クソの様な国5
超絶カット祭り、はい、すみません。何か色々真中に挟んで修正しときます。
色々盛るだけ盛って決戦編みたいにしてみたけど、多分失敗している件(無策)
ある程度だけ、あとがきの方に書いときます(こう言うのはファンタジー系で
伏線張れるだけ張った後にやるから面白いのであって、今回みたいなのは
早計に過ぎるけれど、書けた物はしゃあない(サーセン))
書き直したでー(なんか上手く行った気がしないでも無い)
時折えづく声は、彼等の苦しみを体現するに十分な情報だった。
・・・・・・演者がそろい踏みした時、愚か者は開幕の狼煙を上げる。SIde???
人のために、他が為に、反旗を翻した者の言う事なぞ、毎回こんな物だ。
そんな反逆者を殺し続ける内、王に仕える事に疑問を覚えたのが始まりだった。
(下らない茶番、その一つのつもりだった。だが、それは間違いだった)
時に信仰は狂気へと姿を変える。それがどんなに崇高であろうと。
試すつもりだった。彼等反逆者達の信念とやらを、私には絶対に届かない事を
証明するつもりで・・・・最悪の失敗を見越すことなく。
・・・・Sideレン
「話せることはこれ位だ、またあの国で会おう。じゃあね、プレイヤー君」
集積体の話は結構簡単だった。魔法を使う際に、変なのが混じった結果、
活用できない極大のエネルギーに変わっていた。と言うもので、
本来なら熱暴走を防ぐために冷却される筈の排出口が詰まったまま
になっている事が問題だったらしいのだ。で、それを治せるのは
西方の騎士とワイズマンと言うやつだけなのだそうだ。見つけても
連れて来る手段も無いので、ここら辺は放って置くほかないが。
でだ、この野郎、名前覚えて無かったな。
(プレイヤーなんて名前じゃねえよ、レンだ。レン・コールマン、忘れんなよ)
「ふふふ、覚えておこう。願わくば、この茶番を終わらせられる事を願う」
いや、もう会う事は無いと思うぞ。二度とな。
・・・・1つの扉が閉まる。もう一つの扉を開くために。10分経過
「グフッ!!」
「わふ~(起きたか)」
「きゅきゅい!(良かったっす!)」
「くあ~・・・ウ?ぐるぁー(大丈夫ー主人、お腹痛くない?)」
「お前等・・・・一体どれだけ気を失ってた?」
いつ移動したのかは、引きずられた跡と、ヴィルの歯痕から分かる。
だが、それで毒が消える訳では無い。あの時、たった数瞬で腕を切断した
俺だが、あのナニカが入ってくる感覚は、微かに腕から肩に移っていた。
それに、毒以外での気絶は回復魔法によってまずありえない。
つまり、どう言う事だ?
「ワフン、ワフフ、ワフンワフ、ワン(大体10分位だな、寝るのは良いが、
奇妙な匂いが鼻に付いてる。離れよう、主人)」
微かに警戒の色を見せるヴィルに同意する面々を見て、想像以上に
危険な場所で眠りこけていた事を痛感する。急がないとな、だが
その前に、
「ああ、袋を回収してやる。血の匂いが強くて逃げるにも
苦労するのはごめんだろ?」
「ぐあー(早く行こうよー)」
「きゅきゅい、きゅ(危険な感じがずっとしてるっす。急ぎましょう、主人)」
「周囲警戒はまかせた、ヴィル、背におぶさるから走ってくれ」
「わふ、グルルァ(仕方ない、急ぐぞ主人!)」
・・・・・・時間経過???
「・・・・・・・・・・・・」
風の中に居る様だった。時折鼻腔を擽る草の香りと、時々する
腐敗臭と酢の様な臭い以外の変化が無い、ゆりかごの様な時、
そんな時間にも、終わりは来るものだ。
ズザアアァァァ・・・・
「ここが、最低限安全そうな場所か」
かれこれ1時間とすこし、時速にして平均180㎞/h前後で
揺られた先に有ったのは、遺跡の様な空間だった。
「ワフン、わわん(少なくとも、ここで死ぬことは無いだろ。臭いがしない)」
「そうか、なら入ってみるよ。ありがとな<全収納>」
危険=戦闘なら、問題無く行ける可能性が有るのと、数が多いと
問題が起きる可能性もセットで多くなりそうだったので、ヴィル達を
収納して、先へ進もうと足を踏み出した。
・・・・
(無駄に広いな、どんな空間なんだ?)
