068 ● 銀河連邦テラ 宇宙軍連合艦隊司令長官室
「長官、分析結果が届いたのですか?」
「うむ。グレッグ調査艦隊は、またしても‘よくわからんモノ’を持ち帰ってきた。」
「仮称・‘星幽結晶’・・・指先ほどの欠片ですが、謎だらけですね。」
「内容はトップシークレットだ。読んでみてくれ。」
「拝見します。・・・うっ、これは・・・!」
【極秘調査報告書:分類 A-1】
対象:仮称‘星幽結晶’(抜粋)
発行:銀河連邦テラ 宇宙科学研究所
責任者:所長 オチャノミズ・ヒロシ
生成過程(推論)
プランク温度域への曝露後、別相の時空歪曲を経て急冷。
既知の物理法則に従わない超高密度相への相転移と推測。
物理特性(観測値)
密度:1.0 kg/cm³ 既存の重金属を凌駕。
組成:不明。 原子配置が連邦標準計測では検出不能。
光学: 重力屈折による部分透過を確認。
耐性: 熱核反応・レーザー照射とも損傷なし。可塑性ゼロ。
危険性: 周辺数ミリに「時空ゆらぎの微弱波」を発生。人体影響は不明。
「報告書の最後に‘これに触れてはならない’とある。」
「なるほど。アンタッチャブル指定、ということですね。」
「いや、まあ、それもあるが・・・実は、研究所で面白がって触っていた連中がな・・・。」
「えっ?」
「落っことしたらしい。」
「・・・はい?」
「足の甲にぶつかった。床板を貫通して、病院に搬送された。」
「‘触れてはならない’って・・・そういう意味だったのですね・・・。」




