アニト編5 アニトの街②
「わたしたちは眼中にないようね。外でお茶でもしてましょ」
3人は店を後にしてカフェに向かった。
カフェに向かう途中、ある店が目に入った。
魔道具屋だ。
ショーケースにはかわいらしい靴が飾ってある。
リボンのついた赤い靴だ。
「このお店によってもいい?」
「ええ。何か気になる品でも?」
「この靴かわいいなって。すみませーん!」
リリスが奥に入っていく。
中から中年の女性が顔を出した。
「この靴、見たいんですけど」
ショーケースの靴を指さす。
女性はため息をつきつつ、靴を差し出す。
「これは私が作った魔道具さ。
使いこなせる人が見つからなくてね」
こんなにかわいいのに、魔道具なのか。
試着して鏡の前に立つ。
かわいい。
「魔道具って言ってたけど、どんな仕掛けがあるの?」
「ここじゃ試せない。外に出ようか」
≫
「靴のかかとの横にスイッチがある。それを押してごらん」
言われた通りに押してみる。
身体がぶわっと浮き上がった。
慌てて、受け身をとれず着地する。
「なにこれ!飛んだんですけど!」
「そうさ。あたしの自信作、空飛ぶブーツ。
使いこなせたら、空中を歩行できるように動けるはずなんだ。
だけど扱いが難しいみたいでね。
今までも売れなかった」
「おばさん、ちょっと練習してもいい?」
小一時間後。
「見てみて、空中で90度に曲がれる!」
空を飛んでいたリリスが直角に曲がる。
「驚いた!こんな短時間でものにしちまうなんて」
リリスは空中で何度か飛び跳ねたのち、軽やかに着地した。
「おばさん、これ頂戴!すっごく楽しい!」
「むしろ、こっちからお願いしたいくらいだよ。
あたしの作った魔道具がこんな活躍をできるだなんて」
リリスは新しい装備を手に入れた。
≫
僕ら4人は、酒場で落ち合った。
「キョウ、私すっごい物を手に入れたのよ!あとで見せてあげる」
「まるで妖精のようでしたわ」
「まったく器用なもんじゃ」
テーブルに運ばれてきた塩釜焼を食べながら言う。
「楽しみだな。僕もロックさんと図面を作ったから、3日後に完成品を取りに行く予定。
それまでは、次のダンジョン攻略に向けての準備期間かな。
久しぶりにクエストをこなしてみてもいいかも」
「クエストか。たまには人助けもいいかもしれん」
ラーナが酒を飲んでいる。
「この身体はいい。少量で十分に酔っぱらえる」
存分に料理を味わった後、僕らは宿に戻った。
僕らは冒険者ギルドに足を踏み入れた。
クエストボードを確認する。
人探し。
薬草採集。
魔物討伐。
一通り目を通していく。
魔道石採取の依頼が目に入った。
依頼書によると、特殊な魔石が必要らしい。
僕らはこの依頼を受けることにした。




