クソの様な国7(終)
終わった(どうせ書き直すから喜べないな(呆))
伏線云々は期待せんといてね、そんなこと考える程期間が開いていない事が証拠だから
(本当、終われた事が奇跡みたいな微妙さだなぁ(哀))
「時に間違い、時に正解する。世に蔓延る邪悪を討ち滅ぼした所で、
最早人にその先を見据える事なぞできようか」
怪物は思いを語れない。悪魔の様な容姿を認めてくれた人も、もう居ない。
首を落とされた時、そのまま崩れ落ちる彼女を見て、初めて彼は
何かを失う事に恐怖した。
「・・・・」
怪物は語れない。思いの全てを、その身に宿しても、どれだけ悔しいと思っても
涙の一つすら流れやしない。
「・・・・良いだろう、私の力、お前の復讐に使え」
悪魔は見ていた。全ての事実を、最初の契約者が死んだ瞬間を、
泣き叫ぶ契約者の妻を、妻に縋り付く子供の血みどろになった顔を。
「この惨劇を繰り返せぬように、儂では出来ん」
何度も何度も何度も何度も、煩い連中が頭の中を搔き乱していた。
だが、そんな声はどうでも良い。悪魔は最後の戦場へ赴く、
傍らに在る、男と共に・・・・・・
・・・・かくして役者はそろい踏み、戦場に立つは彼等だけだ。Sideレン
「・・・・・・向かう先は何処だ?」
《王都の中心部、城の中で違いあるまい》
やっぱそうなるか、この劇を始めたのは、他の誰でも無いしな。
「さて、魔法の起動は未然に2つ防いだ。あとはこの溜まり場になってる
国ごと地図から消せば、全部終わるって事でいいな?」
《うむ、あとは事後処理に費やす時間をミズノか<レク>・・・西方のに
送れれば良いのだが、そこは上手く収めてくれよう》
「保険が効いてくれる事を願うまでか」
《あの男は裏切らぬよ。爵位も持たず、私と隣席する事も無かったが、
よく知っている。あの男は任せた事を必ず全うする》
「へえ、俺の予想が外れたか・・・ま、良いや。どうせあの傀儡は動けない」
この会話もまたブラフの為に使っている状態だが、そろそろ時間一杯だ。
急ぐとしよう。
「ヴィル、急ごう」
「グルァ、ワフ?(良いのか、アイツは死んでないぜ主人?)」
「・・・誰の事かは着いてから聞く、取り敢えず急ごう」
「ワン(了解)」
ダッ・・・・ビュン!!!
・・・・・・舞台は整えた。さあ、楽しませてくれ!
「・・・・・・・ぃあ」
「今回は知らぬ者に託しおったか、存外、ギャンブラーよな」
決戦の地、血と地をかけるのはどうでも良いが、毎回城が壊れているのは、
見る者からすると如何なものだろう。まあ、そんな事はどうでも良い。
若干2名が生き残ってしまった事は仕方があるまい。目の前に居たのは、
先程首を切り落とした筈の大柄な男だった。女と一緒に確実に
殺した筈の生物が居るというのは、それだけで恐怖をあおってくるような気がする。
《ウヌ、コンカイハオモシロイケツマツヲキタイシテイルゾ、ニンゲンショクン》
悪魔、無駄に装飾された服を身に纏い、とても楽しそうに言葉を放つ、
竜の鱗に猫の様な目をした存在が、俺達を見下ろしていた。
(あと一人)
「・・・・煩い蠅だ。叩き落としてくれよう<神縛りの鎖>」
ビタッ!!
《ヌ!?ナニモノカ?》
地に縛られた事を驚きつつも、焦った様子も無く悪魔は問う。が、
そんな問答に付き合う気も無いので、こっちも行動を起こそう。
(巨大魔法陣を使用可能な魔法使い1名、これでミズノの魔法が効力を表す)
そんな事を考えていた俺の目の前に、最後のピースが現れた。
「フムゥ?・・・兎角、跪け」
ズウウウウウウン・・・・・・
(グ!?・・・・これで揃った)
前回・・・と言うか、ほぼ全ての場面で、この構図は必ず存在した。
王城を消し炭にして、まっさらな大地にザ・決戦場☆みたいな物を無駄に壮大
に作り出す。悪魔の典型例、自己主張が斬新かつ細かい。が、ふんだんに
散りばめられていた。そして、そこに立つのは王の肉体、真に能力を使いこなす
完全無欠(初回限定)の肉人形だ・・・。
「さあ、終わらせようか、テメエ等全員道ずれにすれば終わりだ」
「・・・・・・はうはは、ひえ!」
ドゴオオオオオオオオオンン!!!!!
