お引っ越し
「ルル?お父上と話が終わったから帰るね。」
ネージュと遊んでいたら部屋がノックされ、ユーリ様が帰る挨拶に来てくれた。急いで乱れを直し扉を開ける。
「もう終わったのですか?ご一緒にお茶などいかがですか?」
「嬉しいお誘いだけど手続きに帰らないとダメなんだ。今度一緒にお茶をしよう?我が家に来るのは、1週間後に決まったから準備をしておいて。全て用意するからあまり無いかも知れないけど。」
それは申し訳ない気がする。でも…と言おうとしたが、ユーリ様にとめられる。
「こちらが無理を言ってきてもらうのだから大丈夫だよ。陛下もお祝いに贈ってくれるって言っていたし、いっぱい買ってもらうよ。」
あとコレって綺麗な箱を渡される。アンティークな入れ物に素敵な髪飾りが入っている。金色の薔薇がモチーフになっていて綺麗。
「代々お嫁さんに引き継がれているんだ。よく似合う。可愛いね。」
髪飾りを取り着けてくれる。ありがとうございます…え?待って…金色の薔薇?朝言ってた金色の薔薇ってまさか!!ユーリ様を見ると笑っている。
「そういう事ですか?!」
「そう。ルルは将来公爵家の嫁って宣言だよ。うちの家紋が金色の薔薇なのは皆知っているから騎士達に牽制だね。」
嘘でしょ?あんな前から宣言されていたなんて…騎士様達が萎縮していた理由が今わかった。他を探さす気なんて無かった。
「ユーリ様騙しましたよね?」
「どうしても私を選んで欲しかったんだ。」
ギュッと抱きしめられ頭を撫でられる。本当良い匂い。本当に何もつけてないのだろうか。ユーリ様が帰りたくないなーって耳元で呟いている。ルル良い匂いするよねって首を噛まれる。良い匂い何かしません!って離れようとするが離してくれない。噛まれた!!真っ赤になる顔を手で隠す。ゴメンって謝られるが恥ずかし過ぎる。
「…まだ婚約者でもないのにやめてください。」
…我慢しますって解放される。色気に酔いそうでくらくらする。やっぱり私のような赤子にユーリ様は早すぎる!ツライ。
「ルル本当ゴメン。嫌いにならないで?可愛すぎて食べたくなって…婚約成立まで我慢します…」
「結婚まで我慢してください!」
えぇ…と悲しそうな顔をしているが、帰らないとダメなんですよね?早く行かれた方がいいですよって背中を押す。
「1週間後迎えに来るから用意しておいてね。」
嫌々ながら馬車まで向かい、ネージュと私を撫でユーリ様は帰って行った。私の事も聖獣に見えているのかな?
「愛されてますね。」
部屋に戻るとサリーに言われる。閣下にまさかあんなに迫られているとは思ってもいませんでしたって。ツラすぎる。
「あの色気ずるくない?くらくらするんだけど。何故かグイグイくるし耐えられない…。」
耐えないで流されてしまえば楽になりますよってサリーが笑いながらとんでもないアドバイスをくれる。流されたら甘さで溶けて無くなってしまいそう。
「真っ赤になってー。嫌じゃないならそれも手ですよ。」
もう!1週間後に決まったから用意するわよ!とサリーに指示を出す。何もいらないって言われたな…とりあえずお気に入りだけを詰めていく。甘えっぱなしで本当にいいのかな?
「閣下を困らせなかったかい?」
夕食をいただいているとお父様に聞かれる。困らせられたのは私だ。ずっと翻弄されて大変だった。
「大丈夫です。我儘など言っておりません。」
「やはり閣下が1番最善だったろう?あんな素晴らしい方はいないよ。」
「優しくはありますが…」
お父様は他人事だから簡単に言って!あんな人に迫られた事が無いから言えるんだわ!
「仲良くするんだよ。まだまだだと思っていたのに、もう嫁ぐなんて…寂しいよ。」
「いつまでもいますよ?」
閣下に私が怒られてしまうと焦っている。権力者こわい。ネージュを拾ってからこんな事になるなんて思ってもみなかったな。
夕食後部屋に戻りお気に入りは大体詰めた。私の荷物は少ないがサリーはそうは行かないので、サリーに自身の荷造りを優先するように言い1週間後を待つ。
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ルー元気でね。お母様に抱きしめられお別れをする。お父様にはいつでも遊びにおいでと言われ寂しくなる。
「お2人もいつでも遊びに来てくださいね。」
私とサリーの荷物が積み終わりユーリ様が私達に声をかけてくれる。両親はありがとうございますってお礼を言い、これから頑張るんだよって私に言う。
そろそろ行こうかって言われ頷く。2人に抱きしめられお別れをする。ユーリ様に手を引かれネージュと共に馬車に乗り込む。手を振り発車すると寂しさで涙が出てくる。ユーリ様がハンカチを差し出してくれ、慰めてくれた。横に座り頭を撫でてくれる。ネージュも私の膝に登り撫でていいよって慰めてくれる。
優しいユーリ様とネージュに笑ってしまう。ありがとうってお礼を言う。うん。大丈夫そう。新しい生活に想いを馳せる。




