表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/86

初戦闘(主は現実で会話やら)

うーむ・・・書いても書いても進む気がしない今日この頃。

今回は適度に現実の方で色々解消編(書き直すけれども、適度に軽く読める様にしたつもりの話です)


早く結界戦線やらないかなぁ(10月から放送なんで、見てね(宣伝時のみ全部書くスタイル))

「詰まる所、何も変わってない気もするんですけど」

「まあな、厳密に言えば、あの家族自体がこっちの法律を知らずに売り飛ばされて、

 言い知れぬ不安をずっと抱いてただけだった。そこにたまたまシロノを

 疎ましく思ってた王族の連中が漬け込んだって始末だしな」


社内食堂、自前の弁当を食べていたら、峰里とばったり出くわしたので、

今回起きた事を適当に話していた。


・・・・



「それにしても、1時間と少し程度で数か月を可能にする。ですか、可能でしたっけ?」

「知らん、俺が体験した事全部が夢だったってんなら話は別だけどな」


今回の件で、地味に俺のレベルをヴィルが超えると言うアクシデントが

起こってしまい、容量(キャパ)が危なかった事や、スクショを検索目的の

機器に転送して見せたので、疑われる事はない。と思う。


「にしても、なんですかその物体、茶色と緑で完成されたザ・男飯みたいなのは」


特に用も無いのに話しかけて来た峰里を見てなんだろうと疑問に思っていた俺は、

ああ、コレの事だったか。と、納得と同時にそこまで疑問に思われる程か?

