081⚫️アキラのご先祖様
「アキラ、なによそれ?フロシキっていうの?バットでも入ってるの?」
エイミーが、アキラが抱えてきた細長い包みを指差して首を傾げた。
「ああ、実家の蔵から出てきたんだ。ちょっと見てみるか?」
アキラが慎重に布を解くと、中から現れたのは一振りの打刀だった。
「うわあ、カタナじゃないの!本物のサムライのやつだよね。なんでそんなのが蔵にあるのよ?」
「俺の親父の家は、結構古くからある家系らしい。久しぶりに帰って整理をしてたら、これを見つけたんだ。」
横から覗き込んだココアが、真面目な顔で言う。
「オオガミさん。それ、ちゃんと警察に届け出を出さないと銃刀法違反ですよ。」
「まあ、そうだろうな。だけど問題はそこじゃない。」
アキラは、ゆっくりと刀を鞘から払った。
「うわあ・・・きれい・・・。」
エイミーが息を呑む。
刀身には金属特有の冷徹な光沢ではなく、
深淵を透かすような不思議な透明感が宿っていた。
「そうなんだ。数百年は経っているはずなのに、一筋の錆もない。刀身に触ってみろよ。指、切らんように気をつけてな。」
「う〜ん、滑らかで、なんだか陶器みたいよね。」
「何より、斬れすぎるんだ・・・。ジン、悪いんだが、こいつをラボで分析してくれないか?」
「ラボで、ですか・・・。わかりました、やってみましょう。」
「すまん。あと、これと一緒に古びた書付が残っていたんだ。」
「文書が?」
ココアが身を乗り出す。アキラは小さな和紙を広げた。
「それによると、この刀の銘は、‘星河薫風’。’大神新三郎の愛刀’と記されている。俺のご先祖様だ。」




