アイザックからの贈り物と、PKの王様
予約投稿をミスった奴が居るらしい(ノ)やっちまったぜ!
「はいはい、戻った戻った!」
「ちょっ押さないで、押すなー!!」
次の日、アイザックの所へ行こうとしたら、またシリアが変な地区に
入ろうとしていたので、孤児院のオッチャンであるトラヴィスへ
送り、娘位ちゃんと見とけ!と言った後、アイザックの元へ向かった。
・・・・
「なんか頂戴」
「藪から棒になんじゃい!?」
いやあ、その反応が見たくてな。和んだ。じゃ、本題だ。
「報酬くれるっていつか言ってたよな?」
「・・・あ!」
「忘れんなよ、でだ、有るのか?」
「待っとれ、今取って「逃げようとしても無駄ですよ?」・・・うむ、
衛兵、保管室から無駄に大きい木の箱を持って来てもらえんか?」
うん、普通に逃げる気だったな、目が泳いでる。
「あ、はい!!」
意気揚々と青年が持ってきたのは、無駄に縦長の木箱だった。
「それじゃそれ、エミリー、残りはそこに置いてある、直接渡すので、
捕まえんでくれんか」
「逃げなければ」
うん、なんだこの主従関係の逆転模様、どっちが偉いんだっけ?
「取り寄せたので遅くなったが、そもそも来ぬものだから部屋の隅で
誇りを被るしかなかった物じゃ、受け取るが良い」
「言われんでも貰ってくよ。ったく・・・・誰だ?」
不意に後ろから小さな気配が近づく、アビゲイルではない。彼女の
友人だろうか?・・・待て、遅れて一人だ。足音がする。
「これはこれは、邪魔な様でしたら待ちますが」
ほどなくして、現れたのは貴族階級丸出しの衣装に身を包んだ
痩せぎすで蒼白な顔面が目立つ茶色の髪の男だった。
「よい、〈ハルトマン〉何用じゃ?」
「君も関係のある用事かな?」
「!・・・」
知らない人に話しかけられた事に縮こませる少女は、ハルトマンと
呼ばれた男の服を握り、後ろに隠れてしまう。
「こらこら、客人に失礼だろう〈ミーネ〉、あいさつなさい」
「・・・はい!初めまして客人様、〈ミーネ・アリス・アルティヒ〉
と申します!」
「ん、元気でよろしい。俺は<レン・コールマン>と言う、おそらく
覚えなくても良い名前だけど、覚えてくれれば嬉しい。初めましてだね」
可能な限り温和且つ空気を弛緩させようと、少々大仰な動きで
自己紹介する。サーカスのピエロっぽいのを意識したが、どうだ?
「よろしくなのです、コールさん!」
あ、良い子だ。何の興味も無いけど反応してくれた。
「じゃあ、難しい話が有るみたいだから、ちょっと向こうで遊んでようか」
「はいです!」
「報酬、確かに受け取った。話が終わったら下の広間に居るから、
迎えに来てくれ」
返事も聞かずにズカズカと進むレンの背から「あの、その子居ないと
話が・・・」と聞こえた気がするが、気のせいだ。子供を出汁にする
奴とは考えたくない。
・・・・遊び中
「ん?」
遊んでいる途中、表情を崩さない衛兵連中をどうやって笑わせるかに
重きを置いていた途中、苦笑いした青年が目に映る。
「・・・・?」
キョトンとした顔にも見覚えがある。誰だったか・・・。
「君、冒険者ギルドの門の横で案内みたいなことやってなかった?」
「はい、そうですけど・・・・あ!」
気づいたようだ、別に一度しか会ってないから覚えていないとも思ったが。
「数ヶ月ぶり、元気みたいでよかった。辞めたって聞いたときは
結構心配してたんだ〈マグナス君〉」
先日、と言うか昨日行った所、辞めたという話を聞いていた為、
冒険者とかやっていたら会えないかもなあ・・・なんて思っていたので、
城の衛兵になっているとは思わず、気づくのに時間がかかった。
「お久しぶりです、・・・あのー、ハルトマン様の娘さんと遊ぶのは
一向に構わないのですが、先輩の表情筋が限界みたいなので、抑えては
いただけませんでしょうか」
周りを見るとよくわかる、全体で10人ほどいる内の若干3名、特に一番
重装でヘルムを被っている男は完全に笑っている為、肩が震えているし、
あとの二人は顔がぴくぴくしている。もうひと押しか・・・いやいや、
それは置いといてだ。
「うーん・・・良いよ、意地でも笑わせたかったけど、別に・・・んん”!
