空しき勝利
いい感じに湿っぽくできたかな?
今回はちょいと凝ってみました(ベクトルが狂ってないと良いけど・・)
ま、まあ、見て判断してくだしゃんせ
・・・Sideリンクス
(何なんだこれ?)
突然現れた人型のナニカを見て最初に思ったのは
他愛ない、本当にどうでも良い事だった。
(この子、女かなー)
根拠は無い。だがその勘は当たっているのだろうとも思う。
「どうでも良い・・〈爆破〉敵は敵だ」
ドギャアァアァァァ!!!!
周りの木々すら巻き込み、圧倒的爆風は
その周囲を赤色に染めた。その跡には
(これで死んでくれれば楽なんだけど・・)
無傷で立ち尽くすソレの姿が有った。
「現実は厳しい・・・戦闘開始」
「・・・ブォォン・・」
「ム!?」
ナニカから光が漏れだした。光を避け、地面に着地すると
光は形を帯び、その姿をモニターへと変えた。
《全く、粗っぽい歓迎だな》
野太い、か細い?男、女?どちらとも取れない
そんな声が自分に話しかけて来た。
・・・Side副団長
「変更は無い、行くぞ」
音が聞こえた方向を見て、一瞬だけ考えた私の結論は
どちらにせよこの巨人を止めてから、だ。
「・・・了解、行きます」
ルーチェ達の方を見ていた巨人は、既にその眼光を私達に
向け、拳を振りかぶっていた。
「右腕は質量が変わっているのか、ならば〈振動波〉」
動かせない腕にダメージを与える事で、少しでも動きが鈍れば
と言う思惑だったが
GIHYAAAAAAAA!!!
思ったより現実は甘く無い様だ。
「備えろ、くる!?」
ゴオオオオオアアアアアアアアアアアアア!!!!!
大質量の1撃、喰らえば否応なく死ぬであろう
それを見ながら我々は対処する。
「〈大地の三重壁〉」
「〈一時の不死〉〈暴風〉」
「行くぞ、捕まっていろ」
「・・分か・・・ったーー!?」
さあ、巨人の終わりを見に行こう。
Sideレン
副団長の腰を掴んだ瞬間、アース・ウォールが足元から飛び出し
俺達を上空へ運んだ。
「どっちにせよまだ攻撃始まってないんですけどーーー!!??」
完全に的となって居る状況なのはこの際置いておこう。
だが、どちらにせよまだまだ距離が離れすぎている。
「黙っていろ、舌をかむぞ?」
「どういイイィイイイイ!!??」
後方から受けた風は、俺達を巨人の腹へと飛ばす。だが
「だから的だって言ってんだろーーー!!!!!」
「・・・〈誤差〉」
巨人の拳の軌道が少し変わり、全身直撃コースから
下半身直撃コースに変わった(目算)
「後は祈るのみ・・・・」
「最後は神様頼みかよー!!」
バビューーー!!!!!
「誰が神なんぞに頼るか、リンクスが仕事する事を祈っただけだ」
ピキィィィィィ・・・
「は?」
ぱきゃあぁぁぁぁ・・・
巨人の腕が砕け、肉片が氷の様な音を出し、砕ける
「切り札の1つ〈究極氷槍〉か、奮発したようだな」
「魔法は効かないん「魔法では無い」・・・どういう」
「アレは厳密に言えばスキルの方だ究極魔法シリーズは、
絶対に○○する系のスキルで、その代償は・・・
リンクスの場合は丸1日魔法を使えない。そして、ランス系は
絶対に貫く、それが効果だ」
砕けた腕の感触自体も無くなっているのか、巨人の動きが止まり
消えた腕を延々探していた。
「この後も有るかもしれぬ状況では、あまり使うべきではないが
今回はベストなタイミングで使ったようだ」
成長した部下を誇りにするように、巨人に向かいながらも
リンクスを褒める副団長の表情は、どことなく嬉しそうだった。
・・・・
「さあ、着いたぞ」
巨人の腹部、近づくと良く分かる。犬型生物、ゴブリン、筋肉の塊みたいなの、
スケルトン、トカゲ、芋虫、豚、粘体生物、ハエ、ゴキブリ、カマキリ、
無数の生物の1部が露出していた。
「・・気持ち悪い・・・」
「確かにな・・・では、私は去る。1分後に触れろ。それで終わる」
「へいへい、分かってますよ」
「では・・・」
ドッ!
