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弟よ、姉は異世界で無双します  作者: 春待瑞花


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8. 医学

 この世界の医学を調べてわかったことは、科学が未発達なため、解剖生理学があっても生化学や免疫学がないということ。

 地球と同じような大気のため、放射線や紫外線も存在しているようだが、それを使用したレントゲンやCTといった医療機器は存在せず超音波を使用するエコーもない。体内の異常はマナでの感知のみといったところだ。


 高位貴族は主治医からマナの感知を定期的に受けるため、身体の異常があれば迅速に治療を受けることができる。

 そうではない国民の多くは、見えない部分の治療を受けることが出来ず、症状が出てから診療所にかかるため手遅れとなる場合が殆どだ。

 診療所の研修医達はマナを巡らせて身体を調べることが出来るが、そのマナで治癒を行えるのは軽い病気程度である。たとえ異常を感じて診察を受け、早期に重い病気が発見されたとしても、治癒出来る医師に診てもらうことは出来ないため、寿命を受け入れているようだ。


 家族を残して死ぬことを知らされる。想像しただけで辛い。私は諦められないと思う。高位の医師から治癒を受けることが出来る立場にあるクレアは、幸運過ぎるいっても過言ではない。


 しかし、この貴族制度のこの世界ではこれが常識なのだろう。国民が豊かに暮らせているため、謀反や貴族の地位剥奪等の不穏な空気は一切ないが、今後もそれが続くとは限らない。

 だが、過去に菌やウイルスによる流行病が蔓延して流行病で多くの人が亡くなったという記録はないため、それらは存在しないようだ。

 自然界にもマナが溢れているため、空気は常に新鮮で食物の腐りも緩やかだ。おそらくマナで浄化されているのだろう。

 急な流行病での命の危険がないことで、病気が見つかった場合や、大きな怪我を受けてしまった場合はそれを運命として寿命を受け入れるようだ。


 争いのないこの穏やかな世界がずっと続いて欲しいと思う。


 私にはある程度の医学の知識がある。まだ看護学生3年生だったため、臨床を知らず、医学生のような専門的知識も持ち合わせていないが、生化学、免疫学、公衆衛生学、環境医学の触り程度のものなら覚えている。

 この知識を活かして、なんとか国民の死亡率を下げ寿命を伸ばしたいと思った。



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