とも思った。


「軽い調理で出来る、ロールキャベツモドキにこの間買ってた唐揚げ、

 あと、焼肉のたれで炒めた豚のこま切れとキャベツの炒め物、あと、良く見ろ、

 赤と黄色も交じってるだろうが・・・パプリカとリュカの実を入れてある」


米は無し、最近太ってきた気がするから、帰った時以外は制限だ。


「肉肉しいお弁当だ事で、もたれそうなメニューですねぇ」

「そこら辺は注意してる。ロールキャベツにはトマトとチーズも入れて

 かさを増してある。流石に肉しかないのは危ないしな」

「さいですか、では私も一口」


ヒョイ、パク・・・


「お前なぁ、取り分けるとかないのか?」


うどん食ってた箸で直接ロールキャベツを1個丸ごと持っていき、

そのまま一口は流石にひかれる事も有るぞ。


ほははいはふー(お構いなくー)・・・おいひい!」

「お前の世話なんぞ知るか、一口で1個丸々食いやがって・・・・

 個人的には、チーズの量を減らしてサッパリ系の柑橘類で

 食べ易くしたいんだが、そこんとこはどうだ?」


食われた事はともかく、改善点を聞くのは大事だ。客を呼んだ時に、

女性の場合は参考にもなる。・・一個食われたのはともかく。


「このままで良いんじゃ無いですか?それにしても、今時レシピに

 アレンジ加えてデータ入力する人が居るとは・・・流石課長」


あん?何言ってんだこいつ。


「そんな面倒なことするかよ、やる方が早いし、1回限りも結構あるからな。

 一々入力してたら日が暮れる」


まあ、テンプレート使えば2秒で終わるんだが、なんか嫌だからやってないだけに

過ぎないんだけどな。


「は・・・・え・・・?」


心底信じられない物を見た時の表情を俺に向ける峰里の表情を一言でいえば、

間が抜けた時の犬だろう。無駄に整った顔の所為で、似ても似つかないが。


「・・・流石にその反応は傷つくぞ」

「は!すいません、なんとまあふるく・・・・古風な方がいらっしゃるなぁと」

「今古臭いって言おうとしたな、お前は本音と建前の使い分けが出来てりゃあ

 出世できるだろうにな。ほんと、残念な事この上ない」

「えへへ~」


若干わざとやってる気がする程分かり易くにやける峰里を見て、なんだか毒気を

抜かれてしまった。どうせ食べた後は休憩だったし、話に付き合ってみようと

思い、取り敢えず今言うべき事を言った。


「褒めてはいないな」


こんな感じの会話が十分程続き、休憩を終え、自宅に戻る前にアイツの報告を

聞くため、帰り道の途中に有る公園の前に呼んでおいた。アイツの実家、

電子機器を殆どおいてない上に、アイツ自身も結構携帯の電池切れたまま

過ごしたりするかなぁ、本人いわく「家電有るからいいじゃん?」

だそうだ。じゃあニアー(・・・)だけでもつけときゃ良いのに。


・・・・



「おいっす」

「ああ、久しぶり・・・でも無いか、2か月ぶりだな。<うーたん>」


綽名で呼ぶ人間の少なさに定評があるとまで言われていた過去を持つ俺なんだが、

過去4人だけ付けた事がある。分かり易いのが年頭に入っているので、安直、

3秒で考えつくネーミング、やら散々な言われ方をされた。その中では

比較的マシな分類に入るのがコレである。マジで苗字もじっただけの時は

無効としてやり直されたまで有る位には単純なのが好きなんだ。


「その名前はやめてよねー、呼び辛いのは確かなんだけとさー。ね?」

「電話では特に気にしてない風だったが、今更恥ずかしいとかか?」

「んー//!そんな事無いよー?ないったらないんだよかっちゃん!」


身振り手振りでいやいやをするさまは幼稚園の園児を彷彿とさせる。

彼女はある程度の動揺を超えるとこんな風になってしまう。俺の場合、高校時代に

色々話題を振ってそのラインを見極める事に成功したので、実はこの質問でも多分

やるんだろうなー、なんて打算をしながら言ってみた所がある。


「はは、なんつうか、探偵やってると思えない程分かり易いよな。お前」


<片霧(かたぎり) 羽衣(うい)>彼女は本当に愉快だ。周囲に明るさを

自身に試練をってタイプの人間の典型例で、呼ぶとなんだかんだ

文句を言いながらもちゃんと来て、そのくせ場を盛り上げるのだ。

面倒だけど、付き合い方次第で面白くなる人って印象だな。


「それで、仕事の方はどうなってる?」


ある程度世間話なんかをしつつ、本題に入ったのは5分後だっただろうか、

なんだかんだで時間が掛かってしまった。その間に体が冷えただろうと、

自販機からマッ缶と適当なコーヒーを買ってきて、選ばせた。急に雨が降った

せいも有って、6月にも拘らず若干寒くなっている。薄着には少し辛かろう。

普通なら蒸し暑くなるだけだとも思うんだが、どうなっているのだろうか?