(成程、今回の理由はコレか)
復讐劇は好きだ。その人間を知っている以内に関わらず、絶対に
物語に深みを出すことが出来るから、だけどな、
「お前等に構っていられる程、俺は暇じゃねえんだよ!」
「グオオオオオオオオオオオオオ!!!」
男の攻撃を反らしたのは、俺じゃない。ミーアの手柄だ。現在のミーアなら
一応10数秒程度の戦闘は任せられる。念のために張った予防線によって、
・・・いや、決定事項に過ぎないか、未来視を持ってる連中は苦手だ。
そして、最後の一手を打つ為、王の抜け殻へ近づいて行く・・・・
・・・・
「さて、ここで終わりか再始動かを決める訳だ」
「うむ、私にとって、死は次を繰り返す段階にすぎぬ。1度目が無ければ、
こんなに子供達を死なせる事も無かっただろう。しかし、進まねば、
最早戻れぬ段階まで来てしまったのだから」
さて、ここまでがブラフなのは良いとして、再起動はミスったが、
取り敢えず良い感じで進んでいる。あとは苗床の状態で何処まで行けるかだ。
「ああそう、どうでも良いから早く肉体と同化してくんねえか?そろそろ
ミーアが危ない<高速回復><耐久力割合・上昇><自動回復>」
自分語りはそろそろいい。残念ながら、無関係の死人よか身内の方がずっと大事だ。
感傷に浸る暇があるなら手を動かせ。出来ないなら一瞬で全部終わらせてやる。
そんな感情を抱くレンにとって見れば、自己嫌悪は途中で終わらせておいてくれよ。
程度の認識に過ぎず、当然、もう何の感情も抱いては居なかった。
「言う通りに相違ない。どれ、最期に肉体と対面するか」
「・・・・?跪け」
グッ!
「道ずれにするには惜しい程老人になったのう、我が肉体や」
・・・・ポロッ
「・・・・・・・・<我は願い出る。悠久の時は今終わり行き、過ぎ去る時
止める事かなわず、再び一つの交差点となる元に戻る>」
これで時の逆行は止められるはず、あとはどれだけ予定通りにいくかだ。
「さて、悪魔の契約解除法は額に手を当てる<戻ってろミーア>」
「ぁぁぁっぁ・・・おぉう!」
「残念、お前等の時間はもう終わった」
ザクッ!?
「たおえ、わうああきらっあおしえも、おあえら・・・・・け・・・・」
「毎回同じ時間に、同じように配役は死んで行く。俺は部外者役、お前は
悪魔との契約によって契約者の役を演じちまった。あと数秒早く
ミーアを殺してさえいれば、確実に俺は殺せたよ。それこそ、お前が部
外者に、俺が契約者の役を押し付けられて死んでた」
この魔法は、本当に繰り返す事しか出来ない。役は役の立場を、国民以外の
全ての役割は、等しく死を約束されているのだから。
「終わりだ、肉体をよこせ」
「うぬ、任せたぞコールマン」
そして事象は終わりを告げる。原因を含めた因子全てを爆発点の中心に
置き、終わりの鐘は鳴り響・・・
《イツカラワタシノメヲノガレタキニナッテイル?》
ザクッ・・・!
「ふはは、ほへほおほおうびら!」
腕を切断し、してやったりと言うよりか、構って貰えず苛立っている感じのする
悪魔は油断した。腕であれば、切断されても数秒間なら使用できる事にまで
考えを及ばせる事無く、周囲は一瞬固まってしまった。
「ククク、してやったり」
ドガアアアアアアアア!!!
世界がミズノの魔法によって光に包まれる。王が死んだ。この世界もまた
リセットされた。
・・・・結果は変わらず、ガッカリだよプレイヤー。Side???
眩い閃光が、周囲を白に染め、魔法で防御された筈の強者たちすら呑み込み、
破壊して行く、そんな状況を見ていた人間達は、一様に落胆していた。
「片腕を切り落とした位からは結構好きだったんだけどなぁ」
「そう言うな、凡骨はこんな物だっただろう。にしても、シロノに関しては
かなり下手糞だったな。次からはもう少し頑張ろうぜ」
「・・・・黙れ」
ビタッ!?
(な!?親父殿はまだ眠っている筈では!)
傍観者は観察者へ、
「ああ、正解だよ。身勝手な王族共」
観察者は参列者へと変わる。物語は集結しないとなあ。彼の者の後ろに
ある科学者を見た王族は、先程死んだはずのプレイヤーに恐怖した。
・・・・・Sideレン
ネタばらしをしよう、最後に放ったスキルの名前を憶えているだろうか?
