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085⚫️似て非なるもの
「どうしました、ジュークさん?今日お見えになるとは、予定外ですね」
「ナイフが刃毀れした。見てくれ。」
「刃毀れ? あれが?まさか・・・。」
エイブは手渡されたナイフを慎重に観察した。
確かに刃が欠けている。信じがたい光景だった。
「いったい、どんな無茶をしたんです?’厄介モン’の粒子と粒子の間が破損しているんでしょうね。しかし、こんな壊れ方・・・何に使ったんです?」
ブリッツは答えず、短く問う。
「直せるか。」
「そうですねえ。普通のやり方ではないですが・・・炉の高温で熱し、もう一度’厄介モン’を粉末から纏わせ直してみるしか・・・。おそらく、馴染ませるのにしても、日にちはかかりますが、やってみてもよろしいですか?」
「頼んだ。」
それだけ言い残し、ブリッツは工房を後にした。
新三郎は静まり返った部屋で、‘星河薫風’の手入れをしていた。
本来、塵一つ寄せ付けないこの剣に、手入れなど必要ない。
だが、先ほどの謎の戦闘の残響が、新三郎に刀を抜かせたのだ。
月光を浴びた刃は、どこまでも澄み渡り、気品と優雅さを湛えていた。
あの激突をものともせず、微細な曇りすら、そこにはなかった。
新三郎は自分を護り抜いた愛刀に深い感謝を捧げた。