拘っているわけじゃないからな」
「えいへいさん、ごくろーさまなのです!」
「アリス様も、お父様といつも一緒に移動して、お疲れ様です」
「あー、終わったよミーネ、行こうか」
和む空気の中、ハルトマンが来たタイミングで、空気が張り詰める。
どうしたんだこいつ等?
「世話に、世話になったね!!」
「ああ、はい、どうも」
さっきより尚やつれた感じからして、話が難航したのは火を見るより
明らかだった。こっちとミーネを交互に見ているのは気のせいだろう。
まさかまさか、アビゲイルとこの子を重ねさせて会話を進ませようと
している訳でもあるまい。うん、大丈夫、俺は俺を騙せる。がんばれ!
「確信犯のような気もするが、気にしなくて良いよ。上手く行ったからね」
「そうすか、そりゃあ良かった。さようならミーネ、また会えたらよろしくね」
「大丈夫です!お父様と一緒なら、いつか会えると思うのです!!」
そりゃあ良かった。
「マグナス君、また会おう」
「・・・はい!」
なんだかんだで楽しかった。そう思い、貰った装備を城を出た後参照した。
・・・・
「銃・・・だと!?」
一番大きな箱から出てきたのは、スコープの付いた、スナイパー
ライフルだった。
「だけどなぁ、職業がなあ・・・」
《指定武器:狙撃銃を取得、職業:狙撃手への転職条件を満たしました》
「流れに任せよう」
もう考えるの飽きた。
・・・・ギルドでスナイパー取得後
「じゃ、試すか〈SR-38-DM3〉」
ジャキィン!
武骨な銃身に装填されたマガジンが、セミオートである事を知らせ、
銃口の大きさが、弾丸の口径を明確に伝える。それは、人間の扱う
どの弾丸のそれとも違う、クレネードとして扱われるほどの大きさだった。
「装填済みの弾丸のみってことで、5発中1発当てるのを目標にしとくか」
スコープを覗き、上に付いたダイヤルで距離を調節する。
(・・・・ここだ)
ズガアア!!
「!?・・・るせええ!」
銃の煩さに喚くが、その視点はスコープ内にとどまり、弾丸の行く先を見る。
そして、放たれた弾丸は敵を捉え、その弾丸によって頭部をこの世から
消滅させた。
「1発か」
[詳しい性能:
重装スナイパーライフル レア度:中級
ATK+450 AGI-50 SP+380 スキル付与:集中、命中補正、
装甲貫通、威力補正(1.6倍)
・射程700m、装弾数5発のセミオート
・魔法を弾丸に込めることが出来る。]
「〈装甲貫通〉でENDを減衰、威力補正でダメージ増加の一発としても強いな」
あとは弾丸がどの程度の値段かだが、アセットの店で買えばある程度
出費は抑えられるだろう。多分、
「この装備なら・・・他のも試したら買い漁ってあの場所に行くか」
・・・・
ひと段落着いた後、アセットの店に向かう途中にまーたシリアが居たので、
軽く孤児院に連れ戻しつつ今度こそアセットの店に到着した。毎回思うが、
あの子本当に大丈夫なのだろうか、おじさん心配だ。
「コレの弾丸は購入できるか?」
と、なんのかんの言ってもしょうがないので、武器を取出して
カウンターに置き、有るかどうかを聞いてみる。
「銃、ですか。何発必要でしょう?」
「100×5×2個マガジン100、マガジンのポーチ2、弾丸を装填済みって事で5、
それを4種分欲しい。有るか?」
これは、持っている武器の弾丸をマガジン満杯の状態で100個×それを入れる
ポーチを2つ欲しいと言う意味だ。消費する際に出来るだけ余裕を持ちたい