「ありがと、うーん、1日目だしなー、けど、あの子の状態は悪いみたい」


躊躇無くマッ缶を選んで懐に入れた彼女からの報告は、予想を超える程では無い。

元々アレに似た・・・いや、本来であればあそこまでやる予定では無かった

のだろうが。どちらにしてもやり過ぎにも度が過ぎる程度の行為が行われていたので

有れば、その答えは予想出来る物ででしかないのだから。


「校内には入るなよ、お前は仕事以外の御節介が過ぎる」


あの時の間違いは起しちゃいけない。そんな当たり前のことを普通に言った

つもりだったんだが、言葉につい険が入ってしまう。


「大丈夫、もう・・無茶はしないから。でも、ランニングという名目の

 ジョギングに関しては、警戒しておいた方が良いかも」

「やっぱアクションが有ったか」


普通にこき下ろすのは止めて差し上げろ。とも言いたかったんだが、

雰囲気に押された。すまん葛木君。


「うん、人目のない場所に差し掛かった所を、みたいな感じだったと思う。

 あたしが同ペースでゆっくり歩いてたから襲わなかっただけ」


やはりか、何故かは知らないが、葛木君に固執しているようで、学生にしては

かなりの額を積んでいた。正直、こういう連中にとって、抵抗は悪手だ。だが、

慣れている奴だからこそ、やっちゃ駄目な(ライン)を見誤った者達には、

ある程度しっぺ返しがこにゃあならん。そしてそれは、俺やコイツみたいな

部外者じゃない。本人か、それに近い誰かにだ。


「朝の1時間と夕方の下校時刻だけ頼んだとは言え、悪いな」

「気にしないでよー、でも、万が一が有ったら」


そこで言葉が途切れる、答えるのに差異は無いはずなのだが、いつも

ここで一瞬言葉に詰まってしまう癖も直さなければ。


「俺が終わらせる。高校時代と同じように、あの時以上に確実な方法で」


特に感慨も無く発したことだったが、うーたんにとっては違ったみたいだ。

顔を俯かせ、表情が読めない状態で、感慨深そうに呟いた。


「・・・・変わらないなー、残酷なくらい変わってないなぁ・・・」


うーたんがそれを言うのか、と言葉にしようとも思ったが、それは憚られた。

彼女にとってはもう過去で、俺にとっても特に感じる事でも無いのだから、

ただ、当事者の彼女にとってはかなり違った意味合いに取れるだろうが。


「気にすんな、1月も有ればほぼ確実に1対1の勝負では勝てるようにできる。

 んで、俺は知ってる。1月あれば、5、60m走るだけで息切れする程

 貧弱な奴だろうが、4㎞程度は走れるようになる事をな」


持久力さえあれば、あの子は負けない。もし追いつめられたとしても、

一発逆転の反則で勝ち筋は十分得られるだろう。と、明らかに

話題を反らす。我ながら軽く嫌気が差す程分かり易い。


「それに、あの子は俺より根性有りそうだしな」

「・・・・じゃあ、1月分だね。今割り出すからちょっとまってて」


そう言う事じゃない、彼女の口はそうできていた。だが、口から出たのは

息だけだ。肝心の言葉は声に出る事は無く、ただその時間だけが空虚に過ぎ去る。


「急がなくて良いぞ、なんならマッ缶飲みながらやっとけ」

「だいじょうぶー・・・出た。休日は割増って事で、税込6000円になります」

「ありゃ、そんなもんだったか?」


6000×30日=180,000円、高いように感じるなら、その人間には時給

って言葉をプレゼントしよう。指定した時間で2時間6000円だ。

より正確に言うなら、怪我をした時の保証やら、結構機材もかさむ。

掃除業者を2時間呼んだ時に1時間10000円が高く感じないのと同じだな。


「補助金が出る様になってね、1仕事辺り最低金額でも、かなり

 実入りは良くなったんだよ。あんまりお金は要らないんだけどね」


と言うのもこの女、実家が資産家で、実家から毎月仕送りをされ、

本人曰く「無駄遣いしなけりゃ、あたしともう一人くらいなら一生暮らせるぜ!」

と断言していた。勘違いしないでほしいが、この台詞、殆ど全員に言っている。

他意は全くない。毛ほども。


「それでなんだが、給料日までオムニケート社のコクーン型買っちまったから、

 金があまりない。だから「良いよ」数日待って・・・・おい、話は最後まで聞け」

「無理な事は頼まない。かっちゃんの長所でしょ?大体分かるけどさ。

 カードローンはおすすめしないけどねー、どうせだったら返済を

 給料日まで待って、とかはどう?」


解決案の提示、簡単で縋り付きたくなる案では有るが、


「いやだね、ローンの方がマシだ。お前はどうか知らないけどな、

 絶対返すから、なんて言葉を聞いて、実際帰って来た事なんて

 ほとんどねえんだよ。だから、ローンして返す。俺の負債は、お前を経由

 する必要は無い。仕事の領域だしな」


貸してはくれと同じだ。例え返したとしても、その人間は借りられると思わせる