外側から見た時との印象の差が際立つと言うか、全く別物と言って良いだろう。
遺跡と言うよりシェルターの方が表現として合っている気がする。
「広い割に狭い?どう言うことだこりゃあ」
縦幅と奥行きが釣り合っていない。縦幅100m越えの割に、奥行き10数mとは
中々おかしな作りをしてるな。なんてことを思いながら、壁伝いに
目立った場所を触ってみる。
「何か出て来い。早ーく出て来いっと」
流石にこんな空間をつくる意味も無いだろうと、隠し扉的な物が
どこかのスイッチで開くのだろうと適当に考え、べたべたと手当たり
次第に触れて行った。
・・・・1時間経過
「疲れた・・・精神的にキツイなこりゃ」
途中からしっちゃかめっちゃかに触りまくったんだが、もうスイッチ的な
物はな
ガコン・・・
「あのなぁ、ちくしょー・・・」
諦めた時に見つかる。あるあるネタで良く出そうな物だが、実際あると
結構気分が落ち込むものだ。興奮より作業が終わった事による精神的な
消費の方が大きい為に、そして、音がしてから数秒後、特に変化する事は
無く、何も起きることはなかった。
「はぁ・・・期待外れか・・・・おお!?」
気落ちしながら壁に寄り掛かろうと体重を掛けた所、すり抜けた。奥に
あったのは全長にして数十m程下に続く、トンネル状に作られた階段だ。
上を見ても壁になっている、恐らく、実際の壁から幻の壁へ移る
スイッチを押したんだろう。
ドサッ、カンッ、ドタドタドタドタ・・・ドスン!!
「痛って!?」
体勢が崩れた結果、当然だが、階段を踏み外して落下してしまった。
ドスンドスンと耳元で音がするたびにどこかの骨が折れたのではないかと
戦々恐々だった。が、想像より衝撃が無い事に少々遅れて気が付く。
肉体の強化によってダメージを受けにくくなっているようだった。
「あんまし痛くない・・・・んで、これか」
痛みそのものはそれ程でも無い。とにかくここが何処かを知ろうと
周囲を見渡してみると、明らかな人工物、機械的な扉が目の前にあった。
「鬼が出るか、蛇が出るか、どうなることやら」
考え過ぎても仕方が無い、軽く頬を叩いて、足を前に出した。
そして、自動ドアと同じ様に開いた扉の奥に有った物は・・・
監視カメラと、それ以外全く関連の無いキッチンと遊技場(何故か全自動雀卓と
大概のテーブルゲームが利用可能な台も有った)以外何もない空間だった。
「・・・・監視カメラでも調べるか」
特に驚く事も無かった事が分かったので、直ぐに気を取り直し、
使えそうな監視カメラに目を向け、他の物も一応調べ始めた。
・・・・・???経過
「あー、味気無い」
この空間に入って、2ヶ月が経過した。ログアウトが出来ないのは
規約の一つ、時間凝縮における項目第3項に出てたし問題ない
(死んだらログアウト出来るから、とも言う)。が、思った以上に
山菜が取れなくなってからの食生活は荒んでいた。飲み水の生成方法は
蒸留で良いと分かったから、その心配は無いんだがなぁ・・。
(こっちの仕組みは大体わかった、どうしろってんだ馬鹿野郎)
人型生物全て、それがこの世界、この大陸における絶対的脅威と呼べる連中の事だ。
実に下らない物だった。スレイブに似た形で奴隷を縛る契約を、世界規模で
強制的に執行し、龍種の一部すら契約内に収める空間は、その副次効果と言うか、
生命の定数オーバーを抑制するための雨が降り続けていた(本当かは分からないが)。
当然のように狩りの一環として同族を殺していたのは、カメラ越しからでも
なかなかショッキングな映像だったのは言うまでも有るまい(意外な程刺さった結果
、3日間動けなかった時期が有った程に)。
「お前も食え、そろそろ死ぬぞ?」
「・・・ズズゥ」
もう一つ、この2か月間で同居人が増えた。と言っても、話すらしない、
食事を渡す以外は付き合いもへったくれも無い同居人だが。前任者は
もうちょい可愛げがあったもんだぞ?死んだけど。
「うーん?そう言えば、なんでシロノはこっちの状況を逐一確認してたんだ?
