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舞踊劇酔夢譚 (バレエすいむたん)、僕は白鳥のバレリーナ  作者: 優鶴
経緯、衝撃の配役、女子バレリーナとしての出演要請、強要と励まし
4/22

自宅でのチュチュとレオタードの試着

第4話―1:姉からの強制


励ましを受けた翌日、

僕がまだ迷っているような顔をしていると、姉が

「あんた、いつまでぐじゅぐじゅしているの。運命なんだから諦めなよ」

と僕にえらく気楽な調子でドライに言った。

「でも・・・。ちょっと・・」と言うと、

「おだまり! つべこべ言うんじゃないよ! 男なら覚悟決めて、スパッとチュチュを着てみな!」

と今度は、映画の『極道の妻』の怖いお姐さんのように迫ってきて、僕は圧倒されて意を決してチュチュに挑戦した。

ボディファンデーションを下に穿いて、チュチュを着た。

腰の周りのスカートが水平に広がって、下腹部とお尻を覆ってくれず心細い。

しかも、脚は下腹部とお尻の際 (きわ)まで露出している。

それに姉とはいえ、人に見られるのが恥ずかしい。


しかし姉は、僕のチュチュ姿を見ると、態度がコロリと変わり優しい姉になり、

「すごく可愛くて、本当に女の子にしか見えないよ」

と言うと、嬉しそうに母親のところに連れていった。

母親もチュチュ姿を見ると、同じように

「絶対に女の子にしか見えないよ。すごく可愛いよ。発表会は自信をもって踊りなさい」

と、本当に嬉しそうな様子である。

母親は姉にバレエをさせたかったがやらなかったので、その分の想いを僕に載せており、僕のチュチュ姿が嬉しいのだ。

この時は、二人に言われた事に僕はそうなのかなと、何か少し安心した気持ちになった。


でも、自分の部屋に戻って、鏡のチュチュ姿に固まった。

特にパンツ (ツン:チュチュのパンツ部分)の露出がすごく気になる。

前も後ろも丸見えで、前屈するとスカートからお尻が突き出るし、脚を上げると股下まで見える。

本当にこんなもの着て女の子にされて、パンツを観客に見せて踊らされるのかと思うと、男として惨めになった。


姉から「慣れる為に、頑張ってそのまま着ていなさい」

と言われ、このまま勉強机にむかって宿題をすることになってしまった。

宿題に集中している間は衣装のことが頭から離れたが、勉強が終わった途端にチュチュが頭に戻ってきて、先程とは別の感情が沸き上がってきた。

このチュチュは教室の上級生の女子達が着用したはずであり、それを着ている自分は変態にならないかと思えてきたのだ。

そして好きなバレエを続ける為とはいえ、こんな衣装を着せられてパンツを晒さなければならない自分が可哀そうになった。


「入ってもいい?」

姉が部屋のドアを叩く音がした。

「うん、いいよ」

姉が部屋に入ってきた。僕がどうしているか気になっているようだ。



第4話―2:姉


姉は3学年上で高校2年生だが、僕の世話を家で一番やく。

幼いころ一人で寝るのが怖い時なども、姉が隣にいると安心して眠れた。

また、バレエを習っている事を男の子達にからかわれた時なども、その男の子達に立ち向かってくれた。

そんなこともあり、僕は幼いころから姉には頭が上がらず、服従で逆らえない。


姉はバイオリンを小さい時から習っていて、かなりの腕だ。

僕がバレエ教室で男の子1人になっても続けたのは、姉が「いつか私の演奏であなたにバレエを躍らせたい」と言って、やめさせてくれないのも一つだ。

僕のバレエがバイオリンの励みになっていると常々言っている。


僕は幼稚園ではお遊戯が上手かったようで、上手と言われるのが嬉しくて踊るのが好きでバレエを習った。

僕がしなやかに優雅に踊れるのは、生まれつき股関節・肩・肘や手足などの関節が非常に柔らかい事、筋肉も非常に柔らかい事、手足が長いこと、普段女の子と同じレッスンが多い事、そして姉が家でバレエの為と言って僕の動作・所作に口をはさむためだと思っている。

そのため発表会では、女の子以上にしなやかなに優雅に踊るようになった。


部屋に入った姉は、「御飯だよ、そのままでいいんじゃない」とそのまま衣装を着続けることを強要した。

居間に行くと母親は、「あ、そのままなの」と一言。

帰宅した父親は、男がこんな格好をしてというように僕のチュチュ姿に顔をしかめた。が、既にあきらめているのか、「衣装を食事で汚すな」と言っただけだった。

結局その日は寝るまでチュチュで過ごした。



翌日からしばらく、姉から家でチュチュと女子レオタードにチャレンジさせられた。

姉と母親が収縮サポーターと薄ショーツを購入し、当て布でボディファンデーションも色々と補正したので、鏡に映る僕の体形が男の子ではなくなった。

更にウィッグとリップクリームを施された時は、顔も女の子のようになった。

自分の男のアイデンティティが奪われていくようだった。


読んでくださり、ありがとうございます。

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