前へ目次 次へ PR 81/102 080⚫️修行の毎日 新三郎は社殿の外、静謐な空気の中で‘星河薫風’を抜いた。 その真価は、すでに木製の人形との立ち合いで示されている。 岩を裂き、 刀身が届かぬ間合いにいる相手さえも、 粉微塵に吹き飛ばした。 刀肌は驚くほど滑らかだ。 不思議な透明感があり、 触れれば陶器のような温かさが掌に伝わってくる。 振れば世界がゆっくりと動く。 舞い落ちる木の葉を次々と切ることさえできる。 一心に’星河薫風’を振るう新三郎に、 ’山紫水明’を帯びたマナが、やさしい眼差しを向けていた。