自分も同じ状況なら、同じ反応かそれに似た事になってるはずだが・・・」
掛かってないとか?だったら、何が要因だ?レベル?知識?
思考自体が日常生活の一つになっているせいか、物事の考え方が偏って来ていた。
まあ、そんな事は初期段階でも考えていたから、再確認程度の物でしかないんだが。
「行動範囲がもう少し増えれば良いんだが・・・ああー!!
何でもう少しレベル上げ無かったかなぁ俺・・・・」
この一週間は雨の範囲が広すぎてレベルが上がっても行動範囲が
殆ど、広げられなくなってしまって居る。まあ、この場所は6か所目なんだが。
変える度にこの同居人がついて回ったので、ペット感覚で食事を分けている。
獣人の一部はテイム可能と言う話を聞いていたので、敵対していない
数少ない少年をテイム出来ないかとも考えたんだが、手をかざすと拒絶されるし、
無理矢理ってのは気に入らないから止めといた。
「今回は何か分かると良いんだが・・」
今は、死亡しても復活できることから、相棒に設定した
ヴィルに可能な限りは知って貰い、LV.45で取得した思考共有によって
近況を報告して貰うようにしている。怖いのも勿論あるが・・。
「もう帰ってきても良い頃なんだが、どうしたんだヴィル・・」
思考共有によって分かった事の一つとして、監視カメラの有る空間には
続きが有った。それは、特定の場所への転送、コレが有るからこそ
規模を可能な限り大きくしろと言った理由になっているのだろう。
「・・・・・来た・・・」
「マジか、全然分かんねえ・・・そう言えば、喋れたのか少年」
「むむ、気にしない」
「はいよ・・・本当に来た。感覚器官が鋭いのは獣人の特権だな」
「ハッハッハッハッ」
ガバッ!
「今回は随分やられたな、俺が出られれば一番なんだが、すまない」
「わふん(気に病むな主人)」
10日前からだ。10日前からヴィルに傷が付く事が多くなり、5日前に
腹から大量に出血しながら帰って来た。悪い兆候にも程が有る。
「<思考共有>・・・・かなり拙い・・・少年!!」
「・・・・・な・・・に!?」
「来るかどうか、今すぐ決めろ<使役>!」
この世界からはじき出される兆候、今の共有で分かった事から
俺はもうすぐ吐き出される。やる事があるとすれば、この王様モドキ
を連れて行くこと位だと思い、残り時間一杯をこの時間い費やすと決めた。
それが成功かは分からないが、出来る事があるとすれば、これ位なものだった。
(間に合うか、どうだ・・・どう・・・・・だ・・・・・・・)
思考か途切れる直前、少年の意識がつながった事を確認し、意識は途絶した。
《マインドシェアによる情報の修正を開始・・・完了、ログから
参照可能、参照しますか?→Yes/No・・・・確認、情報を開示します》
まどろみの中で脳に響く言葉を理解出来ていない状態で、
システムメッセージが流れる。それはレンが操作した者では無く、
別の何かによって操られた体が勝手に行っていた。
《王族に関しての重要項目を参照・・・・開示します》
翡翠の月・数えて2日
枝分かれした力が元に戻る可能性と、その対処・
被検体1を殺害する度に力を分散させる事が可能だと確認された。
その為、殺害できた特定の時間軸を固定し、被検体1を殺害する度に
力を枝分かれさせられる事を利用し、思考力と人格を分散するまでは
立証されたため、元に戻る可能性を危惧している。人格を奪う
必要性は無かったのではないだろうか。人格が閉鎖空間Bに根付いている。
万が一閉鎖空間から被検体1の人格が出た場合、肉体との接触は
彼の思考力と人格が戻る事になる為、保護空間内で隔離を推奨する。
枝分かれした力が元に戻る心配は無くなった。身内を殺せる程