様な事が有ったら、その人間の関係性にも影響を及ぼす。大概は悪い意味で、

だからこそ、信用する人間に程、金は貸さないし借りない。それがルールだと思うから。


「あはは~、相変わらず執拗に迫られる方を選ぶねぇ・・・良いよ。

 給料日まで何日?」

「届いた時点で引き落とされるから・・・きっかり10日後、日割りにしても

 10日で60,000円、所持金は5万だ」


別口座から落とせないかなとも思ったが、手の届く範囲には何も無かったので

物理的にカードを再製作する位しかないな。


「なんだ、1万・・・・2万円位かな?分しか不足してないんだ。じゃあ、

 知り合いに聞いてみるか銀行だね。まさかとは思うけど、カードは・・・」

「・・・持ってません、ごめんなさい。知り合いの方でお願いします」


だって、しゃーないやん。預ける様な金持ってねえし、バンクに入れるなら

国外の方が金利たけえしで国内で作る意味を見いだせなかった。ついでに、

作ったと思っていたカードは、全て忘却の彼方(ゴミ捨ての日)に捨ててた。


「おっけー、じゃあそっち方面で話つけとくね?」

「悪いな」

「いやいや~、借りの方が多過ぎて、返し切れる気がしないからねー」


勤めて明るく振る舞っているが、俺には見える。笑を全力で堪える

うーたんの感情が手に取る様に。同時に見える、銃創の痕も。


「仕事中じゃないが、事務所空けさせた。あんま時間取らせるの

 もなんなんだし、じゃあな」


こうして、うーたんに話を聞いた後、知らないおっさんから直接、何も

聞いていない内に電話が来て、説明を受けるまで軽くがなっていたのは、

個人的に人生トップ20に入るレベルで恥ずかしかった。


・・・・ゲームをやれゲームを。



「なんだろ、景色が違って見えるな」


モノクロームと言えばいいのだろうか、白黒で出来た空間の様に、

周囲がのっぺりして見えた。勿論、実際はカラーなんだが。


「まあいいや、今日はスレイブを出て、お隣の大森林内に国を構える

 <プラネスト>でも目指すか<ヴィルとノワール以外全員出ろ>」

「ほー・・・(~へ~)(眠いー、後で起こしてよ主人)」

「シュルルルゥ(ヴァイスちゃんはお寝坊さんだねぇ)」

「きゅきゅい!!(おはようっす!)」

「ほっほっほ!(アインは今日も無駄に元気だねえ、無駄に!)」

「ぐあ~?(ヴァイスさんも元気だよ~?)」

(良し、今度マキリスの所に贈る奴は確定したな)

「ほほほーーー!!ほほ~(^_^;)(じ、冗談はこれ位にして、行こうか皆!!

 いや~、苦労人は辛いわ~)」

「今更やる気を出すな、行くぞ」


思考共有の結果、最近だと、表層意識で考えた事が大概

ばれている気がする。だが確定だ。ヴィル先生に頼んで

引きずって行ってもらおう。


・・・・全速で前進した結果。20分経過



「もうマップの端に着いたか」


こっちではもう足りない。一振りで頭蓋が弾け飛び、拳で殴るだけで

内臓ごと反対側に飛び出る。経験値に補正が掛かっていない事が不思議な程

差が開きすぎてしまって居た。


「今回の敵はゴブリン・ソルジャー8体とゴブリン・クレリック6体、

 ホブ・ゴブリン4体、ゴブリン・シールダー3体、オーク7体か、

 複数形のエリアボスは初めてだな。煩わしいのはホブとオーク、

 優先度はシールダーとクレリックだ。分かったな」

「きゅ!」

「ホホウ(面倒だけどいいよ~)」


・・・・



「・・・・・・・」


場所には空気感が有る。練習場の緩んだ空気、本番のピリピリした空気、

人間に出せる空気感もあるが、今回は場の空気だろう。そして、俺は

かなり強烈な恐怖を覚えていた。


(罠か?臭いを強烈にして、気取らせないようにしている所も芸が細かい。

 それに・・・・思ったより強いな。知能が高すぎる)


獣には生物特有の要素以外での知能は存在しない。狼や犬なら高く、

ジンベイザメなんかは低い。だが、モンスターには例外が存在する。

それが、レベル上昇による知能の向上なのだ。と言っても、

プレイヤーを殺し続けた結果、レベルが上がっただけかもしれないが。


「さて、どう攻めるべ・・」


ビュンッ・・・パシィ!


林から飛び出したのは石の礫だ、威力的には脅威でない点から、

追わせることが目的の攻撃っぽい。


「喋ってる時ほど、注意しないとな<火球(ファイアー・ボール)>」


ボオオ・・・バキィ


(外れた・・・射線上に居ないか? 見えていれば問題ないんだが、

 見えない時の精神疲労も加味すべきか・・・面倒臭い)


見えない場所からの攻撃は地味に苛つく事が多いため、可能であれば先制して

殺し切りたいが、焦って死にましたでは話にもならないな。


「キュキュー?(行って良いでしょうか?)」

「行っても良いが、罠が有るから出来るだけ木を飛び移って回避しとけ」

「キュキュイ!(了解っす!)」


ドシュッ!


