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アニト編2 アニトのダンジョン②

翌日、僕らはダンジョンに足を踏み入れた。


1階は森だった。

先人たちが道を作ってくれているため迷わず通り抜けることができた。

出てくる魔物もそこまで強くない。

僕らは順調に進み、7階で休息を取ることにした。

ここは湖畔のある静かな場所だ。


「この魔道具、とっても便利ね。

中のものを冷やしてくれるから新鮮なまま持ち歩けるわ。

干し肉との生活とはもうおさらばよ」


「ダンジョンでの食は大事ですからね。今日は私がおいしく調理しますね」


キキラが鍋を振るう。


キキラはきれいだ。

見た目はもちろん、所々に見られる所作も美しい。

時々見惚れてしまうこともある。

さすが大人の女性だ。


一方、リリスは相変わらずだ。

むしろ、ラピッド村にいた頃よりもアクティブになっている気がする。

キキラの料理ができないか、今か今かと待っている。

変わらない幼馴染の姿に安心を覚える。


僕らは購入した結界の魔道具をテントの周りに立て、眠りについた。



≫

僕らは順調に進み、10階の扉にたどり着いた。

このダンジョンで初めてのボス。

ハランドのダンジョンとは傾向が違うはずだ。

緊張する。

ゆっくり扉を開く。


中央に人が立っている。

頭にはオオカミのような耳、後ろにはしっぽ。

獣人の魔物か。

杖を持っている。

厄介だな。

魔法には嫌な思い出しかない。


魔物が杖を掲げた。

空中に雲が現れ、雷が降ってきた。

不意を突かれた僕は感電する。

ダメージは浅いものの、身体がしびれてしばらくは動けそうにない。


それを見たリリスとキキラが突っ込んでいく。

魔法使いなら接近線に持ち込むのがセオリーだ。


「スキル・刺突!」


リリスが一気に間合いをつめる。

その隙にキキラが横から槍を見舞う。

敵は鮮やかにそれをかわす。


10階のボスのわりに強い。

さすが推奨ランクDのダンジョンだ。

敵が詠唱をする。

次は風の魔法だ。

リリスが吹き飛ばされる。

暴風によってしたたかに壁に頭をぶつけ、気絶する。


「リリス!」


あのリリスが一撃で昏倒するなんて。


僕は銃を発砲する。

地面から氷の障壁が出てきて銃弾を阻む。


「グレネード!」


氷の壁を飛び越えて着弾する。

敵がひるんだ。

その隙にキキラの槍が腕に傷を作る。


それからもキキラは槍で突きを繰り出すが、敵はするりとかわしていく。

グレネードで支援するには敵とキキラの距離が近すぎる。


「キキラ、例の作戦だ!スモークグレネード!」


敵の足元に落ちたグレネードから煙が噴出する。

あたり一面が真っ白になった。

これでうかつに魔法は打てないだろう。


煙の合間からキキラが突きを繰り出し、また煙に身を隠す。

それを繰り返し少しずつダメージを与えていく。


業を煮やした敵が風の魔法を使った。

煙が一気に晴れる。


突っ込んでくるキキラに対して魔物は炎の魔法を放った。

ワイトキングより大きなファイアボール。

キキラはもろにくらい、倒れこむ。

残されたのは僕一人。


片手剣と銃を手に覚悟を決める。

銃を撃ちながら距離を詰める。

接近し、杖と攻防交えた。

一瞬敵がぐらついたのを見逃さず、僕は盾で杖をパリィする。

これで魔法は飛んでこない。

勝ちだ。


魔物が短く詠唱する。

再び暴風。

僕は吹き飛ばされて地面に叩きつけられた。


リリスはまだ気絶している。

キキラが這いずりながらもこちらに向かってこようとしている。


「キョウさんだけでも逃げて下さい!」


悲壮な顔で懇願してくる。


杖が僕の喉元に突き付けられる。


ここまでか......

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