18. やらかした…?
クレアは静止させた人とガラスをゆっくりと地面に下ろした。
「は〜っ…危なかったですわ…。他に被害はないかしら?」
と言い、周りを見回す。
その場にいた全員がクレアを凝視した。
「……い、今の魔法は、クレアがやったのか??」
リオルが初めに口を開く。
「あ……、申し訳ありません。咄嗟のことで、つい魔法を使ってしまいました。……魔法使い様達がいらっしゃるのに、差し出がましかったですよね?
…余計な事をしてしまいました…」
しゅんとして、肩を落とす。
その様子をみて、魔法使い二人が駆け寄ってくる。
「御令嬢が今の魔法をっ?!」
「私達では間に合いませんでした!信じられない発動速度ですっ!!失礼ですが、お名前を伺っても?!」
と、20代と40代くらいの二人が聞いてきた。
「あ……、わたくし、シモクレン家のクレアと申します。差し出がましいことをしてしまい、本当に申し訳ございません!」
と頭を下げる。
「いやいやいやいや、謝罪なんてとんでもないです!!お礼を申し上げなくてはならないのはこちらなんですからっ!」
「……シモクレン家の……さすがは公爵家ですね。
アンディ様の魔法も素晴らしいですが、ここまでのレベルをまさか妹様がお持ちとは……」
「クレア様は、まだお若いですよね?将来的は魔法使いにとお考えですか?
それともお兄様のように、魔術師科にお進みですか?」
と、早口で質問してくる。
「あ、わたくしはすでに高等学院の医師科に在籍しております。一年生です」
「なんとっ!?
これほどの腕をお持ちですのに、魔法使いにはならないのですか??」
「はい。医師になるべく学んでいる最中ですわ。
こちらの皆様と」
と、リオル達を見渡した。
「え、ええ…。私達は、クレア嬢のクラスメイトでして…」
「今日はみんなで息抜きにやってきたところでして
……クレアの魔法を見たのが初めてなので、とても驚いています」
フレデリクスとレオポルドが順に話す。
ちなみに、トマスは口を開けたままだ。
「ごめんなさい。作業のお邪魔ですよね。
私達はこれで失礼いたしますわ」
と略式のカーテシーをした。
魔法使い二人は、何とも言えない苦い表情をしながら頷く。
私が踵を返して歩き出したところで、リオル達ははっとして、すぐに先ほどと立ち位置を同じにして歩く。
「次はカフェですわよね?
お店でいただくのは初めてなので、とても楽しみですわ!」
言いながらリオルを見ると、
「そうか……
いや、そうだな。……店で一息つこう」
リオルは真面目な顔で言い、他のみんなもそれに頷いた。
そして、みんな真面目な顔を崩さず、それぞれの馬車に乗り込んだ。
………なんか、空気が重い。
もしかしなくても……やらかした…?わたし。
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