非情には見えない上、殺したとしてもリセットされる瞬間でなければ
力は戻らないので、人格がない状態の現状では問題にならないと結論づける。
創造の月・数えて7日
人格を奪った結果、調子に乗り始める人間が出た。
我々の危惧した事が起きた。閉鎖空間内に人を入れ、ゲームと称して
誰が被検体1を殺すかを賭けにするようにしたのだ。その中には
彼の忠臣も居る。思考力を奪ったから大丈夫と立案者である
王族で一番下の娘は言うが、不安だ・・・。とてもではないが、
人間を空間内に入れるメリットも無いだろう。
火の月・数えて5日
契約更新の日、庇護下に置かれる代わりに人を送っているこの国は、彼等の
怒りを恐れているようだ。だが、彼女は彼等の存在を逆手に取った。庇護下に
入る際、片方の契約が履行されなかった場合、履行された方を優先させる
と言う契約を追加で加えたのだ。そして、今彼は私の目の前に居る。
その目に映るのは怒りか、それとも絶望か。応えはどちらでも無かった。
哀れだと、私を見る目には哀れな生き物を見る時の色が映っていた。
水の月・1日
今日は王族の晩餐会が有ると言う事で、彼等に呼ばれた。
最近では腫物扱いだった筈にも拘らずだ。一抹の不安を覚えた私は、
妻と友人に研究室で待機するよう命じた。・・・行くべきでは無かった。
彼女達も連れて行くべきだった。私は友人と仲間と妻を同時に失う事となった。
水の月・数えて5日
閉鎖空間Bにラボごと送られてから3日が経った。この4日で施設内を
転送する機能を拡張、離れた場所でも転送可能にし、彼等に
対抗しようとする者達への贈り物を製作している。完成までは
時間が掛かるだろうが、それも含めて彼女の遊びの一つなのだろう。
亜人型の性質変化もはじめないと、やる事は多い。
土の月・数えて7日?
取り敢えずやる事はやった。この場所を見つけられる者であれば
彼等に一泡吹かせられるだろう。亜人の方もどうにか形に成ったが、
それまでに20体程失ったのは私の失態だ。直さなければ・・・。
この場所ではどうしようもないが、あの状況がループしているとすれば、
解決策も用意しないと。
土の月・数えて20日
問題が発生した。亜人種達が、自分達の種族を襲うようになったのだ。
私が手を施した個体も多く死んでいる。・・・いや、私が手を施した
生物だけを殺している・・・?とすれば、生産工場も作らければいけない。
有機素体から生物を作り出し、隔離空間Bから出すことに成功した。
だが、彼女の手によってあの時間軸内でランダムキャラクターとして、
身内が被検体1を殺した後その王族を殺すゲームをしているらしい。
全く、ここまで上手く行くと笑えてくる。
雷の月・数えて2日
最近雨が多い、この施設が壊れる心配はないが、生物を溶かす
この雨の性質を少し変え、油より少し高めの温度で蒸発するようにした。
これで蒸留すれば飲めるようになるだろう。完全な無毒化は今の状況では
出来なかった。残念だ。
風の月・数えて4日
有機物から造った生物にワクチンを入れる事にした。
これである程度モンスター達から襲われ難くなるだろう。
あの雨の性質が変化したため、耐性を持つモンスターもある程度ダメージを
受ける様になっていた。あまり良い傾向とは言えない。
施設は壊れないが、想像以上に研究が進まない。
花の月・数えて8日か9日
奴等が人格が救い主のように振る舞うだけの廃棄物を生み出している。
彼等を模倣し、彼等ならばと希望を持たせる為だろうか。悪趣味
この上ない。ただ、アオノと言う人物だけは味方に出来そうだ。
王族のループに自分から加わっていた。誰かを救いたいと願っている?
