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弟よ、姉は異世界で無双します  作者: 春待瑞花


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14/31

14. クラスメイト

 入学式の日は、各科でのオリエンテーションが終われば下校だ。翌日から講義開始となる。


 配布された資料を鞄に入れ、帰り支度をしていると、フレデリクスが話しかけてきた。


 学院外では、貴族の階級が上のものや、年齢が上のものから声をかけ、下のものは声かけを待たなくてはならないが、学院では身分や年齢は関係なく、同級生はみな同等の立場となる。


「クレア、久しぶり。数ヶ月前のお茶会以来かな?

 クレアが賢いことは知っていたけど、シェラード先生の話を聞いてとても驚いたよ。すごい成績だね」


 続いて、その後ろにいたレオポルドが、

「クレア嬢、パーティーで挨拶する程度だったね。改めてレオポルドだ。これからよろしく頼む。

 クレアと呼んでもいいだろうか?」

 と話す。


「フレデリクス様、お久しぶりでございます。フレデリクス様のクラスメイトになったことは、私自身、大変嬉しく思っております」

「レオポルドさま、お声かけいただき恐縮でございます。クラスメイトとして、気兼ねなくクレアと呼んでくださいませ」

 と二人に微笑みながら返した。


 いつの間にかレオポルドの後方にトマスが立っていた。トマスが遠慮がちに口を開く。


「クレア嬢、ご無沙汰しております。エリザベスから、クレア嬢が医師科に入学することを聞いていましたが…クレア嬢がこれほどまでの才媛であることは存じていませんでした。

 これからクラスメイトとして、ぜひとも親しくさせていただきたいです」


「もちろんですわ。私の方こそ、三年間仲良くしていただければとても嬉しくお思います。ぜひともエリザベス様のように、気兼ねなくお話しくださいね」

 敬語は使わなくていいよ、との思いを込めて微笑んだ。


 タイサン家は伯爵だが、伯爵家では序列一位に位置している。タイサン家の子供達は、侯爵家主催のお茶会や夜会にも頻回に参加していた。

 トマスの妹のエリザベスは、クレアと同じ12歳ということもあり、お茶会ではよく同じテーブルで会話し、親しくしていたのだ。


「ありがとう!では、遠慮なくそうさせてもらうよ!これからどうぞよろしく!」

 と、エリザベスによく似た満面の笑顔で応じる。


 クレアの周囲が和やかな雰囲気に包まれる中、リオルがゆっくりと近づいてきた。その表情は硬い。


「……クレア嬢、レオポルド殿、フレデリクス、トマス、これからよろしくたのむ」

 それだけ告げて教室を出て行った。


「……リオル殿は入試で首位を目指している、と聞いた。おそらく、年下のクレアに負けたのが悔しいのだろう」

 とレオポルドが呟く。

「アレクサンドリナ家は序列一位ですからね…

 気持ちはわからなくもないです。

 ですが、5人しかクラスメイトがいないのですから、お互い助け合いながら、楽しく過ごしたいです」

「…僕もそう思います」

 フレデリクスの言葉にトマスが頷く。


 4人揃って教室を出て校門へむかう。

 校門外の馬車停めでは、メルや護衛騎士達が馬車の横に待機していた。騎士の手を借りて馬車に乗り込む。


 向かいに座ったメルが言った。

「クレアお嬢様、本日はお疲れ様でございました。

 クラスのご様子はいかがでしたか?」

「ありがとう。

 ……アレクサンドリナ公爵家三男のリオル様、キンジェ侯爵家のニ男のフレデリクス様。タイサン伯爵家のトマス様、ガノリア侯爵家のレオポルド様がいらしたわ。

 レオポルド様は国政科を卒業したけれど、医師科に入りなおしたと話してらしたわ。ガノリア家は継がず、医師になられることにしたのかしらね」

「そうなのですね。ガノリア家もお子様はたくさんいらっしゃいますから、弟様のどなたかがお継ぎになるのでしょう。医師への志が強いのでしょうね」

 メルは感心したように話した。


 レオポルドは18歳なので、婚約者がいてもいい年齢だがその噂は聞かなかった。医師となって家を継がなければ結婚を急ぐ必要はないからだろう。

 リオルは15歳と比較的年齢が近いため、多くはないが何度かお茶会で会話したことがある。昔から、年齢の割に落ち着いていると感じていたが、医師を目指していることは知らなかった。アレクサンドリナ家の長男は数年前に国政科を卒業し、すでに宮廷で宰相補佐として活躍している。次男は宮廷魔術師で、アンディの上司だった。アレクサンドリナ家は王族の血を引いているため子達は全員マナが多い。リオルのマナも相当なものと聞いており、魔法や魔術も難なく使えるようだ。過去、公爵家から医師への道へ進んだ者は殆どいない。リオルも宮廷魔法使いか魔術師になると思っていた。


 先ほどのリオルの態度を思い出し、

(序列が下で年も下の相手に負けるって、序列一位なら確かにプライドが傷つくわよね…

 さほど話した事がないし、マナが自分より多いとは思ってないだろうなぁ〜

 ……バレたら更にプライドを傷つけそうね)

 と今後のことを考えて、内心ため息をつく。


ここまでお読みくださり、誠にありがとうございます!

日常業務多忙のため、この後からは0時更新予定です。


よろしければ、下の☆☆☆☆☆から評価を入れていただけると大変励みになります!

完結までお付き合いいただければ、大変嬉しいです。

よろしくお願いいたします。

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