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らいらいは、第三の選択肢――

**「とりあえず、怪しいけど一番でかい扉を開ける」**

を選んだ。


その扉には、金色の文字でこう書かれていた。


**『静かに開けてください。中で誰かがたぶん寝ています。』**


「たぶんってなんだよ」


らいらいがつぶやくと、扉は自分でビクッと震えた。

まるで「そこ気にする?」とでも言いたげだった。


ゆっくり押すと、扉の向こうには、信じられない光景が広がっていた。


そこは巨大な円形の部屋だった。

天井には星空みたいなランプ。

床にはふかふかの赤いじゅうたん。

そして部屋のど真ん中には――


**でかすぎるプリン**が置いてあった。


ただのでかいプリンではない。

城ぐらいでかい。

もはや「プリン」ではなく「プリン建築」である。


「なんで?」


らいらいがそう言った瞬間、部屋の奥から重々しい声が響いた。


「よく来たな……旅人よ……」


暗闇の中から現れたのは、長いひげをたくわえた老人――

ではなく、**蝶ネクタイをした巨大ハムスター**だった。


しかも王冠つき。


「わしはこの間の管理者、**プルンプルン大臣**じゃ」


「名前が軽いな」


「軽いのは名前だけではない。心も軽い」


「自慢げに言うな」


プルンプルン大臣は、ぴょん、と高そうな椅子に飛び乗ると、深刻そうな顔で言った。


「大変なのじゃ、らいらい殿。このプリン城の中心核――

**カラメル心臓**が盗まれた」


「物騒な単語と甘そうな単語が混ざってるな」


「このままではプリン全体のハリとツヤが失われ、

三日後にはただの、でかくてちょっと気まずい卵菓子になってしまう」


それはかなり嫌だった。

プリンはプリンとして生きていてほしい。


らいらいが近づくと、プリン城の表面には、たしかに大きな穴が空いていた。

そこから、ぬるくて切ない香りが漂っている。


「犯人は分かってるのか?」


らいらいが聞くと、プルンプルン大臣はうなずいた。


「おそらく奴じゃ。

この城の地下に潜む、伝説の盗賊――

**スプーン仮面**」


「絶対その場のノリで名乗っただろ」


「やつは強い。速い。甘味にうるさい。

そしてなにより、食べ方に異常なこだわりを持っておる」


「めんどくさそうだな……」


そのときだった。


部屋の壁に、突然、銀色の波紋が広がった。

そこからぬるりと、一人の影が現れる。


黒いマント。

銀の仮面。

手には一本の、異様に輝くスプーン。


「フッ……話が早いな」


「出た!」


「我が名はスプーン仮面。

カラメル心臓はいただいた。

あんなものをプリンの中心に閉じ込めておくなど、愚かしい。

真のデザートとは――自由だ」


「思想が強いな」


スプーン仮面は、らいらいを見てピタッと止まった。


「ほう……お前が新たな挑戦者か」


「いや、まだ状況を整理しきれてない」


「ならば整理する時間をやろう。

だが一つ忠告しておく。地下へ来るなら覚悟しろ。

我が配下、**ゼリー四天王**が相手になる」


「四天王なのに、ちょっと冷蔵庫感が強いな」


「ちなみに一人はもう帰省中だ」


「三天王じゃねえか!」


スプーン仮面はマントを翻し、壁の波紋の中へ消えた。

去り際に、やたらいい声でこう言い残す。


「プリンに救いを。だが、食べすぎには節度を」


「いいこと言ってるようで何も入ってこないな……」


静寂が戻る。


プルンプルン大臣は、ぷるぷる震えながららいらいを見た。


「頼む……地下へ行ってくれ……!

このままでは王国中のスイーツたちが不安になり、

ティラミスが急に哲学を語り始めてしまう!」


「それは確かに危険かもしれない」


すると、じゅうたんの端がめくれ、その下から階段が現れた。

地下へ続く螺旋階段。

そこからは、甘い匂いと、なぜか遠くで鳴るタンバリンの音が聞こえてくる。


らいらいは階段の前に立った。


空気が変わる。

笑える空間なのに、どこか本気だ。

この先には、ふざけた名前では済まない何かがある――そんな予感がした。


すると突然、らいらいの足元に、小さなメモが落ちてきた。


拾ってみると、そこにはこう書かれていた。


**『注意:地下ではたまに床がプリンです。走らないでください。』**


「大事な情報を今出すな」


らいらいは深く息を吸い、階段を見下ろした。


その先に待つのは、

ゼリー四天王。

スプーン仮面。

そして、奪われたカラメル心臓。


らいらいは、にやっと笑った。


「よし。プリン相手に本気出すか」


そう言って、一歩、地下へ踏み出した――。


---


**選択肢**

**1.** 慎重に地下へ進み、ゼリー四天王の情報を集める

**2.** いきなりスプーン仮面のもとへ直行する

**3.** 途中で床が本当にプリンかどうか、まず指でつついて確かめる


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