元に戻る>と言うスキルだ。文字通り、魔法を元に戻したり、
色んな生物が死ぬ前の状態に戻すと言う物で、ご多分に漏れず、
俺がこのスキルを使わせて、あの世界を再生させたとでも思ったのだろう。
だが、本来は全く使えない王の権利を、王族を皆殺しにする事によって、
あの魔法と併用させ、本来の能力を得る事が出来る。
「と言うか、毎回毎回当たり前のようにぶっ殺しやがって、
あっちに恨みでもあんのかよ」
分かり易く言うと、彼女が参加していない状態でリセットが行われた結果、
あのログ通りに王の権限が発生した。そんな状態でのあの魔法はどんな使い方が
出来るか。答えは呪いや無理矢理固定された時間軸を無かった事にした、だ。
ミズノはリセットの役目を毎回担っていた。その為、接触する訳にも行かず、
全部任せる形に成ったが。この時が訪れるのを誰よりも望んでいた男だ。
今頃ガッツポーズしてんじゃないかな。ちなみにだがシロノは恐らくあの空間に
飛ばされた時点から偽物になったのだろう。偽物で、笑える程弱い。それを
利用して、死んだあと、ある程度警戒状態を続けてくれる可能性に賭けた。
上手く行って良かった。動かない可能性も当然有ったからな。
「さて、あとは・・・・・」
「馬鹿め、俺達の前に現れたのは間違いだったな!!!」
(知ってるよ、だけどな)
「「「「「「元に戻る>」」」」」」
今回の使い方は、単純に俺の存在をキャラクリエイト前まで戻す、だろう。
当然それは困るので、無かった事にするとしよう。
「肉体と精神はくれてやったぞ、仕事しろよ、旦那」
「任せろと言った<全否定>」
肉体を得た男、ルシャールは王の権限で苗床からの復活を果たした。
そしてその能力は、<自身の命を魔力の代わりに使用して、寿命分の魔法を
発動する前に消す>と言うものだ。そして、彼にとって、自分の命は
いつ散っても構わない。消耗品でも良い物であり、異能を使う事に忌避感は無い。
「な!?」
おー、驚いてる驚いてる。まさか無効化されるとは思って無かった
ようだ。そして、もうお前等に逆転の目は無い。
「<呼吸するな><詠唱するな><小僧、やれ>」
「一時的な身体能力上昇、あとはわかるよな?」
「畜生・・・・・・」
斬!!
ボトッ・・・・・・ブシャアアアアアアアアア!!!!
「こんな事が有った時の為に、アイツ等は可能性を残してんだよ。
何度殺した。何度繰り替えした。その度に何かを感じる人間が居ただけだ。
だがな、お前等は詰めを誤り過ぎた」
「なにしてる・・・・ヒッ!?」
「ああお前か、丁度良い所に来たな」
1人の少女が扉を開け、その惨状に口元を抑える。繰り返しを提案した少女、
全てを始めた女に近寄り、俺の殺した少女の顔と重ね・・・・・。
「やっぱ似てねえな、醜くていけねえや」
シュッ・・・・・・・ブシャアア!
「ア・・・カッ・・カヒュー!?」
頸動脈を切断し、失血によって死亡させようと剣を収めた。
「毎回毎回文章にして残しやがって、イライラしっぱなしだ」
醜いと言う言葉を凝縮した少女の皮を被った悪魔は、ログの中でも最も多く、
且つ最低に下らない物から最高に先鋭的な内容までほぼ全て残っていた。
その為、やった事が事細かに下種な事が良く分かり、殺す際の躊躇を
極限までなくさせた。さて、失血死するまでにアレを殺さないと。
「あっちは魔法が切れても1回分<再構築>されるからな。それでも、人間の骨を
へし折る時と、頭部をぶった切った時の感触は良い物じゃなかったぞ」
「・・・・・・・・・・・・」
目の前に立つ少女は答えない。死ぬまでの時間を誰よりも知っているからだ。
痛みに喘ぐ訳でも無く、少女の肉体から血が溢れる。それはもう、
死んでいるかのような量が。
「もう喋りもしないか・・・シロノ、見てるんだろ。出てこいよ」
「ククク、私達はそちらに長く留まれぬものでな。些か強引な手を弄した」
そう、指定した恒星規模と言うのがどの程度かは不明だったが、
規模を恒星に区切った結果、3つの情報を得られた。そして、
その情報を置いたのは、この男だったのだ。
「お前、何故俺を選んだ?」
と言うか、プレイヤーを選んだ理由は何なんだ?面白そうだった。
と言われたらもう仕様が無いのはそうなんだが、それでも
聞いてみたかったことだ。
「クク、その前に<完治>・・・これで良いだろう。さて、何の話しだったか・・・ああ、
選んだ理由だったか、それならば簡単だ。お前なら見捨てないだろうと
思った。これ以上でも以下でも無い」
「見捨てないだと?俺自身、結構普通に殺しまわったからな」
実際問題、もう少しやり様は有ったかもしれない。だが、
それは不可能だった。少なくとも、現在の俺には
「大の為に小を犠牲にするのが普通の人間とするなら、お前は、全てを
掬い上げようと全力を尽くした。それこそ、俺が求めた答えだ。
俺にはでき無かった事だが、賭けた」
ケッ、ミズノじゃあるまいし、お前ほぼほぼなんもやってねえじゃねえか。
研究ログで見たぞ。
「・・・第一人称、俺だったっけ?」
「・・・クク、素が出ただけだ。気にする程では無い」
「あと一つ、あの爺さんはどうすんの?」
始めに会った筈のこっちの王様、全く記憶にない状態であっちに飛ばされた
俺にとっては早目に殺しときたい奴だが、戦えば全快状態の王様の力を
使える事になる。それは面倒この上ない。
「その心配は不要だ、もう終わった」
「ミズノか、あのおっさんも良くやる」
シュビッ・・・ドスドス!!
