貨だが、それよりも自国の通貨を信用してしまうのだ。


だが、老婆は少し目を見張った。


「それだと、大金を持ち歩くことになるがいいのかい?」

「ん? 換金レートを聞かせてくれないか」

「ヨハン貨幣の銀貨なら、ビーランド王国で発行している銀貨で670枚だ。1Jが670ビーなんだよ」

「はあ?」


ビーはビーランド王国で流通している貨幣の単位だ。ものすごい通貨の価値が下がっている。

10年の間に何があったんだ?


「あんたどうやら遠いとこから久しぶりにこの国に来たんだろう。この国は今、内乱と隣国の侵攻を受けているんだよ。特にドラゴンがいなくなってから、状況は悪化する一方さ」


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