性分のため、少々買いすぎ感もあるが、仕様があるまい。
「・・・計17000発の購入、承りました。合計で15700Tになります」
「了解、これで頼む」
自分で言っといてなんだが、かなり安く済んだ。弾丸数×1T位かと思って
いたのだが、底値と言うより、最小単位の下でもそうせざる負えないのだろうか。
「小さな魔法鞄を・・・はい、完了しました。確認をお願いしまう」
「確認した、あと<中回復薬>12個、<魔法回復薬>20個、
聖属性の遁甲符を50枚頼む」
聖属性の遁甲符は、武器に聖属性を付与する物で、大体1枚に付き10分位
効果がある。50枚買うのは、次に行く場所がアンデッドの多い場所だからだ。
物理でも倒せないことはないが、少々硬い為、買った方が良い。
「20000Tになりますが」
「それで良い」
普通の店だと50000請求されたりする程高いのだから。
「はい、お買い上げ、ありがとうございます」
「また近いうちに来る、その時は宜しく」
「またのご来店、お待ちしております」
微妙にミリアとの距離が遠くなった気がするが、気のせいだと思おう。
と言うことで、目的地である場所に向かう為、リューネスから西に向かおうか。
・・・・中立区
「・・・・追われてるな」
リューネス辺りから感じる気配だったが、好き好んで中立区の
この場所を通るかと言われれば否と言える。それこそラウセブルから
北上で行ける程度の場所でしかないあの場所に向かうのは、俺みたいな
新装備の試験運用以外で居るとは思えなかった。極々初期の攻略勢なら
ともかく。
「誰だ〈温度感知〉」
「・・・・」
案の定、反応がない。これで協力的なプレイヤーである可能性が消えた。次、
「〈敵意検知〉〈撫風〉」
「クク、お前、意外と楽観的なのな」
ザクッ!
「チッ」
「反応はそこそこか、楽しませてくれよ?」
浅く切り裂かれた掌から血が滴る。今までの連中の格上、本格的に
PK連中がプレイヤー用に魔法ビルドを組み始めたか?
「〈高速回復〉誰だお前、用はねえぞ」
「良くもまあアホな事を、往来で銃見せりゃあどうなるかなんて
分かってるだろ?」
見られていたか・・・。不用心だったが、ほぼ数秒しか見ていないのに、
情報が広まる速度を舐めていたかもしれない。
「良いのか、このゲームのPKは、本来数人で徒党を組み、
不意打ちで行動不能にしてから必要なアイテムを奪うって
スタンスが多いみたいだが?」
「どうでも良い、オレは戦いたいだけだ。そこにアイテムが付いて
回るなら取るし、無いなら無いで問題にならない。だから、」
ザクッ!
「頼むから楽しませてくれ」
「舐めんなよ雑魚が!!」
バキィ!
「ハハッやるねえ!」
「全部ウソくせえ、全部薄っぺらい!!」
PKだろうが、手段選んでんじゃねえよ!
「ヒュ~♪意外と手段選ばない方が好きなタイプかい?」
「格下相手に虐める趣味はねえんだ、1発で確実に終わらせてやる」
ニヤニヤしながらあっけらかんとしたPKの表情にレンは睨みつける
ことでその表情を引き締めさせる。どうにも噓くさい。
「面白い、じゃあオレも〈憑依・獣〉」
「ハアアァァァァ・・・・」
四肢を地面に着け、獣のような体勢で壁を背にする男から、行動の予測が
付いた為、拳を構え、準備する。そして、予想通りに、単純に、直線で
男の腕が迫る。
「<正拳>」
グッ・・・バキャ!!
「ゴハアッッ!!?」
吸い込まれるように顔面に拳がめり込んだ男の体が地に伏せる、その瞬間。
「〈掠め取る〉」
パシッ!