「冗談だ。分かったからよせ・・・」
普通に脅してくるとは、上っ面はともかく、心臓バクバクが鳴っていた。
止めて、本気で殺されると思ったから!?
「それで、この国の管理は」
「嫁いだ者達を呼び戻しても良いが、どうせなら関係がこじれにくい
この男に任せるのが一番確実だ。そこに疑問点は無い」
「にゃるほど、機能は変わらず、頭だけ挿げ替えるのか・・・でもよ、
それだと向こうはどうすんだよ?」
「王子共が居る。不満なら、私が付き添おう」
「お前には聞いてねえよ、取り敢えず向こうで詰まる話でもしとけ」
油断も隙も有ったもんじゃ無いなあの人、事ある毎にアピールした
男としては、ここで少しでも好感度を上げておきたいのか・・・
実際は、そんな必要全く無いんだがなぁ。
「良いのか、もう会えないぞ?」
「仕方があるまい、犯罪者の受け入れと管理は、こっちにしか出来ぬしな」
「・・・・じゃあ、帰るわ。思った以上に眠い・・・」
知らぬが仏、たった一つの真実なんて、知らない方が良い。
「ああ、ご苦労だった。クエストクリアだ」
《システムメッセージ:強制参加クエスト、スレイブ旅行をクリアしました。
報酬判定中・・・・確定、特定個体<獣人>を報酬として設定確認、
ランダム報酬判定中・・・・確認、報酬受け取りはシステム画面で行なえます》
こうして長い一日は終わり、カードローンという簡単な手を思い出した俺は、
ゲームからログアウトした・・・・。
・・・・
「・・・・・・まだ寝るには早いか」
午後9時51分、2時間程度しか経っていなかった事実を確認した俺は、
思い出せる限りの記憶を辿って行く・・・・
「・・・・・2か月間の戦闘以外の記憶の殆どと、・・・・なんだ?
あの時にモンスターを全滅させた奴の事も覚えてないだと?」
長時間のプレイに耐えられる様、ゲーム内で起こる事の殆どは、
脳を介さず内部にデータを読み込み、そこに打ち込んだデータを
出力するシステムになっている。そのため、ゲーム内で起きた事の殆どは
除外された状態で起きる。ゲームに再度入ればわかる事なんだが、
重要な情報ほど消えにくくなっている。だが、今回は例外みたいだ。
ミズノとシロノの顔、王族の顔も殆ど消えてる。関わるなって事か?
「まあ、奴隷の売買は基本的に人道的に行われるだろうし、どうでも良いか」
思考を終えた後、軽くビールを飲み、酔いが回った辺りで眠りに着いた。
はい、どんでん返し的な事がやりたかっただけです(5で唐突に出したのもそれに起因してます)
苗床ってのがどういう意味か書いときますね。苗床:思考力が一定以下まで
落ちた人間がなる状態異常みたいなもので、満足感や充足感を覚えると結構
進行しやすく、進行すると記憶障害や肉体のエネルギーを吸われたりと、
文字通り、養分を吸い取られて死ぬだけの存在ってやつになります。
地味にあっちの連中に操られる確率も出るので、面倒臭い。
対処法は2つ、高濃度の魔力に浸すか、スレイブの王城内に入る事で解けます。
スッキリ終わらせたくて、都合の良い魔法(<再構築>)を作ってしまったので、
個人的にはあんまり好きでは無いんですが、これがないとただの殺人者やん?
書き出したので一番下のは消しときますねー(取り敢えず完成って事で良いかなぁ)




