061●涙?わたし、どうしたのよ?!!
パパーン! パン、パン、パーン!
乾いた発砲音が重なり、土煙が上がる。
スクラップ・ジャンクションの連中だ!一斉射撃してきやがった!
こんなのありか?!
このあいだ、アイアン・クリークの略奪団を追い払ったばかりなんだぞ!
なんでうちに、こんな大勢で押し寄せてくるんだ?!
戦えるのは、やっと10名。
向こうは100人をくだらない!
降伏?いや、なぶり殺しにされるか、奴隷として売り飛ばされるのがオチだ。
水も、食料も、根こそぎもっていかれる!!
逃げる?だめだ、子どもたちや老人を連れては砂漠で逃げ切れん!死ぬだけだ!
くっ!!こっちがリロードしている間に、塀までこられるぞ!
「邪魔だ、退け。」
後ろから低い声。ブリッツ!
あんた、何だ、その長いのは?!
拳銃の化け物か?鉄の塊じゃないか!
そんな重そうなもん、取り回しがきかないぞ!撃つのか?!
えっ、あれ?見かけによらない軽快な連続発射音!
なに?どんだけ撃つのよ?!
止まらない! ってことは、それって、オートマチックだろ?
すぐに動作不良を起こすって!
排莢口に砂が入ってジャムるはず・・・!
・・・詰まらない?嘘でしょ、もう!わかんない!!!
敵の前列が、見えない鎌で刈り取られたように、なぎ倒されていく。
音が止む。ほら、いくらなんでも、弾切れじゃないの!
何よ、その曲がったもんは?
馬鹿でかい弾倉?交換が一瞬で終わった?!なんて手際なの!
再び発砲!小気味よく響く発射音!
敵が悲鳴を上げる暇もなく、砂煙の中に沈んでいく。
いったい、どうなってんのよ?!
砂塵が晴れたとき、立っている敵は一人もいなかった。
すべてのガンファイターが、自分の拳銃を握ったまま呆然と見つめる。
ブリッツが、たった一人で100人を制圧したのだ。
銃身から立ち上る白い煙。
彼は無造作にその'鉄の塊’を肩に担ぐ。
キャサリンはポカンと立ち尽くし、気づけば涙が頬を伝っていた。
助かった、という安堵なのか。
それとも、人の身にあまる’破壊神’を目の当たりにした恐怖なのか。
自分でもわからなかった。
ただ、今度も体の芯が、痺れるように熱く疼いていた。