どちらにせよ、現状で信用できるのは3人だけだ。接触させるのは
敵に見つからない時に限ろう。それにしても、最近肉と糖質が摂取できて
いない。どうにかしよう。
星の月・?
王族を覗き見る事が出来た。彼女の手によって共同体になっていた。
これは厄介だ。彼等が介入しなければ、もう王一人の手では足りない。
念のため、街をリセットさせず破壊する方法を調べたが、残念ながら
そんな物は無かった。どうすべきか・・。
火の月
今日、ある魔法についての記述を見つけた。彼等の行使する
規格外の魔法だが、この魔法さえあれば、あのループを終わらせられる
かも知れない。試してみる価値はあるか。
闇の月
ワクチンを生物に入れても死なない方法を確立した。これで
侵入者にワクチンを投与できる。魔法の方もあと一歩だ。
これでどうにか・・・。
雷の月
完成した。だが、この魔法を使った時点でタイムリミットが
出来てしまった。あと32回のループ以内に終わらせなければあの街・・・
いや、国が崩壊する。
影の月
あの魔法を解こうと試行錯誤しているが、まだ解決策は出ていない。
取り敢えずエネルギーを集積体としてまとめる役目を負った者を
造ってどうにか凌いではいるが、集積体の周囲で起きる人格不安定化や
不特定の人間の感情や思考が混じる等の弊害が出て来た。その所為で
記憶すら混ざり始めた。最近死んでるのが私が手を加えた者ばかり
だった所為か、被検体1に少し寄ってきている。時間が足りない。
花の月・始めとする
侵入者と接触、威圧的態度を取られたため殺害、肉は柔らかかった。
未だに監視システムを作ろうとしている自分に少し笑った。
彼女のデータが破損、顔のデータが飛んだ。自前の音声ログ以外、
彼女を近くに感じることが出来なくなった。
創造の月・終わりとする
彼女の顔が思い出せなくなった。ここから出られるのは強靭な肉体を持つ
有機体を使用した製作物だけだが、私も有機体だと気付いた。
今日から私も実験に加えよう。
水の月
私をワクチン配布と合成の役目を負った有機体にする事を決めた。
音声ログが侵入者にとられ、破壊された辺りで思いついた事だ。
彼女好きだった花をいくつか肉体に付けよう、どんなことにでも一生懸命で、
些細な事で喜んでくれた、彼女の好きだった花を。
花の月とする
念のため、このデータは不要カテゴリに入れておく。王族は一応
王を起点としている為、王を殺害すれば全員殺せるだろう。
侵入者、君がどんな人間なのかは知らない。けれど、君の力になる事を願う。
《ログを削除しますか?→Yes/No》
《君は好きにすると良い、私の役目は続いて行き、止まるその時まで
ずっと繰り返すだろうから》
覚えの無い声を聴く、既に無機質になった声は、Yesを押させた後、
消えて無くなる。思い出を他人に見られたくないと、主張するように。
・・・・・さあ、舞台は整った。劇の役者は舞台上へ上がる。Side???