「リム、可能な限りエイプと一緒に居ろ。お前しか要員が居ないんでな」

「きゅきゅー(わかったよ、しゅじん)」


俺は俺で動くか。


・・・・



「・・・・そこにもか・・・多いな」


戦闘領域はこれまでで一番広く1000m四方、その域を出ると

アリアボスはやり直しになる。が、今回はちょっと面倒臭いかも知れない。


(何も考えずに中心まで来たが、敵が居ない。外周を回ってるのか?)


だとすれば、身体能力の高い人間ほどクリアし辛くなっている可能性が有る。

エリア外一歩手前で待ち、自分ごと外に出せば繰り返すだけで体力を

消耗させられるのだから。だとして、俺なら何処に居る?


(可能なら監視役・・・いや、クレリックに監視系の魔法を使わせればいいか。

 なら、ある程度の数が固まっている方が倒しやすいな)


単体で会った場合、俺等みたいなプレイヤー相手に慣れた手練れの可能性、

複数であれば、必ず勝てるだろうと思われる戦力、相手取るなら後者だ。


「なら、纏めて殺し切る為に必要なのは<嵐(ストーム)(・ボール)>陽動と

 あいつら以上に陰湿な罠だけだな<棘罠(ニードル・トラップ)>」


ちょっと簡単な罠作り、準備は3つだけ、1つ、衝撃を与えると炸裂する

風の玉、2つ、それに衝撃を与える時間制のトラップ、3つ、踏むと発動する、

同タイプのトラップ、あとは、各地に罠をセットして、爆発させると・・・


ドギャアアアアア!!


「よしよし、で、中心地点にトラップを仕掛けてと」


円を囲むようにして遅延発動するトラップは、やけっぱちになった

プレイヤーが、逃げる場所を無くすために放つ魔法と勘違いする。

あとは、プレイヤーを探してのこのこやって来たモンスターを狩れば良い。


「・・・・・・・来たか」


とか思っている間に来た。オーク4体、クレリック1体、ソルジャー2体、

流石に多い。殺し切れるか微妙な人数だな。


(なら、もう少し罠の威力を上げるだけだ)


<奇襲補正(サイレント・キラー)>


「グオーーーー!」

「ギグ、ガギギギ!」


挑発するように言葉を発するのは、後ろのクレリックの詠唱に

起因する物だろう。大まかな位置を掴む程度の魔法では、

俺を捉えきることが出来ないからだ。


(もうちょい・・・・あと2歩・・・ここだ!)


「<炎熱球ファイアー・ドーム>」


ボアアアアアアアアアア!!!!


「高密度の炎と風の組み合わせだ。爆発しない理由が無い」


一酸化炭素による窒息、空気を入れる事によるバックドラフト現象、

同時に襲い来る2つの脅威の中で、怯んだ生物が数体倒れ、それを

指揮する大型モンスターが、その場所から抜けようと突進する。


「予定調和だな」


だが、


グサッッ!!!


「ア”ア”ア”ア”ア”!?」

「足元に注意する程思考が働く訳でも無い。か、・・・にしても」


足元から飛び出す鉄の棘が全身を貫き、ぐちゃぐちゃと骨ごと肉を

抉って行く。同時に、表皮を炎が焼く様は拷問を受ける囚人のようにも

見えた。が、まだ動く。肉を焼かれ、全身を貫かれても尚、ソレの生命は

終わっていなかった。なので、


「これだけじゃ殺せないのか、だがまあ、放って置いても

 死ぬか・・・いや、殺すんだがな」


ザクッ!


「頭部落されりゃあ流石に死ぬよな?信じてるぞ本当」


串刺しになっても生きている生命力はともかく、動けない状態なら

避けようも無い。一瞬で頭を落とされる死体が数体、地面に崩れ落ちた。


「よし、あと21体」


オークの生命力はかなり危険だが、裏を返せば奇襲である限り負けない。

前にやった事が実を結んでいる事に満足して、その場を去った。


・・・・



<従僕通信(コール・テイマー)>リム、見える範囲で敵は?」

《2体、変な鼻の人型のやつと杖を持った子鬼かなぁ》


子供の様に話すリムだが、その性質はほぼ真逆だ。狡猾且つ臆病なコイツは、

戦況分析でポジティブな情報は基本渡さない。だから生き残れたとも

言える。まあ、結局周りが駄目だと死ぬしかないのは悲しい性だ。


「了解した、可能な限りエイプを誘導して、敵に会わないように

 ルートを進め」

《わかったけど、あとでご飯おねがいねー》

「わあったって、要らない割に食いたがるよな、お前等」


テイムしたモンスターにとって、食事とは嗜好品に過ぎない。んだが、

何故か大量に食べたがる節が有った。微々たるものなので問題は

無かったが。アイン以外・・・。


「次は狩りの時間だ」


頭を振り、思考を整え、次の狩場へと赴いた。


・・・・



「・・・・・」


キョロキョロ


「グギ」


サクサク・・・


(思った以上に反応が良い。半端な罠だと掛かりもしないか)


