騎士団
「ルイーズ嬢おはよう。今日も可愛らしいね。」
「おはようございます。良い天気ですね。」
閣下は爽やかな笑顔で社交辞令満載な挨拶をしてくれる。朝から無駄に色気が凄い。ネージュはこちらへと閣下が抱き上げ、先に馬車に乗せ大きなクッションに座らせる。
「婚約者殿お手をどうぞ。」
待っていた私に閣下が手を差し出す。まだ婚約者じゃないです!と否定しながら手を取り馬車へと乗せてもらう。フフッと笑う声が聞こえる…絶対揶揄われている。
「からかうのは辞めてください。大人な閣下からしたら幼い赤子のような私に。」
「からかってないよ。私は可愛らしいルイーズ嬢が婚約者になれば良いなって思っているので、数多くいる騎士達から選んでもらうように必死なのですよ。」
満面の笑みで閣下は言う。恐ろしい。陛下の命令のためにそこまで…。
「閣下は…」
「名前で呼んでよ。私の名前覚えている?」
「…ユリアス様?」
「そうだよ。んー…ユーリにしよう。私もルルって呼んでいい?」
「ダメです!婚約者じゃないので愛称呼びはダメですよ。」
「もうすぐ婚約者になるのに?」
「まだわからないです!他の方になったら困るのはユリアス様ですよ?」
「んー…何故私ではダメなのだろうか?私より良い人なんて居ないと思うけど。」
「わからないじゃないですか。とにかく婚約者同士じゃないと愛称で呼んではダメです。」
婚約者ならいいんだね。わかったよって渋々納得してくれた。じゃルイーズにする。良い人いるといいね?ニコッと笑ってくれる。呼び捨ても良くない気がするけど…笑顔なのに怖い。
「騎士団についたら私の契約聖獣もいるから紹介するね。少し気難しいけど綺麗な子なんだ。」
「え!楽しみです!騎士団に聖獣は何匹くらいいるのですか?ふわふわがいっぱいで幸せですね。」
「現在15匹いるよ。そのうちネージュのような小さい子が4匹だね。」
楽しみだなー。大きい子達はどのくらいの大きさなのだろう。あ、でもあまり懐かないって言っていた気がする。触れないかも知れないな。騎士の事は聞かなくていいの?って微笑みながら言われる。
「…会ってからにします。」
そっか、何でも聞いてねって笑っている。あ、もうすぐ騎士団に着くよって教えてくれたので窓から外を見る。
「どれですか?あの建物ですか?」
「あれだよ。あの白いところ。」
なるほどと思っていたら…気づけばユリアス様が真横に居た。目が合うと、ん?どうしたの?って近い!離れて欲しい。でも凄く甘い匂いが離れがたい。
「ユリアス様って何の香水ですか?」
「私?何もつけてないけど。何か匂いする?臭い??」
え?こんなに良い匂いがするのに?つい近寄り匂いを嗅いでしまう。するとユリアス様にそっと抱きしめられる。本当落ち着く良い匂い。
…っ!!!何するんですか?!!って離れるとくっつきに来たからいいのかと思ってと微笑んでいる。無意識に近づきすぎた…恥ずかし過ぎる!
「ユリアス様からとても甘い良い匂いがします。」
そう?わからないけど…ルイーズの方が良い匂いするよ?って。ユリアス様から魔性の匂いが出ているのだろうか。
「着いたよ!早速私の聖獣に会いに行こう。」
おいでって手を引かれる。ネージュは足元を歩いて着いてくる。聖獣騎士団内はとても広く沢山の人がいて、凄く賑やかだ。初めての場所に戸惑うがユリアス様は気にせず、どんどん進んでいく。ここだよって重厚な扉を開くと、銀色の綺麗な大っきい聖獣がいた。うわぁ!綺麗!!毛並みもツヤツヤで美人!
「私の契約聖獣シルだよ。綺麗だよね。契約して4年くらいかな?」
「シル様!とても素敵です!ネージュもこれほど大きくなるのですか?」
大体このくらいには成長すると思うよって話をしていたら、ネージュがシル様の足元に近寄る。呼び戻そうとしたらユリアス様に大丈夫だよって止められる。
「聖獣同士は分かりあえるし、争いは起きないよ。」
ネージュがシル様の足元を走り回り楽しそうにしている。可愛い!なんて可愛らしいのかしら!感動しているとユリアス様にルイーズ来てってシル様の側に近寄る。私なんかが近寄って大丈夫なのですか?って聞いても大丈夫だよって。
「シル、ルイーズだよ。どう?」
どう?とは何だろう?シル様は私に近寄り、目の前で伏せをしてそっと顔を差し出す。撫でて良いって!とユリアス様に言われ恐る恐る撫でる。
「うわぁ!サラサラ!ネージュとはまた触り心地が違いますね!凄く綺麗。」
そうだねって微笑み私を見ていた。シルありがとうって言い、私の手を取る。騎士団の皆に紹介するから行こうって言われついて行く。シル様とネージュも一緒に行くらしい。2匹はとても仲良くなったようで安心する。
「ルイーズだよ。聖獣と契約した稀に見る令嬢で今日は見学だけど、もう少ししたら通うようになるから仲良くしてあげて。将来は金の薔薇を背負う予定だから無茶はさせないでね。」
集合と騎士達に声をかけユリアス様が喋り出す。金の薔薇ってなんだろう?聞いた騎士様達がザワッとしている。本当に?と口々にざわついている。皆はわかるんだ。あとで教えてもらえるかな。