「目覚めの時来たり!さあ、将来しなさい<魔道書起動>
破壊し、恐怖させ、終わりを始めなさいな!!!!!」
静観者は傍観者へ、傍観者は臨席者へと変貌を遂げる。結果を聞くまで
何も終わりはしない。たとえそれが、彼自身の思いだったとしても。
・・・・無粋な愚か者、その価値すら見いだせず部外者に殺害される。Sideレン
「はぁ、はぁ、はぁ・・・!」
この国の王である筈の男は、恐怖に震えながら部屋の隅に座っていた。
「なん、なんだ、一体どうなってる。何で僕の死ぬ日が今日なんだ!?」
現王は王の目によって寿命を見て恐怖した。長く生きられないのは知っていた。
けれど、何で今日、なんで最強になった日に死ななければいけないんだ!?と
「王様ってのに、なんて様だ」
「ヒッ、何で、何でお前が生きているんだ!?」
ここにまた死の体現が有った。死んでいる筈の、絶対に生きていられない世界を
この手で作った筈なのに、それでも生きていた。その事がより恐怖を加速させる。
「今はどうでも良いじゃないか、それよか、もうすぐ目覚める。その時を
見ていようぜ」
「何が有るって言うんだ。これ以上に何が!??」
目の前に遷る光景のさらに上が有ると言うのであれば、それは最早
人の所業では無い。そんな下らない事を考えながら、王になった男は
外を見る事が出来る場所に這いずりながらも向かった。
「ククク、解に至ったか。さて、ではどうする?片腕欠損のプレイヤー」
挑戦者を見る目で、男は微笑む。その解に至った事に感心しながら、
その解に至って尚、この国に在る男をみながら・・・。
・・・・喜劇の幕は上がる。愚者の血によって染まる王の城で、
王の力に酔いしれた愚者の断罪が終わる。Sideミズノ
「今回の歪みは苛烈になり・・・うん?」
なんの前兆なのだこの空気は、ミズノの中で、かつてない程
肌を揺らす自体が発生した事によって、感情を揺さぶっていた。
「どちらにせよ、今度失敗する気は無い。<大陸魔法霊魂拒絶>」
彼は繰り返す。何度でも何度でも、その時が訪れる瞬間まで。
・・・・・Sideレン
「1・・2、3・・・4・・・4人か、今回はえらく多いな」
最後の情報収集によって得られた情報は日記だった。知識が一定量を超えた
瞬間、あの世界からはじき出される。と言うのは1月前に得た情報だ。
そして、今回のは比重が重すぎた。
(それじゃあ救えないんだよ、どれだけ自信が有っても、例え世界を
書き変えたとしてもな)
1月前、遺跡の一つに情報端末らしきものが有り、この世界がどんな物か、その
大筋は大体理解できるだけの記憶が詰まっていた。その中には、恐らく彼等すら
知らない事と、下らない思惑が交差する暗澹とした物語が詰まっていた。
そして、今回のでつながった。どうしでああなったのか・・・。
「ああ、お前、多分関係ない国民に惨殺されるから、気を付けろよ?」
実際に死んだところを見た訳では無い。だが、歴代の王全てが、
自国の国民によって1度は殺害されている。しかも、この男は正式に
王と認められてはいない。結果は追って知るべしって所か。
どっちにせよ枝分かれの一つだが。
「ヒッ・・・どうゆう・・・・!?」
ウアァァァアァァァァァ!
「リセットの回数は100では効かない。だからこそ、記憶を封印されたんだ。
分かるか?」
理解できるほど許容量が有るならこんな事にはなっていないか、なんてことを
頭の片隅で考えていた俺にとって、次の発言は少しショッキングなものとなった。
「待って、待ってよ。俺が知ってる爺さまは、我が父は一度しか死んでいない筈だ!」
それは無い。そう言いたかったが、少し別の見方が出来るな。
こいつ、恐らく今回初めて殺したんだ。
「この国の貴族は、お前と全く同じ状況に陥り、全員が全員、今日死ぬように
セットされてるんだよ。ククク、楽しいだろ?誰もが欲しがる力を得た
はずなのに、その日に死ぬんだ。まさに喜劇的な物語ってな」
予想外だった。この男、1度しか現場に立っていない。つまり、この男は
王が死んだ時、その場にいた事が殆ど無い事になる。そんなこんなで
考えている間も男は呆けた顔をして、口を開いたまま唖然としていた。
「は・・・・?」
イラっとした。何も知らない事は今回の免罪符になっていない。