足跡から罠の位置を予測するところなんかは、人間以上に上手い。

だけど、そこまでなら対処した。


「グギ・・・・・ギ!?」


うし、成功した。やっぱ足跡の方を注視するよな。だが、この周辺には

蔦が有る。それを風魔法で繋げれば、足跡無しで罠を仕掛けられる。

臭いも付き難いから引っ掛かるだろ。致命傷にもならないしな。


(1体目、足吊り場か・・・なら)

<火炎球(フレイム・ボール)>」


ヒュン・・・ボオオオ!


「グギイイイイイイイ!?」

「グオオ?・・・・・ガアアアアア!!」


放たれた場所は燃え始めた個所から割り出せる。こちらに気付いた

オークは、一足飛びで俺の居る木へ飛び移った。が


<植物罠(プラント・トラップ)>串刺しか下に落ちて燃え尽きるか、選んで良いぞ」

「グ!?」


ビシュッ!


木から飛び出した杭を避けようと無理な体勢で降りた結果、

片足に体重が乗り、体が傾くその瞬間、


「設置可能になったこの魔法は避けられないだろ〈風の(ウィンド・)(シックル)〉」

「グオオオ!?」


ブシュウウウウウ!!


頸動脈を撫で斬りにされたオークは、(おびただ)しい血液を噴出させた。


(これであと19体)


戦いは始まったばかり、次の標的を探そうと、<飛行(フライ)>で飛び、

罠に触れないよう移動する。


・・・・Side???



「・・・・・フッ!」


ガッ!


「グヒュー♪」


少年は筋肉で出来た肉体を持つ人型のモンスター、オークと戦っていた。


(やはり私では厳しい物が有る、か)

「グヒ<ショック・バスター>」

(マズ!)


相手が自分を舐め切っている前提での戦い方をしていた少年の元に

その凶刃は迫る。命中すれば即死するその一撃は、少年の肉体に命中


「シュルルルゥ!」


せず、横合いからかすめ取る様に少年を運ぶ影によって地面に放たれた。


ドゴオオオオン・・・


「ありがとうスケイル」


助けてくれたスケイルに礼を言うが、それ以上に少年は

微笑ましい視線を注いでいた。スケイルにとって見れば些細な、

だが、少年の様な弱小生物にとっては大きな気遣いが見えたからだ。


「シュルルゥ(気にしないでね、私が一番お姉さんなんだから)」


そう言う彼女も新入りと言う事にあまり変わりは無い筈なのだが、

全員が一同に介する時に歳を聞いてからというもの、頑張ろうと言う気持ちが

からまわりして居た気もしたけれど、気のせいだったみたいで良かった。

なんて事を思いながら、前を見る。スケイルの不意打ちで軌道がずれた状態での

一撃は、地面を数十センチにわたり陥没させていた。


「シュルルィ(私でもまともに受けたら死んじゃうかも)」


またまた謙遜を、とも思わないでも無かったが、言葉には出さずに

思考する。少年にとっては致命傷な事に変わりは無いのだから。


「じゃあ、プラン通りに、Bで行こう」

「シュルルルゥ(ああ、ねえよそんなもの・・・で良かった?)」


主人の表層意識内にある知識を身に着けている私達だが、最近は

カルチャー系に進出してしまったせいも有って、こんな事が多くなっていた。


「いや、本当に立てた方、頼んだよ、スケイル」

「シュルルルルイ♪(任せなさい、お姉さんは頼られたら最強になれるのだ♪)」


さて、こんな調子で次回に続く

現実の方が無駄に重苦しくなりそうだから、今後はカットを多用()していくのぜ

(えっと、葛木君の強化は適度に出して行きます(今後に関わるので))

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