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069 ●重なり合う残像

不意に、視界がゆがんだ。

ブリッツは中世の古城、その謁見の間に立っていた。

若い男と年嵩の騎士が対峙する。若い男には見覚えがある。

剣を向けられた男が、静かに言う。

「では、‘魔法’の杖を出しましょう。」

懐から取り出したのは・・・杖ではなく、拳銃だった。


瞬き。

熱気のこもる学校の文化祭。

「惜しい! 一発外れた!」

笑う男子生徒。先ほど城で銃を構えていた、あの男だ。


暗転。

無機質な警告音が響く巨大な宇宙艦のブリッジ。

「提督、やりました! 偽装旗艦、帰投します!」

振り返る指揮官・・・やはり、同じ男。


寺社の境内。

侍たちの斬り結ぶ中、背後からの奇襲を紙一重でかわす影。

そこに立つのも、また彼だった。


世界線が重なるたび、裂け目から

金属の微片が雪のように舞い落ちる。

白銀が変化する様々な光‘異界のきらめき’。


ブリッツは立ち止まった。

砂漠の風が頬を打つ。

眩暈は去り、代わりに確信だけが残った。

これは幻覚ではない。

彼は、世界が‘重なっている’ことを理解したのだ。

「・・・あの金属片が、鍵か。」

ブリッツは再び歩き出す。

元の世界への道を開く、ただひとつの手がかりを求めて。

この先でキャサリンと出会うことを、彼はまだ、知らない。


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