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073●遠い道のり
「どうだった?何とかなりそうか?」
「だめですね。叩こうが、炉に入れようが、まったく変化なし。ジュークさん、こいつはいったい何なんです?」
「名工エイブでも歯が立たんか。」
「そう言われちゃ、なんとかしたいところなんですがね。」
エイブは‘厄介モン’の小粒をつまんでため息をついた。
「ただ、この粒を弾頭に仕込む案なら、いけます。貫通力が恐ろしいくらいになりますよ。」
「いくつかは、それで頼む。だが、俺がほしいのは‘データ’だ。変形しない、耐熱性がある、その二つはよく分かった。引き続き試してくれ。粒を仕込んだ銃弾は、次までに用意しておいてもらおう。」
ブリッツはそう言って、金貨の袋を差し出した。
エイブ・マッカートニーの顔がぱっと明るくなる。
「毎度あり!これで義手の関節をもう一段階いじれます!」
技術屋らしい喜びの声だった。
ブリッツは補充物資を積み、帰路についた。
キャサリンと回収した‘厄介モン’の‘超貫通弾’としての応用。
確かに朗報だ。
だが、彼が本当に望むのは、自分が迷い込んだ世界線を越える手がかりだ。
道のりは、まだまだ遠い。
蹄の音が、乾いた砂道に小さく響いた。
その音だけが、今日という小さな前進を告げているようだった。




