突然
「明日閣下が来られる。ルーも用意をしておくように。ついにネージュの今後が決まったのだろう。寂しくても泣いてはいけないよ?」
「泣かないです!もうっ!お父様からかわないでください。」
あの日から数日…ついに閣下が来る。部屋に戻り寝ているネージュを撫でる。最近さらに大きくなり白い毛並みだったのが嘘のように銀色になっている。明日でお別れなのかな?そうなったら寂しいな。たまには会わせてもらえるのかな…明日聞いてみよう。
「訪問の許可を頂きありがとうございます。先日は突然お邪魔し申し訳なかったです。」
閣下が謝る事ではございません!とお父様が慌てている。元気だった?と抱っこしている私に近づきネージュの背中を撫でる。大事にしてもらってるねって笑っている。くぅー…今日も男前過ぎる。金の装飾がされている黒色の騎士服がよく似合っている。纏っているマントがとても高そうで全てが高貴すぎる。
「ルイーズ嬢今日は貴方に話があり参りました。今少しよろしいですか?」
では、こちらへと応接室に案内しソファーに座ってもらう。何をしても絵になる。今後会うことはないだろうから目に焼き付ける。
「お話とは?」
「ルイーズ嬢は婚約者はいますか?」
「え?いないです。」
「働くご予定は?」
「特に無いですが…」
「ネージュは聖獣騎士団で保護します。つきましてはルイーズ嬢、私と結婚を前提に婚約いたしましょう。」
は?聖獣騎士団に?私が?突然の話に呆然とする。え?婚約って言った?お父様を見るが驚いた顔をしている。知らなかったみたいだ。
「ルイーズがですか?」
「はい。聖獣は騎士団に必ず保護される事が決まっております。契約した状態では勝手に契約者無しで連れてはいけないのです。そもそも騎士以外と契約するのは本当初めてで…。そして騎士では無いルイーズ嬢を招くには婚約者としてが良いと…陛下が。」
「婚約しないとダメなのですか?」
「公爵家に住み日中は聖獣騎士団へと連れて行って欲しくて。無事保護出来ますし、ネージュは他の聖獣とも生活できる。貴方はこの子と離れなくていい。どうでしょうか?」
「…婚約は閣下ではなく、他の方とではダメなのでしょうか?」
ピクッと閣下が反応する。少し冷気を感じる。あれ?この質問は不味かったのかな?
「ルイーズ!失礼だ。閣下は陛下に言われて提案してくれているのだよ?」
失礼しましたと謝る。でも閣下と婚約なんてしたら令嬢に何されるかわからない。政略結婚だろうとは思っていたけど、これは話が違う。
「では1度騎士団に来て頂き決めましょう。私より良い相手が居ればそれを受け入れます。早い方がいいので明日迎えに参ります。そして誰と婚約するのかを早々に決めましょう。」
目が笑ってない気がする。何故だろう。閣下はお父様にそれで良いですか?と聞いている。お父様は恐縮しながら、私は閣下が良いと思います!と。閣下は縁が結ばれる事を願っておりますと言い立ち上がる。
閣下が私の足元に居たネージュに近寄り頭や顎を撫でる。撫でられているネージュは気持ち良さそうにしていて、そして閣下に飛びつきとても懐いている。
「契約解除は出来ないのですか?」
出来ないんだよねって教えてくれる。まず契約者に選ばれるのは極わずかで契約が絶対的に重視される。どちらかが亡くなっても解けない固い絆らしい。困った。
「また明日迎えに来るね。」
抱っこしていたネージュを私に渡し、また撫でたと思ったら私の頭も撫でまたねって帰って行った。格好良すぎる。鼻血出そう。
「ルー最善策は閣下だよ。聖獣はそれほどまでに貴重で国家が保護している。団長であり公爵でもある閣下なら何があっても守ってくれるだろう。私達はルーが危ない目に遭わないかが心配なんだよ。」
「でも絶対令嬢達からは守ってくれませんわ。必ず妬まれます!政略結婚は納得していますが閣下は別格です!」
両親は確かにと納得してしまう。聖獣はそれほど貴重かも知れないが閣下も価値がありすぎる。
「明日納得いくまで悩んできなさい。閣下に我儘を言わないようにな。」
わかりました。と返事をし部屋に戻る。
「サリー!大変頭を撫でられた!鼻血出そうだった…甘い匂いが堪らない…」
羨ましすぎるってサリーが悔しがっている。公爵家に嫁ぐなら私はついて行けないですね。寂しいですって伏し目がちに言っている。サリーが一緒に行けないなら余計嫌だわ。明日素敵な方が居るといいのだけど。