「さて、肝心の顔は何処だ?」
表面から出る液体と、稀に聞こえる断末魔の様な声に
恐怖心を露にした俺は、ビクビクしながらも顔を捜した。
・・・
「はぁ・・・やっと見つけたぞ。と言うか、人間?」
四肢以外を完全に外に出した少年が横たわっていた。
「どうなって」
「た・・・け・・」
「意識が残ってんかよ!?」
聞いてた話と違いすぎる。どうやったら子供の魂で
他のモンスター共の強靭な精神を飲み込めるんだ?
「だ・・誰?」
「あ、見えないか、ちょっと待ってろ」
彼から見て真上に立っていた事に思い至り
見え易い様に横に立つ。
「初めましてかな、俺はレン・・・って、今から
君を殺す相手の事なんざ覚えたくねえか・・・」
そう言う神経をしていればそんな身勝手な事を
堂々と言う奴がいるんだろう。どちらにせよ
この時の俺に正常な思考は出来ていなかった。だが
「気に、しなく、て良いよ。ぼ、くが死なせ、た人は
たぶん、僕の、命じゃ、賄え、無いだろうから」
冷静に、己の死を受け入れ、許容した様にそう言う彼は
痛みに苦しむ素振りは見えても、暴走している様には見えない
「ふふ、慣れたんだよ。この、環境、っで、ずっと1人、だったからね」
考えを読ん・・いや、表情に出てしまっていたか
「あの、顔が、僕のだった、時は、こんなものじゃ、無かった」
「あの顔が君の?」
「うん、どうしてか、分から、ないけど、急に此処に居たんだ。
だから、ありがとう、は、僕の、セリフ、なんだよ?」
気丈に、何処までも安心させるように、彼の言葉は続く
「ほん、とうは、止めたかったけど、どうし、よう
もなく、って、だから、もう、終わらせて」
「・・伝言は有るか?」
「し、しょうに、あり、がとう・・て、おね、がいね」
「必ず。君の名は?」
「〈ハクリ〉そう言えば、多分わかる」
そっと寄り添い、抱きしめる様に・・・その手を彼の額に当てた。
「許して、くれ、るかなぁ・・」
グズッ・・
「ああ、絶対に」
年端も行かない少年は、気丈にしても隠せない事に涙した。
それは後悔であり、戻せない現実への悲しみであり
同時に、こんな風になってしまった事への嘆きでも有る。
そんな彼に掛けられる言葉は、やはり安っぽくなるかもしれないが
許し・・・しかないのだろう。
「君の努力は必ず伝える。俺はプレイヤーだからな、安心してくれ」
ニコッ・・
決して、良い笑顔では無かっただろうが、
精一杯の気持ちを込め、伝えた。君は悪くないと
「嗚呼・・・」
ギュイイイイイイイイイイイイィィィィィィ!!!!!
・・・・Side副団長
「やった様だな・・・」
劈く様な轟音の後、全てを飲み込み、全てを闇が喰らい尽くした。
「指令完了、感謝する。異界人」
綺麗なまでに、その男は頭を下げ続けていた。
今回出た人は・・・まあ、今度ね(主旨とは無関係だし)
今回でストック尽きた(言う程ないけど)
巨人が攻撃してこなかったのは・・・まあ、次々回辺りで説明
が出るんじゃないかな(次回かも知らんけど)