繰り返す揺り籠の中で、思考力を奪われたからと言って失ったわけでは
無い筈なのに。
「何故繰り返すのか、一度でもちゃんと調べたことは有るか?リセット
が無条件に発動するとでも?・・・いや、理解できないか。じゃあ
こうしよう、お前が会っている人間で、自由に行動できる者誰だ?」
それは、俺の前で貴族を殺し、記憶がリセットされているように見せ続け、
裏切りを模倣し続けた男、それは、最下級爵位にも拘らず、隣席出来ている
異常事態を容認できると思わせられる男・・・・・つまりは。
「あの騎士爵、いつから居た?」
と言うか、騎士爵の殺した子爵の爺が黒幕なんだが、言わない方が良いか。
「さて、お前で最後みたいだし、殺されるなら下の奴等みたいにはなるなよ」
トッ・・・
首筋に針が刺さる。それを理解する直前、手刀によって男の意識は掻き消えた。
・・・・・そして開幕の狼煙は上がる。50秒経過
「ううむ・・・どうなっている?」
「見つけたぞこの野郎、調べものさせる為に俺を利用しやがって」
「・・・ホウ、努力の結果は目覚しい物だな。クックック」
北に紫の、南に赤色の光が灯っていた。何のためにか、答えは
数十秒で分かる。その前に、答え合わせとしよう。
「あの空間は、知識の無い生物を誘い込み、知識と能力を同時に取得する
王族専用の修業場だった。だが、あの空間に居た雨を降らせる奇妙な髑髏
と、人型の生物だけが襲って来た理由は何か、正式な契約を結んでないって事だ」
本来であれば、自身の思考を世界にこじ付けつあの魔法は、他者の
思考を反映しない。だが、この男の言った言葉に従った結果、何故か
俺の意思を反映させた空間が完成していた。人型生物全てに脅威が有る
ものの、最も愚直・・・直線的に戦闘を行う獣人を思い浮かべてはいけない
生物に限定しなかった理由の一つは、俺の戦闘能力を上げ、少なからず
底上げが出来ないかを確認していた訳だ。
「ふむ、大筋は良いだろう。だが、あの空間には3つの仕掛けがなされていた」
「記憶、転送、脅威だろ。3つの内の記憶だけが機能的に動き、転送によって
脅威が加速する。何のために恒星規模にしたかは、最後の最後で
ようやく分かった」
記憶の情報量は機能に応じて足されていたようで、脅威の増大=情報の密度に
なっていた。特に、最後の情報の量と質は明らかに直近で見た2週間前の物とも
比較にならず、膨大になっていた事で理解できた。
「では、いつも通りにやれば良いと?」
「其処がネックだ。お前等は手を出し過ぎる。それこそ、恨みつらみが
人々の嘆きと混在するこの場所で行うには大きすぎる程に」
80回以上、この数字は、あの男の記憶じゃない。確かに人格やらは
結構混ざっていると書いて有ったが、記憶まで共有できるのは流石におかしい。
ならば、過去の記憶か操作された記憶なのだろうと結論づけられる。
そして、あのクソ野郎共の手によって改造されたとすれば、辻褄が合う。、
「あの世界に居た男は、あの王様はお前等が作り出した王様の残滓だ」
あの男・・・便宜上の名称が無いとな。クライとでもしておくか、
クライの記憶は彼ならこう思っている筈だとでも言わんばかりに、都合の良い
言い回しを繰り返し続けていた。それこそ、パッと思いついたことに整合性を
加えたみたいに。人格と記憶が書き変えられようが関係ないとはいえ、ムカつく。
「お前の質問は、この国を救う必要は有るか?なんだろうよ。だったら
言ってやる。お前等が居なけりゃあこの国は・・終わってたかもしれねえ
けどな。それをいつ他人任せで生き残っていたいなんて言った?いつ
諦めたなんて言ったんだよ!」
チリッ・・・・
「ククク、混ざりかけているが、大丈夫か?」
毎度の事なのだろう、情報を得ていない状態でこの発言をした奴が
そこそこ多かったのか、シロノはおどけるように笑う。危なかった。
少しでもワードが入ったら終わってた・・・。
「・・・チッ、妙に頭の中が五月蝿いと思ったら、出て来い<少年>」
シュン・・
ごめん少年、後で飯奢るから勘弁してな。と、一応心の中で謝っておく。
人格が有る程度接続されていたとはいえ、流石に少し長すぎた事を
誤魔化す為だ。
「・・・・・・・・」
「ふむ、・・・この少年が何だと言うのだ?」
