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ハランド編8 女子デート①

ワイトキング戦のあと、僕の火傷はキキラのヒールだけでは治りきらず、病院に2日ほど入院することになった。

その間、2人にはクエスト情報の収集や、今後の対策について話し合ってもらうことにした。

もちろん、休暇も込みだ。



≫

「よくよく考えてみたら、リリスさんと二人きりになるのは初めてですね」


「そうね。普段はキョウがいるのが当たり前だから。」


「リリスさんとは、前々から二人きりでお話をしたいと思っていたのです。

とりあえず、カフェにでも行きませんか?」


「わたしもよ。お店ならまかせて! いろんな紅茶を飲めるお店を知ってるの」



≫

しゃれたカフェの外にある席に腰掛ける。

温かい紅茶とケーキが運ばれてくる。

吹き抜ける風が気持ちよい。


通りを見ると、1人の男が女性をナンパしている。


「オレ、前世は賢者だったんだぜ。

いまはまだDランクだけど、これから一気に駆け上がっていく男だ。

オレのパートナーにならないか?」


「結構です。賢者なんて、そうそういるわけありません。

それにあなた、腰から剣を下げているじゃないですか。

嘘をつくなら、もっとマシなものにしてください」


あっけなく振られた男が、舌打ちしながら路地に消える。

そんな風景を一通り眺めたあと、本題に入る。


「簡単なお話は伺っておりますが、今一度詳しく旅の経緯を教えていただけませんか?」


リリスは語りだす。

キョウ、アキ、自分の3人で野山を駆け回っていたこと。

ドラゴンが現れたこと。

アキが廃人になってしまったこと。

無二の親友を取り戻すために旅立ったこと。


リリスの目から、自然と涙がこぼれていた。

あわてて袖で拭う。


「なんか、湿っぽくなっちゃったね」


「いえいえ。キョウさんは、本当に頑張っていらっしゃるのですね。

素敵です」


「わたしからもいいかな?

キキラがどんな冒険をしてきたのか、知りたいな」


「そんなにおもしろい話ではないですよ」


キキラは語りだす。

元々は教会の孤児院で育ったこと。

15歳の魂卸の儀で前世を思い出し、ヒールを使えるようになったこと。

それからは、冒険者として各地のダンジョンを攻略してきたこと。


色々な仲間と出会った。

S級ダンジョンを目指す者。

富を求めて財を成し、冒険者を引退して商人に転向した者。

そして、スキルポイントの酷使により廃人と化してしまった者。


「私の戦闘スタイルは、一般的ではありません。

ほとんどのパーティーは、ヒーラーを後衛に回します。

ですが、私は命を預ける仲間と共に前線に立ちたい。

そのため、なかなか一所に落ち着けずに放浪していたのです」


キキラは、紅茶を一口すする。


「まあ、それ以外にも理由はありますが......

それよりも、リリスさんはキョウさんのことをどう思っていらっしゃるのです?」


リリスの頭にクエスチョンマークが浮かぶ。


「さっきも話した通り、親友だよ」


ケーキを頬張りながら答える。


「何か特別な感情はないのですか?」


「えー。キョウは親友。何が聞きたいのかよくわかんない」


「私は、キョウさんに惹かれています」



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