「やっぱもう一人居たか」
「はずれ、次」
弾丸の一つが男の手に握られ、男がそれを放り投げる。あぶねえ、本気で
盗まれるところだったのか。
「近距離戦・・・は愚策だろうな・・・・」
張り巡らされた魔法があるのかは知らない、だが、近寄りたくないと本能が
警鐘を鳴らしていた。何かあると見た方が良い。
「〈爆発地雷〉〈恐怖〉」
恐怖が全身を包み、地面がいくつか光りだす。逃げ出さない様に囲んだか。
「ふぅ・・・・〈精神耐性向上〉〈魔法の矢〉」
「〈影潜み〉」
影に消える男の姿を見て、レンは勝利を確信する。
「〈眩む光〉クカカ!〈貫通水槍〉」
影潜み、この魔法は、影の存在する場所全てに侵入、脱出できるという
ものだが、残念ながら、少々欠点がある。影自体の濃さ、つまり、
光量次第では侵入できないのだ。ゆえに、対処法も確立されている。
だからこそ、次の一手が見えてくる。
ザグッ!
「・・・・なん!?」
だが、その一撃が命中したのは、ほかならぬレンの方だった。
「〈見せかけの道化〉」
「グハッ!〈裂傷槍〉!!」
ヒュン
「また外れ、次」
片手には握られた弾丸、こちらは浅く切り裂かれ、胴に刻まれた傷。
「何だこの状況、どこをどう間違えればこうなる・・・」
「〈影潜み〉」
(待て、スキルには発動する条件が存在する。今の行動も先を読んだだけだ。
だから、)
「遅い」
ザクッ!
「お前は早過ぎて手が読めちまうよ〈炎の細槍〉」
「〈分身術〉〈欲望の発露〉」
ガクッ
「なんつう・・・!」
スキルの対人特化っぷりが笑えてくる。最早人専用に組んだと思えるほどに
強奪系スキルと攻撃を後出しで繰り出せるものばかり、故に強い。
「化物相手では強いのかもしれないが、あくびが出るな、ランク外のランカー」
何を言っているのか分からないが、取り敢えず化物相手でも強く
ねえんだなあこれが。
「そりゃどうも・・・組ませてくれなきゃそもそも戦いに
なんねえんだよクソが」
というより、接触を最小限以上望まないのか、触らせてもくれない。
「残りは何発だ、100か、200か、どちらにせよ奪いつくしてやる」
「7000発ちょい、だがまあ、気にすんなよ、もう遅いから」
「・・・・お前!」
ザクッ!!
「ははは、じゃあ、今度会うときは・・・勝つ気・・・で戦って・・・・」
ドサッ!
自害、プレイヤーキラーに対抗する最も単純で、故に使用する事が
少ない上に、金の減りも通常以上に多くなってしまう禁じ手だが、
これ以上は無意味と断じた。対抗策が浮かばない時点で、面倒くさい。
モンスターならやってたかも知らんが、わざわざ情報与えてやる
メリットもまったく感じないからな。
「・・・・・チッ、装備すら奪えぬとは、少々甘く見た。次は必ず奪う」
「す・・き・・・」
シュン・・・
「・・・必ずだ」
言い聞かせるように呟いた後、PKランキング最強の男は嗤う、不遜に、
狂気的に、ただただ無邪気に。
「じゃあ、気晴らしに村のひとつでも壊してから帰るか」
これも一つのロールプレイ、故に、誰の言葉も届かない。誰の声も届かない。
「赤に染まったお月さんや~」
歌でも歌って陽気に殺そう。それが、彼なのだから。
次
最近、コレの設定を突っ込んでたデータが消えました(絶望)
USB先輩がご臨終したため、結構前の設定から練り直しなんだぜ(泣)
比較的最近取っててよかったバックアップ!ってことで、まあ
別段変化はありません。バックアップを取ってなかったテキストデータ
約数十万文字が消し飛んだだけなんで。書き直しじゃー!
最悪、楽しけりゃあええねん。
個人的には凡作かそれ以下になってる気がするけど。展開が冗長なんじゃ~
(分かってても進まないんじゃ~)