「吹くなよ、お前なら見た事位有るだろ。小さい頃の王様って奴だ」
正確に言うなら、獣人化した王様が子どもだったらってバージョンだが。
ファッキンサイエンティストの製作物だ。
「・・・・・・・・・・・・・?」
「長考は悪い癖だと言った筈だ、西方の元騎士よ」
え、マジで、コイツが西方の騎士なの!!?と思ったが、
声に出なかったのでセーフ。別の奴だと思ってた。
「笑えん冗談だ、その称号で呼ばれたのは60代以上前だと言うのにな」
言葉を交わさなかった理由は、どうしても癖で偉そうな口調になってしまう事が
許せなかったらしく、テイムした瞬間には普通に喋る様になり、思考が殆ど
共有されているテイムの状態では、自分の正体やらを長々と説明する必要が
無かった為、何故こんな簡単な事を自己の好悪で・・・と嘆いていた。
「私は初代に最も近い生物としてあの世界に存在していた。お前が
世界に拒絶されるその瞬間も、彼等がそうなる瞬間も、全てをな」
大仰なのは俺が入れ知恵した物で、初代云々もデタラメだ。ただ、
こっちの方が間違いなく可能性の幅が広がる。そう思って吹き込んだ物だ。
「クク・・・・我々は何も理解していなかったと言う訳か、皮肉な話よな。
部外者を介入させることで話が進むと言うのは」
自嘲気味に自身を責める様に紡がれる言葉だが、正直フォローのしよう
が無いわぁ・・・と思ったので、話題を転換しようとした時、
「終わりの間違いだ。今回は違う、失敗した時点で全てが無に帰す。愉快だ、
肉親にすら裏切られ続ける事になって久しい身にとってはな」
王様(幼)が話を区切った。
「それはそれは「だが」・・・その先は知っている。今見たからな」
未来視のスキルか。
「そうか、では任せた。盟約は此処に破棄し、制約は今宵を持って
全ての意味を無くす。これ以上、外の犠牲は許容できん」
盟約は1つ、制約は2つ、その全てがこの国を運用する時に使われている
法と密接にかかわり合っていた。その全てを破棄する。この国を終わらせる
宣言を、今、この場にて実行した少年の言葉に呼応するようにシロノは
立ち上がる。
「ククク、今宵を持って全てが終わるか。それもまた良し」
今回は4人、しかも、前回より厄介な魔法を使用する者ばかりか。
俺にはオーバースペックだが、仕様が無い。俺なりで戦うまでだ。
・・・・そして、始まりは終わりに向かう。
まず一つ、機械的な部屋って全部同じ感じなん?と思われると思うんで、一応訂正を、
一つ目は書きましたが、2つ目は拷問部屋みたいな血みどろ空間、3つ目は記録媒体を
可能な限り押し込めたのに再生が不可能な空間(ここで少年と合流)、
4つ目はメディカルセンターみたいなレーザーメスやらメディカルポッドが並ぶ場所、
5つ目が記録を再生できる空間(直近云々は此処)6つ目は1つ目と全く同じ空間ってな
感じです(過去話と絡めようとして、あ、コレ10話使っても全然足りる気がしないや。
とか思ったんでやめました)
2つ、少年が王様(獣バージョン)が存在する理由なんですけど、同族同士で殺し合いって
書いた所の、同族ってのが間違いで、全ての時間における王様の自我は、あの世界に
ちりばめられております。つまり、殺されるのは全て、王様かそれに準ずる記憶を持った
生命体と言う事です(無駄に幅を広く持つとこんな事になる事例(実例)である)
ただ、これは書き加えたんであんま乗せる必要は無いかなぁ。
3つ、王様の分身である彼(少年)は、現実に来る時、必ず王の権限の一部を所有します。
つまり、軽い命令であれば、世界にすら通用する為、テイムモンスターの入っているクリスタル
の中ですら、レンの記憶と性格を混ざり合わせることが出来たと言う訳です。
4つ、最初に書いた実験に関してですが、本編(現在)出ている魔道書が
製作された原因のスキル<呪鎖蘇生>の効果です(ずっと後に出るかもだから
一応現状はこの説明で行きます)
5つ、王様の能力は、全開状態である場合、シロノを含めた全ての人間を屈服できますが、
残念な事に、1度でも王様になった人間が増えると、植物の株分けのように少しづつ減って
行きます。使い方も間違ってはいるんですけど、力も弱くなってたって感じです。




